ポケモンGOのNianticがWebAR開発プラットフォーム「8th Wall」を買収

ポケモンGOを運営する拡張現実(AR)プラットフォームのNiantic(ナイアンティック)は、WebAR開発プラットフォームの8th Wall(エイス・ウォール)を買収したことを、米国時間3月10日に発表した。Nianticにとって過去最大の買収だという。この買収は同社の開発プラットフォームを強化し、デベロッパーがARのビジョンを作るのに役立つとのことだ。

2016年に設立された8th Wallは、iOS、Androidのスマートフォン50億台、パソコン、AR / VRヘッドセットなど現在世界で数十億台のデバイスに対応しているとNianticは話した。8th Wallのプラットフォームは、Netflix(ネットフリックス)、Microsoft(マイクロソフト)、Universal Pictures(ユニバーサル・ピクチャーズ)をはじめとする数多くの企業でAR開発に使用にされている。

「Nianticは設立当初から、現実の世界で人々が繋がり、探索して新しいものと出会い、いっしょに楽しむ機会をもたらす AR 技術の提供を目指してきました」とNianticは買収を発表したブログで語った。「これを実現するため、世界で最も精密な地球の3Dマップを作成し、現実とデジタルの世界を融合しています。2021年11月にご案内した Lightshipプラットフォームとともに、すべての開発者の方々に向け、没入感のある世界最大のキャンバスを提供することで開発者の方々の創作活動をサポートしています。Niantic にとってはこれまでで最大の合併となる 8th Wall は Niantic の Lightship のビジョンを補完し、その実績のある Web AR 技術によって Lightship プラットフォームを拡充していきます」。

8th WallのファウンダーでCEOのErik Murphy-Chutorian(エリック・マーフィー=チュートリアン)氏は買収に関する自社ブログで、Nianticといっしょになることで、8th Wallはさらにツールを開発し、人々が新しい場所を発見するための魅力あるAR体験を作れるようになると語った。

「私たちが8th Wallを設立したのは、どこででもシームレスに動くことのできるARアプリケーションをデベロッパーが作るための、強力なコンピュータービジョン技術を開発するためでした」とマーフィー=チュートリアン氏は語る。「私たちはWebARを作るための完全なツール群でこれを実現しました。ウェブベースの拡張現実の可能性は非常に大きいので、これからもNianticの現実AR世界のレンズを通じて拡充を続けていきます。Nianticとともに最高の惑星規模テクノロジーを作り、今以上に魅惑的な共有体験を育てていくことを楽しみにしています」。

この買収の数カ月前、Nianticは3億ドル(約344億円)の資金調達をCoatue(コートゥー)のリードで実施し、会社価値は90億ドル(約1兆328億円)に達した。同社はこの資金を元に「現実世界のメタバース」と呼ぶものを作る計画だ。

ポケモンGOは、間違いなくNianticで最大人気のプロジェクトであり、今も成功を続け、アプリ調査会社のSensor Tower(センサータワー)によると、2020年の売上は10億ドル(約1160億円)を超えている。ただしNianticのゲームがすべて成功しているわけではない。同社は最近、「Harry Potter:Wizards Unite(ハリー・ポッター:魔法同盟)」のサービス終了を発表した。同アプリの全世界でのアプリ内購入と新規新規インストールはいずれも前年比57%減だった。

画像クレジット:Niantic

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nob Takahashi / facebook


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