米FDAがファイザーの新型コロナ経口薬を12歳以上に認可

米食品医薬品局(FDA)は、Pfizer(ファイザー)の抗ウイルス剤Paxlovid(パクスロビド)を緊急認可し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽度から中等度の症例を治療する最初の経口療法となった。この治療法は、重症化のおそれのある12歳以上のリスクの高い患者だ。FDAは数日以内に使用を認めているため、オミクロン株の襲来に対して有効かもしれない

Paxlovidは処方箋のみで入手可能で、新型コロナの症状に気づいてから5日以内に服用することになっている。Pfizerのテストによると、高リスクの患者でも入院や死亡を88%防ぐことができる。この治療薬は、ワクチン接種者と非接種者の両方に処方することが可能で、30錠を5日間かけて服用する。タンパク質阻害剤であるニルマトレルビルと、その阻害剤が体内で分解されないようにするリトナビルが含まれており、副作用として味覚障害、高血圧、下痢、筋肉痛などがある。

FDAの医薬評価調査センターのディレクターであるPatrizia Cavazzoni(パトリツィア・カヴァッツォーニ)博士は「この認可により、新たな変異種が登場したパンデミックの緊急事態において、新型コロナウイルスと戦う新しいツールを提供し、重症化のリスクの高い患者に抗ウイルス治療へのアクセス性を高めることができた」と述べている。

ニューヨーク・タイムズによると、これまで米国は1000万人分の薬を注文している。同社は、1週間以内に6万5000人の米国人をカバーするのに十分な錠剤を納入する予定だ。その後、2021年1月に15万個、2月に15万個と生産が拡大される予定となっている。この薬は唯一の抗ウイルス剤というわけではない。Merck(メルク)の対抗となる治療薬も間もなく承認される見込みで、Pfizerよりも容易に入手できるようになる可能性が高い。ただし同社の治療薬ははるかに効果が低く、入院や死亡を30%しか防ぐことができない(それでも、何も治療しないよりはましだ)。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のDevindra HardawarはEngadgetのシニアエディター。

画像クレジット:Pfizer

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(文:Devindra Hardawar、翻訳:Hiroshi Iwatani)


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