シートに立つ犬の肉球から心電図測定が可能に。低負荷検査で心臓病の早期発見に期待

新型コロナの影響もあり、犬の新規飼育者が増加中。そんななか、人とペットがより幸せに共存していくために、手軽に健康チェックできる環境の整備が必要だとされています。

そこでAIソリューションを提供する株式会社HACARUS(以下、ハカルス)と、動物用医薬品メーカーのDSファーマアニマルヘルス株式会社(以下、DSファーマアニマルヘルス)は、犬への負担を抑えつつ心電図の測定・AI解析ができるサービスを開発。動物病院での試用を経て、2月18日(金)よりサービスを開始しました。

肉球からの測定、AI解析を約1分で

ペット保険会社の調査(2017年)によると、心臓病は犬の死因第2位だといいます。これまでの犬の心電図検査では、犬を横向きに寝かせるなどし、押さえてクリップをつけるといった犬にとって負担のある方法でした。

しかし同サービスでは、犬を特殊な電極シートの上に立たせるだけで心電図を測定可能。このシートは、心臓が血液を送りだすときに発生する電気データを肉球から取得できるよう開発されています。

約30秒間で測定した心電図データをAIが約30秒間で解析・判定。心電波形の異常の程度に応じて、4つのグループに分類します。解析結果は、DSファーマアニマルヘルスが運営する獣医師向けのプラットフォームサービス「あにさぽ 」のインターネットサイトのページですぐに閲覧可能です。

同サービスは動物病院へ向けて提供し、今後はほかの動物も視野に入れ、広範囲にわたる健康関連サービスを支援するプラットフォームへと拡張していくといいます。

ハルカスの“スパースモデリング技術”を活用

同サービスの開発には、ハルカスが有する“スパースモデリング技術”を活用。同技術には、少量データでも高精度なソリューションを生み出せるという特徴があります。AIは少量のデータを学習するだけなので、高速かつ低消費電力での開発ができるということです。また、AIが結論に至った根拠をフィードバックする機能も特徴のひとつでしょう。

ちなみに、今回のAIは、日本獣医循環器学会の獣医循環器認定医が診断した“健康な犬”と“心疾患の犬”の心電波形などを学習したようです。

現在ハルカスは、医療や製造、育成といった領域で同技術を応用したAIソリューションを展開中。Techble(テッカブル)では、地中の埋設管位置を自動で判定できる「AI自動判定ソフトウェア」や、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)の製造工程における検査システムなどを取り上げています(興味のある方はこちら)。

PR TIMES
株式会社HACARUS

(文・Higuchi)


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