【2021年振り返り #4】 “耳”が離せない! 最新の音楽テックサービスで、今年のリスニング環境はこう変わった

2021年は、「音楽」を聴く環境や楽しみ方が少しずつ変化した年でした。

サブスクリプションやワイヤレスイヤホンの普及といった大がかりなアップデートはたしかにありませんが、かゆいところに手が届く細かな技術革新の話題が盛りだくさんです。

あなたはいくつ押さえていますか? 2021年の音楽テックに関する話題を振り返ってみましょう!

空間オーディオ、迫る!

待望の新作である第3世代のAirPodsを販売したAppleですが、ハードだけでなくソフトの部分も大幅に変わってきています。

6月には3D音響効果のある「空間オーディオ」をApple Musicで提供開始。これまでのステレオ以上にリッチな前後左右のリスニング環境を実現しました。

Spotifyでも、自分なりに空間オーディオを設定できる「KALKUL AURA」というサードパーティーアプリが登場。これからは、サラウンドの音楽体験すらも持ち歩くことが定番化する予感です。

音楽の新しい楽しみ方

ここからは2021年に話題にのぼった新しい音楽体験に関連するサービスをいくつかご紹介します。

もっと楽曲と向き合うためのSNS「Chooning 」

Spotifyで視聴した音楽にテキストを添えてシェアできるSNS「Chooning」は、音楽鑑賞の原点と言えるような丁寧なリスニング体験を呼び戻してくれるサービスです。これまでiOS版 のみの展開でしたが、2月にはAndroid 版もリリースしました。

Android版アプリはこちら。iOS版はこちら

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SNSのトレンドワードからプレイリストを生成する「Moment Tuner」

博報堂は株式会社コネルと共同でSNSのトレンドワードからプレイリストを自動生成するエンジンを開発しました。TwitterなどSNSからワードを抽出し、そのときの世相を反映する音楽を提供する仕組み。

たとえば、「令和」がトレンドワードの上位になった場合、「新しい時代」「幕開け」などの言葉が含まれる曲名でプレイリストを組み上げてくれます。

ハードウェアの試作機も発表されており、同エンジンを実装したラジオ型の再生システム(スピーカー)、「『今を聴く』Moment Tuner」のプロトタイプも制作。世の中の動きを音楽で感じ取りながら、思いもよらぬ音楽との出会いを提供する試みです。

「思いもよらぬ」といえば、Spotifyは本人も気づいていないような聴き方を明らかにする「Only You」をリリース。Spotifyを使えば使うほど、自分好みの音楽やポッドキャスト番組に出会うことができます。

また、端末のマイクを利用して「この曲なんだっけ?」がわかるアプリ「Shazam」をApple が買収して久しいですが、iOS14.2からはShazamがiOSなどのコントロールセンターから呼び出せるように。今年の9月にはコントロールセンターからShazamを呼び出した音楽検索が10億件を突破したという報告も出ています。より音楽が身近になりましたね!

距離を越えて一緒に楽しむ

ここからは「離れた人と音楽を聴く」に特化した試みを振り返りましょう。

まず記憶に新しいのはAppleのSharePlay。iOS15/iPadOS15からスタートしたほか、先日発表された「macOS Monterey 12.1」にも対応。急速に広がっている印象です。Apple Musicはもちろんのこと、音楽以外ではDisney+、Hulu、Twitch、TikTokなどでも使用できます。

先駆けとしてLINEは2020年から同様の機能を搭載しているほか、AWAも3月に新機能「LOUNGE by AWA」を実装しています。

番外編:自分で作る側に回ってみる?

さて、ここからは番外編。「聴く」のみならず作る側にも良い知らせが沢山ありました。

たとえば、Spotifyはクリエイターにも温かい場所。SpotifyのポッドキャストでラジオDJのように一般の楽曲が使用できる「Music + Talk」のリリースや、プレイリスト「DJ Mix」 の追加で新たな表現に挑むことができます。

また、AIによる自動楽曲生成の技術はすでに現実ラインを優に超えており、たとえば今年2月に日本・中国・韓国の3か国でリリースされた「FIMMIGRM」は写真や動画からオリジナルミュージッククリップを作れるアプリ。無料iOS版が配布されています。

生成したデータをMIDIでダウンロードしてDAWで編集するなどの高度な使い方にも対応。気軽なユーザーもコアな音楽クリエイターも満足させてくれそうです。

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2021年の身近な音楽テックをダイジェストで振り返ってみました。ハードウェア、ソフトウェア、プラットフォームとそれぞれの技術が複合的に絡むようになった音楽領域。2022年も“耳”が離せません!


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