災害発生時において、要救助者の救出にはいわゆる“72時間の壁”といわれる時間との戦いを強いられます。
迅速かつ効率的な救助活動が要救助者の生存率を高めるわけですが、実際の現場では夜間・浸水・がれきの散乱など救助活動を制限されるケースもあるのが現実です。
そこで全国の消防組織などでは、ドローンを活用した救助活動を模索中。しかしながら、ドローンで収集した情報の活用・伝達がうまくいかないといった課題があるようです。
そんななか、株式会社ロックガレッジは、ドローン・AI・スマートグラスを活用した捜索支援システム「3rd-EYE」を開発。茨城県DXイノベーション推進プロジェクト事業の採択を受け、茨城西南広域消防本部と合同で訓練形式の人命救助実証試験を実施しました。
ドローン映像をAIが解析、隊員と本部に共有
「3rd-EYE」は、ドローン映像をリアルタイムにAI解析し、要救助者の位置を特定します。その結果を隊員のスマートグラスに表示することで、隊員は自分の視野のなかでどこに要救助者がいるのかを直感的に把握可能です。
また、AIによる解析結果は指揮本部の端末にも共有。指揮官は的確な指示を出せるうえに、現場隊員との正確な意思疎通によって迅速かつ効率的な救助活動を実現できるでしょう。
指揮本部の端末には、ドローン映像と解析結果のほか隊員の現在位置・移動軌跡を表示する機能や人による検知結果のダブルチェック機能、本部から目的地にピンを打って隊員のスマートグラスに表示するピン打ち機能が実装されています。
なおドローンは、専用アプリで飛行エリアを指定すると自動でルートを判断して情報収集するとのことです(手動飛行も可)。
同実験では、実用化版「3rd-EYE」を用いて複数回検証。これまでの指揮系統を崩すことなく効率よく捜索活動を行えることを確認できたといいます。今後は、「3rd-EYE」の普及を進めるとともに救助活動をサポートするシステムとして改良を進めるとのことです。
福島でも実証実験
同社は、ドローン映像のAI解析によって検出した人影の位置・姿勢を立体映像として隊員のスマートグラスに投影する「3rd eyeドローンシステム」の実証実験を福島ロボットテストフィールドにて2021年1月に行っています。
このときは、地上から死角となる建物の屋上に取り残された要救助者をドローンとAIによってリアルタイムに特定し、複数人のスマートグラスに投影。言語などを使用せず複数人が要救助者の正確な位置を即時かつ直感的に把握・共有することに成功しました。
なお「3rd eyeドローンシステム」は、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構主催イノベーション創出プラットフォーム事業の採択を受け、株式会社mofmofの技術協力を得て開発されたとのことです。
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株式会社ロックガレッジ
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/172481
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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