もちもち食感と甘みを楽しめる炊飯器5選【GoodsPress Award 2021】

【GoodsPress Award 2021】

劇的な変化はないものの、炊飯技術や炊き分け機能を年々ブラッシュアップさせてきた炊飯器。象印マホービンの「炎舞炊き」最新モデルも、そんな着実な進化を感じさせる傑作だ。

*  *  *

■激しい対流が甘みを引き出す。進化した“炎舞炊き”がご飯を最高のご馳走に変える!

近年はご飯を炊くための鍋や家電が多様化しているが、それでも炊飯器を使う人は多い。長年培われてきたご飯の旨みを引き出す技術や、炊き分け、保温などの機能が年々進化し、その便利さが評価されているからだろう。そんな最新炊飯器の中でも、家電プロレビュアーの石井和美さんが、2021年のベストとして選んだのが、象印マホービンの「炎舞炊き NW-LB10」だ。

「何よりもご飯が抜群に美味しいと感じました。IHヒーターをローテーションで加熱して対流を作っていく独自技術で、甘くてふっくらしたご飯が出来上がります」

かまどの炎の激しいゆらぎを再現すべく2018年に採用された“炎舞炊き”の技術は、本体底に複数のIHヒーターを配置し、独立制御するものだ。これにより内部に激しい対流を起こし、米の一粒一粒に熱を伝えてふっくらと炊き上げるのだが、最新モデルではIHヒーターを6つに増強。沸騰工程での集中加熱時間を見直し、より対流を激しくすることで甘み成分のひとつである還元糖を引き出す。

こうした基本の炊飯技術に加えて、炊き分け機能も進化。石井さんもその使い勝手のよさを実感している。

「前回食べたご飯の感想をアンケート形式で答えていくと、徐々に好みの味に近づいていくというもので、本当に自分の好きな味や食感を楽しみたい人にはお勧めですね」

毎回洗う部品を減らしたり、掃除などの手入れをしやすくしたりと、細かな工夫が施されている点も「炊飯器の老舗らしい作り込み」(石井さん)と評価。ご飯の味に満足し、毎日の使い勝手を考えた機能に感心する。多くの競合がひしめく炊飯器市場の中で「炎舞炊き NW-LB10」は誰もが納得する完成度を示してくれた。

家電プロレビュアー 石井和美さん
白物家電や日用品のお役立ちグッズなどを中心に製品レビューを得意とし、Webや雑誌などで多数執筆。2018年より家電をレビューするためだけの一軒家「家電ラボ」を開設

 

 

GoodsPress Award 2021
BEST HIT OF THE YEAR
炊飯器部門

★最優秀賞★

■甘みと弾力のあるご飯で毎日の食事がより豊かに!

象印マホービン
「圧力IH炊飯ジャー 炎舞炊き NW-LB10」(実勢価格:12万円前後)

沸騰工程での集中加熱時間を見直すことで、釜内部の対流を激しくし、米の甘み成分を引き出す。アンケート方式の炊き分け機能や、麦ご飯、玄米用のメニュー、水分の蒸発を抑え40時間までおいしく保温する「極め保温」機能も搭載。炊飯容量5.5合。

▲しゃもじとフタを開ける際に押すプッシュボタンには、抗菌効果のある銀イオン(Ag+)を配合。衛生面にも配慮している

▼甘みのあるご飯を好みの食感に炊き分け

▲底面にIHヒーターを6つ配置。2つずつ切り替えて加熱することで、内部に激しく複雑な対流を生み出す

▲内釜は発熱効率と蓄熱性が高い鉄素材をアルミとステンレスに組み込んだ構造。厚いフチで熱を逃さない

▲味の感想をアンケート形式で答えると好みの味に進化。水量を変えず121通りの炊き方に微調整する

▲炊飯時の圧力の強さと圧力をかける時間を調整することで、7通りの食感に炊き分ける機能も搭載する

▼使い勝手や手入れのしやすさにも配慮

▲トップパネルがフラットなので拭き掃除が簡単、蒸気口セットがないので毎回洗うのも内ぶたと内釜だけだ

▲炊きこみごはんを炊いた後などのにおい残りを抑えてくれる、クリーニング機能も搭載する

▼まずはお試しサービスを使う手もあり

「炎舞炊き NW-LB10」は、家電レンタルサービスのRentioと連携したお試しコースで試用することもできる。期間は2週間(14泊15日)で、料金は4980円。気になる人は、まずこれを利用してみるのもいいだろう。

■圧力IHタイプが増加中。炊飯器はもちもち食感と甘みを楽しめるタイプが主流に

着実に高機能化を図りつつも、味のトレンドも反映している炊飯器。石井さんによると、近年はもちもちとした食感で甘みを感じられるご飯が人気で、この1年で登場した炊飯器もこれに対応したモデルが目立っているという。

「圧力をかけるタイプで、もちもちとして甘みがあるご飯を炊きやすい圧力IHモデルが増えています。銘柄を問わずに美味しさを感じやすいので、人気があるのでしょう。一方で、圧力をかけない炊飯方法にこだわるメーカーもあります。このタイプは、銘柄や米の質がストレートに味に現れやすいので、銘柄ごとの食べ比べなどが好きな人に向いていそうです」

こうした味の特徴が明確になってきただけでなく、扱いやすさに配慮した改良も目を引く。

「一時はかなり重いものもあった内釜は、軽量なタイプが増えました。毎日のように洗うことを考えると、やはり軽い方が便利。普段お手入れする部品を少なくする傾向もあります」

長時間の保温でも美味しさを保つ機能の採用も多い。ご飯を毎日ストレスなく味わうための工夫も、最新の炊飯器の特徴なのだ。

 

