【iPadで始めるAV環境最強化計画】
春からの新生活に向けて、iPadをオンライン学習やビデオ会議で活用してみたい人、子どもがGIGAスクールでオンライン授業の予定がある…という人もいるのでは。オンライン学習やビデオ会議はiPad内蔵のスピーカーとマイクでもできますが、本格的に取り組みなら専用ヘッドセットも欲しくなりますよね。
そこで今回は、「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)でオンライン学習やビデオ会議に参加するためのヘッドセットを探してみます。普段ならヘッドセット探しでも高音質な製品に走りがちなのですが、オンライン学習やビデオ会議用なら相場は数千円程度。そこで予算3000円までの売れ筋の製品で、有線で接続可能なロジクール、サンワサプライ、Amazonベーシックの格安ヘッドセット3製品を実際に購入してみました。
■一番高くても3000円以下のヘッドセット
今回比較するのは、アマゾンで見つけた格安の人気ヘッドセット3製品。どれも基本的にPC向けとして売られています。
▲ロジクール「H111r」(1250円)。3.5mmのイヤホンジャック接続
▲サンワサプライ「MM-HSUSB16W」(1773円)。USB接続
▲Amazonベーシック「ゲーミングヘッドセット マイク付き PC用 USB接続 ブラック」(2926円)
今回はオンライン学習とビデオ会議が目的ですが、Amazonベーシックのゲーミングヘッドセットも2926円という安さだったので購入してみました。ビジネスで使っても違和感がなさそうなブラックを選んでいます。
そしてここで考えておきたいのが接続方法。PC向けのヘッドセットって一般的なPCのUSB端子か3.5mmイヤホンジャック用ですが、「11インチiPad Pro(第3世代)」(2021年モデル)は、どちらもないため直接はつなげられません。
▲3機種とも変換アダプタを使ってiPad ProのUSB type-C端子に接続
そこで3.5mmイヤホンジャック接続のロジクールは以前連載で使ったAnkerの「USB-C & 3.5 mm オーディオアダプタ」(1490円)、USB接続の2機種はアマゾンで格安で売られていたSTAB ILISTというメーカーの「usb-a-usb-c変換コネクタ」(2個で398円)で変換して接続。どの機種もUSB端子に挿すだけで一切の設定不要で使えました。
ちなみにiPadシリーズでも無印iPadはライトニング端子なので参考にならない…ということにならないように、USB接続のサンワサプライ、Amazonベーシックの2機種は、アップル純正の変換端子を使って接続し、ライトニング端子でも同じように動くことを確認済みです。
では実機をチェックしていきます。
まずは、ロジクール「H111r」。
▲軽くクッションの付いたシンプルで最低限の構造
軽量でヘッドセット特有の耳を塞がずに耳の上に乗せるオンイヤー型でラフな装着感が特徴。エアコンの音も周囲の音も聞こえるんですが、音楽を聴くわけではないので別にいいかなと。ただ意外と装着感がキツめなところは気になりました。ちなみにリモコンはありません。
▲ブームマイク部は回転式で口元に合わせられます
オンライン学習用コンテンツを体験してみると、音量を上げ過ぎなければ音質は十分。音楽リスニングには音の広がりが弱めですが、欲張らなければ十分アリ。マイク音質は、人の声の質感は一般的なイヤホンより出ますが、クリア志向ではないのとホワイトノイズが若干入ります。
次はサンワサプライ「MM-HSUSB16W」。
▲側圧がキツくなくクッションも柔らかめ
ロジクールと同じく耳に乗せる軽い装着感のタイプのヘッドセットです。ただ側圧はきつくないし、スポンジが柔らかいので装着していてラク。そしてロジクール「H111r」にはなかったリモコン付きで、音量+/-とミュートすべて動作しました。
▲マイクを曲げて調整できる
オンライン学習の動画では、人の声は高音質ではないけど十分聞ける音質。音楽は開放感のある音で、広がりや臨場感はアリ。マニア的には歌声の音色に少し癖があるよう思います。マイク音質は、人の声自体は高音質に録音できているのですが、シーとホワイトノイズも若干載っているところが惜しいですね。
最後にAmazonベーシック「ゲーミングヘッドセット」。
▲ゴツ目のデザイン
イヤーパッドが耳を覆うアラウンドイヤー型…なのですが、意外にも音の遮音性は低め。頭にガッチリ固定する装着感ですが、耳への負担がないので長時間着用でも疲れにくそうです。マイク位置は手で曲げて調整できます。リモコン部は音量+/-とマイクミュートは動作するけど、音量ミュートは動作せず。マイクミュート時にLEDが赤く光っていたりと利便性も考えられています。
▲口元に伸びるマイクは曲げて調整可能
リスニング音質は、なかなか優秀です。オンライン学習の声はクリアだし、音楽を流すと臨場感、低音のパワーまで別次元。マニア的に言うと弱ドンシャリ系ですが音質も十分でしょう。僕の声を録音してテストしたビデオ会議向けのマイク音質は、低い声の質感も出る優秀さでノイズも気にならず文句ナシ。
▲ゲーミング用ながらオンライン学習やビデオ会議でも通用するデザイン
試してみた格安ヘッドセット3製品は、値段順に優秀という順当な結果でした。ロジクール「H111r」(1250円)は装着感、操作性が物足りなかったので、軽めの装着感を求めるならサンワサプライ「MM-HSUSB16W」(1773円)の方がおすすめ。そしてAmazonベーシック「ゲーミングヘッドセット マイク付き PC用 USB接続 ブラック」(2926円)は装着感も操作性も音質もトップ評価。外見もブラック一色で派手さはないので、オンライン学習やビデオ会議用に、約3000円出してゲーミングヘッドホン購入というのはアリかもしれません。
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/440209/
- Source:&GP
- Author:&GP
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