Cookieなどのソフトウェア的な手段によって個人を識別し追跡することに関する是非が議論されるなか、ハードウェアを利用した追跡が可能であるという研究が発表されました。
GPUチップごとの微妙な性能差から個体識別をおこない、個人を追跡するというものです。
製造時のばらつきによる微妙な性能差を利用
この研究ではGPUの製造時のばらつきによる微妙な性能差を利用します。
GPUなどの半導体の製造にはばらつきがつきものであり、個々に性能が異なります。
この差は人間からは違いを感じられない程度のものですが、正確な性能測定をおこなうことができればGPUの個体識別が可能と研究チームは考えました。
そこで、Webブラウザ上で3Dグラフィックスを描画するためのAPIであるWebGLを利用し、レンダリング時間測定を利用して個体識別をおこない、それぞれの個体の追跡を試みました。
すると、GPUの性能差を利用しない場合は平均17.5日間追跡が可能だったのに対し、GPUの性能差を利用することで28日に延長することができたとのことです。
WebGLの開発団体が解決策を検討中
この報告を受けてWebGLの開発をおこなっているKhronos Groupは、Webブラウザベンダーとともに技術研究会を発足させ、解決策を検討しているとのことです。
たとえばランダムにGPU処理に遅延を入れるようにすれば個体識別が難しくなると考えられますが、実性能への影響と有効性のバランスを取るのが難しそうです。
WebGLの後継となるWebGPUではGPUのより高度な処理がサポートされるため、GPUの個体識別がさらにしやすくなる可能性があります。
Source:Cornell University via Bleeping Computer
(ハウザー)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-435631/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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