【レビュー】iPhone SE(第3世代)「Touch IDよ永遠に、Face IDよ無縁に」

Appleは、地球全体に広がるぜいたくなビックリハウスの格安チケットを提供し続けることを、ありがたくも決断した。それはiPhone SE(第3世代)。もしこの有益な商品が販売中止になっていたら、私はiPadに乗り換えるかAndroidに戻るしかなかった。なぜなら、代わりになるべきiPhoneには醜い切り欠きとFace IDが必ず付いてくるからだ。幸い、新しいSEは我々分別ある人々の思いを遂げさせてくれるだろう。ただし、Appleが(USB-AやSDカードスロットでやったように)Touch IDの位置づけを考え直すまでは、

なぜ私や、その他見識ある人たちはSEを選ぶのか?まあ、たしかに一番安く手に入るiPhoneだというのはある。一部の人たちの議論はそこに始まり、そこに終わる。それ以外の人にとって、決め手はTouch IDだ。しかし、他にも、高いお金を払って手に入るものにそれだけの価値があるのか、という合理的な疑問がある。

大きい画面?たしかに、しかしそれが邪魔になる人もいる。SEは、Appleが作った史上最高傑作だった頃ほどポケットにやさしくないかもしれないが、世に出ている多くと比べると、かなりほっそりしている。そして「全部を画面」にするアイデアも、私にアピールしたことはない。そのためにボタンのあるべき位置の画面の角は丸くなり、上端の一部は切り取られている。いりません。

カメラが増えて良くなった?私はここで「640KBあれば十分」的議論をするつもりはない(それは90年代の連中)、しかしカメラ品質はすでに飽和状態に達していて、SEのカメラ(前の世代のことを言っている)は、我々が普通に写真を撮る上で必要なことを十分こなしている。

正直になろう。ほとんどの人にとって、手のひらより大きいiPhoneの写真を見るのはAppleイベントのときだけだ。iPhone 13 Proのカメラがすばらしいのは確かだ。しかし、すべてはInstagram(インスタグラム)で3/4秒間、5インチ画面で60cm離れて見れるようになる。携帯カメラで良い結果を手に入れたい人は、過去数年間に発売されたどの携帯でも使える。


他には……計算能力?スマホで大量のビデオ編集やエフェクト作業をしますか?それとも、ほとんどがメッセージとソーシャルメディアと、おそらくハイエンドのグラフ電卓でも動くであろうカジュアルゲームですか?アプリをすばやく切り替えられて、重いウェブサービスでもダウンしないのはすばらしいことだが、CPUチップははるか昔にその境界を超えている。

AppleがA11、A12、A13 Bionic(バイオニック)などの新しいプロセッサーを出すたびにいっていることを思い出して欲しい。2倍速くなった!4倍速くなった!6倍速くなった!この数字は累積していることをお忘れなく。我々のスマートフォンは、数年前よりも約1000倍速くなっていることになる。あなたは1000倍速く感じるだろうか?ノー。なぜならみんながスマホでやっていることは、1000倍速くなる「必要」がないからだ。もちろん、もっと見えにくいプロセス、例えば Computational Photography(計算写真学)や言語エンジンなど、専用チップによって可能になったものもあるが、過去数年、スマートフォンで性能が問題になったことはほとんどない。

そして、Face IDだ。はい、これを好きな人たちがいることを私は知っている。しかし、そうでない人がたくさんいる。理由の一部は不気味さだ、顔で、ほんとに?おそらくそれは古い考えなのだろう。しかし、もっと大きい理由は実用性だ。実に多くの場面で、スマホをアンロックするのに親指(あるいはそれ以外の指)を使う方が、正対して画面を見つめるよりもありがたい。その逆が真であるケースはごくごく稀である、少なとも私にとって。


アンロック機構が、常時オンの顔スキャナーだと、それはユーザーの制御範囲を超えている。有効に「したくない」ときはどうするのか?指紋スキャナーに指を置くことは意図的行動であり、スマホをアンロックしたいといユーザーの明確な意志だ。ポケットの中でもできるし、デスクに置いたままでも使える、どちらの手を使っても。それはシンプル、かつうまくいく。スマホを手に持って見つめることは、ほとんどの人が1日の半分、いずれにせよ、やっていることだ。そこにユーザーの意図はあるのだろうか?

ボタンと安全に持つためのベゼルのあるデザインチョイスも悪くない。発売以来、iPhoneの大きな魅力はホームボタンがもたらす簡潔さだった。何をしているときでも、電話で話しているときも、ゲーム中でも、仕事の文書を読んでいる時でも、あのボタンさえ押せば画面は消えてホームに戻る。ボタンがあることは「良い」ことである。

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実際私はiPhone 6~8のデザインを好きになったことはない。まるでジェリービーンズみたいだ。それでも最近のよりはマシだ。私は古い5sのデザインか、なんなら13 miniのフォームファクターで切り欠きのないのに変えたい、ただしTouch IDがあれば。Touch IDが最初に出てきた時、我々は懐疑的だったが、すぐにセキュリティと利便性のベストバランスな方法になった。

私はAppleが過去数年付け足してきた機能のほとんどすべてを、本当にとうでもいいと思っている。反対する人が大勢いることは知っているし、幸い最新機種はその人たちにとってすばらしいものになりそうだ。しかし、そこに選択肢がある限り、私はTouch IDの付いた伝統的スタイルを選ぶ。

もちろん、これまで書いてきたことが少々硬直な印象を与えていることはわかっている。それは構わない。私は硬いパンの耳が好きだし、あなただってそうかもしれない。さあ、私と一緒に雲に向かって叫ぼう!

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原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook


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