農業などの1次産業では、生産現場における記録のデジタル化が困難だといいます。そのため、生産情報の分析や活用が十分にできないという状況にあるようです。
そんななか株式会社アクト・ノードは、1次産業の生産現場における記録作業をテクノロジーで効率化すべく、アプリ「アクト・アップ」を開発。記録作業を自動化・効率化するとともに、デジタル情報の活用を進めています。
このたび、同アプリに新機能を追加。IoTセンサー連携とAIカメラに続く、第3弾のアップデートとなりました。
手入力・IoTセンサー・AIカメラの情報を一元管理
「アクト・アップ」は、農業・畜産・水産養殖など1次産業向けのクラウドアプリ。作業・資材・環境・生育状況といった生産情報をひとつのアプリで記録・管理できるというものです。
ユーザーは、生産内容に合わて「記録テンプレート」を選ぶだけですぐに記録を始められます。たとえば、養鶏場用のテンプレートを選ぶと、体重計測・飲水添加・死鳥チェックなどの項目がアイコンで表示され、作業内容をタップするだけで記録できるという仕組みです。なお記録は、日付順に並べて見たり、検索したり、マップ上で直感的に表示したりできます。
また、IoTセンサーと連携し、センサーデータをアプリに記録することも可能。現在、SigfoxやZeta通信のセンサーなど30種以上のセンサーと接続できます。さらに、AIがカメラ映像から「成長の様子」「異常状態」などを推定し記録する機能も。現在は、ブロイラーの体重を推定し記録するAIを提供中です。
「カムカード」機能を追加
そんな「アクト・アップ」に今回加わった機能が「カムカード」機能。「カムカード」とは、場所や作業、記録内容が記入された物理的な小さいカードです。このカードを、専用アプリ「アクト・カム」をインストールしたスマートフォンで撮影するとAIが文字認識し、「アクト・アップ」に自動で記録します。
カムカードは、「アクト・アップ」で簡単に作成可能。アプリ上で完成したカムカードはPDFファイルで出力し、通常プリンターで印刷して使います。マグネット用紙やホワイトボード用紙に印刷することもできるので、壁にくっつけたり、書いた数字を書き直したりもできるようです。
自動集計でデータ活用を促進
このように、ユーザーによる入力または撮影・IoTセンサーデータ・AI分析から得た現場のデータを一元管理するのが同アプリ。もちろん、これらの記録を自動集計する機能を搭載しています。
レポート集計を作成する機能では、用途に合わせたフォーマットで生産状況を可視化。レポートはエクセルファイルとしてダウンロードできるので自由に編集して使うことも可能です。
また、KPI(重要な判断情報)をリアルタイムに集計し表示するダッシュボード機能も搭載。異常などの早期発見に役立つでしょう。
同社は「アクト・アップ」を通じて1次産業の情報をデジタル化し、数値による可視化・分析や予測の容易化・食流通への情報活用を進めていく構えです。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/171470
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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