これならできる!フライキャスティングを気軽に“投げ練”できるロッドが楽しすぎ!

空中でラインを操り、小さなフライ(毛針)をポイントへ運ぶ“フライフィッシング”(FF)。「いつかはやってみたい釣り」の代表格ですが、ルアーなどの投げ方とは全く別のテクニックが必要とあって、ハードルがやや高め。

そんな我々初心者の強い味方が、自宅や広場でFFキャスティングの練習ができる「プラクティスロッド」なのです。

▲サイエンティフィック・アングラーズの「プラクティスロッド」は、全長約120cmと室内でも使えるサイズ。折りたたみ式の2ピースなので持ち運びにも便利です

プラクティスロッドは、フライ専用のライン(糸)の代わりに毛糸を使うため「ヤーンロッド」とも呼ばれます。

ところが今回ご紹介する「プラクティスロッド」(7150円)は、フライラインのトップブランドである、サイエンティフィック・アングラーズ(SA)がプロデュースしただけあって、太めの紐と細めの毛糸を組み合わせることで、よりリアルな練習が可能です。

▲組み立てるとこんな感じ。先端にはフライ代わりに蛍光オレンジのヤーンが付いているので視認性も抜群。まわりに人がいないことをしっかり確認してから練習しましょう

全長は約120cm、グリップにはコルクを採用し、ラインを通すガイドも装着するなど実物のロッドのよう。このこだわりの造作に、練習モチベーションの高まりを感じずにはいられません!

■大切なことは『釣りキチ三平』が教えてくれる

▲1973年から週刊少年マガジンで連載された『釣りキチ三平』(講談社)

フライキャスティング練習のお供は、筆者がフライキャスティングをかじり出したころにお手本にした矢口高雄先生の漫画『釣りキチ三平』です。

本作の『フライフィッシング編』では、主人公・三平くんが兄貴分の魚紳さんから送られる手紙でフライキャスティングを教わる様子が描かれ、難しいと思われがちなフライキャスティングの基礎を、三平くんと一緒に読者も学べる内容となっています。

というわけで『釣りキチ三平』を熟読し、いくつかのコツを思い出しながら河川敷へ向かいました。

■コツは “手首を使わない”こと

▲フライキャスティングには様々なスタイルや考え方がありますが、まずは「手首を動かさない」と意識するのがオススメです

FFが他の投げ釣りと大きく異なるのが手首の使い方。ルアーを投げる時には脇をしめ、手首のスナップを利かせてルアーを弾くようにキャストしますが、FFはその逆。手首を極力動かさず、腕全体でロッドを滑らかに動かすのがFFキャスティングの基本です。

■フライキャスティングとは

フライキャスティングの一連の動作を「フォルスキャスト」と呼びます。実際の釣り場では何度かフォルスキャストを繰り返しながら、ラインの長さや方向を調整してフライをポイントへ届けます。

STEP1:バックキャストを開始

▲練習時にも目を保護するアイウエアと帽子を身につけることをオススメします

まずはロッドの長さの2〜3倍ほどのラインを引き出します。竿先でラインの重さを感じながら、ロッドをゆっくりと後ろに向かって持ち上げます。この動作が「バックキャスト」です。

STEP2:“10時の位置”でロッドをストップ

自分を右手真横から見て、ロッドをアナログ時計の10時の位置で止めます。止めることでロッドのエネルギーがラインに伝わり、ローマ字の“U”を横に倒したような輪を描きながら後方に延びていきます。この輪を「ループ」と呼びます。

STEP3:ループが延び切るのを待つ

▲ループの“Uの字”がなくなるまでラインを延ばす

後方のループが延び切るのを確認します。延び切らない状態で前方にロッドを動かしてしまうと、十分な力がラインに伝わらないので要注意です。

STEP4:フォワードキャストに移る

▲フォワードキャストに移った瞬間に、「パシッ」という音が鳴る場合はまだループが延び切っていない証拠。もうワンテンポ遅らせます

ループが延び切ったら、前方へのキャスト(フォワードキャスト)を開始します。ロッドティップ(竿の先端)がブレるとラインも波打ってしまうので、動作はあくまでも滑らかに。

STEP5:“2時の位置”でロッドをストップ

ロッドが時計の2時の位置に来たらストップ。バックキャストと同様、ロッドの動きを止めることでラインに力が伝わり、前方へと向かうループを生み出します。

STEP6:前方にループが延び切るのを確認する

▲フォルスキャストを繰り返すこと小一時間、なんとかループを描けるようになりました。真冬の運動不足解消にいいかも!

前方にラインが延び切るまでがフォワードキャスト。バックキャストとフォワードキャストを繰り返す動作を「フォルスキャスト」と呼びます。

ループは上下の幅が狭い(ナロー)ほど、空気抵抗が少なくフライが遠くまで飛びます。しかし、ライン同士が近づき絡みやすくなるため、いかにナローなループを絡まず作れるかが、フライキャスティングのテーマといえます。

■自分の真横に壁の存在を感じる

▲前方から見た時に、ロッドが左右に傾かないように心がけます

フォルスキャストの動作では、ロッドの角度を左右一定に保つのが基本。ロッドを握る手のすぐ横に壁があると想像し、その壁ギリギリに沿って手やロッドを動かすようにイメージすると上手くいきます。

■難しすぎたら……地面と平行にループを作る

▲地面と平行にループを作る「サイドキャスト」はループの仕組みを理解しやすいだけでなく、実戦でも使えるテクニックです

ロッドの上にループを作る際、重力の影響で上手く行かないことも。そんな時には、ロッドを地面に平行に動かしてループを作ってみるのもオススメです。キレイで力強いループが作れるようになったら、徐々にロッドを立ててループを地面に垂直にしていきます。

*  *  *

「難しいけど楽しい!」というのが、河原で小一時間プラクティスロッドを振った感想。もちろん魚をキャッチすることはできないものの、意外なほどストレスが解消されました。2022年1月からフライフィッシングのTVアニメが放映開始されるなど、がぜん盛り上がりを見せています。始めるならこの冬こそチャンスかもしれません。

 

>> TIEMCO「プラクティスロッド」

<取材・文/杉山元洋 撮影/竹之下美緒>

杉山元洋|自転車やSuperCubなどの二輪車と大衆酒場を愛する、下町育ちの編集者兼ライター。男性情報誌、ビジネス、生活情報、グルメなど、幅広い分野の雑誌・ウェブ記事制作に携わる。Instagramアカウント:xcub_redbear

 

 

 

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