Toyota(トヨタ自動車)は、2025年までに15車種のバッテリー式電気自動車を投入するという従来の計画をさらに拡大し、2030年までに30車種のバッテリーEVを展開すると発表した。日本時間12月14日に行われた同社の「バッテリーEV戦略に関する説明会」では、将来を予感させるさまざまな種類のEVコンセプトカーが紹介された。
その中には、Ford(フォード)の「F-150 Lightning(F-150ライトニング)」やRivian(リビアン)の「R1T」などと競合する可能性のある電動ピックアップも含まれている。Autoblogでは、トヨタのピックアップEVが、同社の「Tacoma(タコマ)」に非常によく似ていることを指摘している。そこから推測すると、タコマの次期型モデルにはEVバージョンが用意されるのかもしれない。
他にも「SPORTS EV(スポーツEV)」と呼ばれる電動スポーツカーや「FJ Cruiser(FJクルーザー)」を思い出させる「Compact Cruiser EV(コンパクトクルーザーEV)」などのコンセプトカーが披露された。さらに「Micro Box(マイクロボックス)」や「Mid Box(ミッドボックス)」という商用車も用意されるようだ。そしてトヨタは、2021年の夏季オリンピック / パラリンピックで選手の移動に使われた自動運転バス「e-Palette(イーパレット)」を改めて公開した。パラリンピックでは、このEVが視覚障害者の選手と接触する事故が発生したため、同社はその使用を中止している。
さらにハイエンドなモデルとして、トヨタはLexus(レクサス)ブランドのEVコンセプトもいくつか披露した。「Lexus Electrified Sport(レクサス・エレクトリファイド・スポーツ)」は、0-100km/hまで2秒台で加速し、一度の充電で走行可能な航続距離は700kmになるという。その他、クーペ風4ドアセダンの「Lexus Electrified Sedan(レクサス・エレクトリファイド・セダン)」や、高級大型SUVの「Electrified SUV(レクサス・エレクトリファイドSUV)」も公開された。
トヨタは現在、車両の電動化に8兆円を投じることを表明しているものの、EVに関する中期的な予測は比較的保守的だ。同社では2030年までに世界で年間350万台のEV販売を目指すとしているが、これは現在の自動車販売台数の約3分の1に相当する。
これに対しVolkswagen(フォルクスワーゲン)は、2030年までに新車販売台数の半分がEVになり、2040年には主要市場における販売台数のほとんどがEVになると予測している。早くからハイブリッド車の技術を牽引してきたトヨタが、現在はEV市場で他の自動車メーカーに追いつこうとしていると考えれば、EVに関しては比較的控えめな予想を立ててもそれほど驚くことではない。
トヨタは最近、12億9000万ドル(約1467億円)を投じて2025年までにノースカロライナ州にEV用バッテリー工場を建設する計画を発表した。その一方で同社は先月、GMやフォードなど他の自動車メーカーが賛同する、化石燃料を使用する自動車を2040年までに段階的に廃止するという案に合意することを拒否している。しかし、レクサスでは、2035年までに世界で販売する車両のすべてをEVのみにすることを目指している。
編集部注:本記事の初出Engadget。
画像クレジット:BEHROUZ MEHRI / Getty Images
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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2021/12/15/2021-12-14-toyotas-latest-ev-concepts-include-sports-cars-and-a-pickup/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Kris Holt,Hirokazu Kusakabe
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