GoodsPress Award 2021
BEST HIT OF THE YEAR
炊飯器部門

★かまどの味を堪能賞★

■本炭釜と大火力で炊き上げて食感も自由自在

炭を使った内釜を採用するモデルで、シャッキリした食感が特徴。圧力をかけないので、米の銘柄ごとの味がわかりやすいでしょう(石井さん)

三菱電機
「本炭釜 KAMADO NJ-AWBX10」(実勢価格:10万5000円前後)

圧力を使わず、炭釜を使った直火炊きで粒感のあるご飯を炊ける最上位モデル。冷凍しても炊き立てのおいしさが味わえるまとめ炊きモードや、エスニック料理に適した長粒米専用のモードを搭載。炊き上がりの通知や炊き分けを選べる専用アプリとも連携する。炊飯容量5.5合。

▲内釜に純度99.9%の炭素材を使用した本炭釜を採用。米に瞬時に熱を伝えてふっくらと炊き上げる

▲熱密封リングで羽釜の構造を再現。さらに断熱構造を強化し、熱を逃がさず効率よく加熱する

 

GoodsPress Award 2021
BEST HIT OF THE YEAR
炊飯器部門

★炊き技を徹底追求賞★

■“50周年の最高傑作”が甘みを引き出す技術でさらに進化

内釜はやや重いのですが、粒立ちがいい艶やかなご飯を炊けるなど、土鍋の特徴がしっかり出ています。少量でも美味しく炊ける機能も便利ですね(石井さん)

タイガー魔法瓶
「土鍋圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉土鍋ご泡火炊き JPL-G100」(実勢価格:11万円前後)

2020年に登場したシリーズ50周年記念モデルがさらに進化。仕上げの圧力や水分を緻密にコントロールして、ご飯のハリや甘みをより引き出す。木のおひつを参考に味を長持ちさせる保温機能や、1合だけでも美味しく炊ける機能、70銘柄の炊き分け機能も搭載する。炊飯容量5.5合。

▲本土鍋の内側は三重県四日市市の萬古焼を使用。強度は一般的な土鍋に比べ約2倍以上で、割れなどに対する5年保証も用意

▲1合でも美味しく炊く機能は、専用の中ぶたを使って炊飯空間を最適化。香り高く甘みのあるご飯を炊ける

 

GoodsPress Award 2021
BEST HIT OF THE YEAR
炊飯器部門

★シンプルに味を追求賞★

■大火力でふっくらもちもちの銀シャリを炊き上げる

パナソニックの“おどり炊き”は、もちもちとしたみずみずしいご飯に炊き上がるのが特徴。万人に合う味わいで、おかずに合わせやすいご飯と言えるでしょう(石井さん)

パナソニック
「おどり炊き SR-MPW101」(実勢価格:6万円前後)

大火力と可変圧力を組み合わせて、米一粒一粒にムラなく熱を均一に行き渡らせる独自の“おどり炊き”が特徴。ダイヤモンド竈釜と6段IHとの組み合わせで、甘みともちもち感がある、ふっくらとしたご飯を炊ける。カラーは3色で、いずれもキッチンになじむ鋳物調のデザインを採用。炊飯容量5.5合。

▲冷凍・再加熱後もほぐれやすく、粒の中まで柔らかく炊き上げる冷凍用ご飯コースも用意する

 

GoodsPress Award 2021
BEST HIT OF THE YEAR
炊飯器部門

★ハイコスパ炊き分け賞★

■手頃な価格帯ながら多彩な炊き分け機能を搭載

手頃な価格帯ながら、確かな炊飯機能を備えたモデル。もっちりした食感のご飯を味わえます。銘柄炊きや低糖質メニューなど、炊き分け機能も充実しています(石井さん)

アイリスオーヤマ
「銘柄炊き RC-PD50」(実勢価格:1万8000円前後)

主要な40銘柄にあわせた炊飯プログラムや、カレー用、冷凍用などに適した炊き分け、硬さと食感の3段階選択など、炊き分け機能が充実したモデル。麦飯や雑穀米、低糖質など、健康を意識した炊飯コースも搭載する。炊飯容量5.5合。

▲内釜には厚さ3.0mmの極厚銅釜を採用。米に熱を均等に伝えて、保温時には釜内を均等に保つ

 

GoodsPress Award 2021
BEST HIT OF THE YEAR
炊飯器部門

★“多彩な極上”を味わえる賞★

■食感しっかり噛むと甘味!老舗米屋の炊飯ノウハウを活用

外硬内軟のご飯は、粒立ちがよくシャッキリとした食感が特徴。棚などに入れやすい蒸気レスタイプで、内釜が軽くて洗いやすいなど、使い勝手の面でも優れています(石井さん)

日立
「ふっくら御膳 RZ-W100EM」(実勢価格:6万5000円前後)

京都の老舗米屋、八代目儀兵衛の炊飯ノウハウを取り入れた“極上ひと粒炊き”が特徴。ご飯の輪郭や食感がしっかりして噛むと甘みが広がる“外硬内軟”を実現した。水温に合わせて火加減や浸し時間を自動調整する機能も搭載。少量炊飯や最大40時間のスチーム保温にも対応。炊飯容量5.5合。

▲軽量で扱いやすい内釜でも高い蓄熱性を持たせるために、本体の全周に断熱構造を採用する

>> 【特集】GoodsPress Award 2021

※2021年12月6日発売「GoodsPress」1-2月合併号100-103ページの記事をもとに構成しています

<取材・文/高橋智 写真/湯浅立志(Y2)>

 

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