東京大学松尾研発のAIスタートアップ 株式会社ELYZAは、キーワードから約6秒で日本語の文章を生成できる大規模言語AIを開発。
同AIモデルを用いた文章執筆AI「ELYZA Pencil(イライザペンシル)」を一般公開しました。なお、登録不要ですぐに利用可能です。
多様な文章を、執筆時間56分の1で
「ELYZA Pencil」は、2~8個のキーワードを登録すると、約6秒で日本語の文章を自動生成する文章執筆AI。今回公開されたデモサイトでは、ニュース記事・ビジネス用メール・職務経歴書の生成が可能です。
たとえば、ビジネス用メールのサンプルキーワードには「プロジェクト」「日程調整」「今週中」などがあります。宛名をキーワードに追加することで、メールを送る相手の名前とプロジェクトに関する打ち合わせの日程調整をしたい旨、希望する期限が記載された文章が生成されました。
社内検証においてELYZA Pencilと東大生の執筆を比較したところ、正確性とキーワード含有率は東大生に劣るものの、流暢性は同等の水準を、執筆時間は56分の1を記録したようです。
生成型で自由に、キーワードで意図に沿って
AIによる文章生成は大きくわけて「テンプレート型」「生成型」の2種類。
「ELYZA Pencil」は、生成型を採用し、AIが一から文章を生成することで多様な文章生成を可能にしています。キーワード設定により、執筆したい内容のコントロールがしやすいのも特徴でしょう。
また、特定の業務に特化させることが可能で、生成文の多様性と制御可能性という観点から実用に足るAIといわれています。
ホワイトカラー業務をサポート
「ELYZA Pencil」は、いわゆる“大規模言語AI”で、主にホワイトカラー業務の“書く”をサポートするAI。大規模言語AIは、“書く”以外に文章をまとめる・文章を読んで整理する・質問に答えるなどの業務にも対応可能です。
同社は、大規模言語AIでこういった業務をサポートすることで、ホワイトカラー業務の10%以上をAIで代替できると考えているようです。
「ELYZA DIGEST」に続く、第2弾
2018年、Googleより大規模言語AI「BERT」が発表され、英語では“テキストデータを言葉として理解し活用するための技術(NLP)”の実用化が進んでいます。一方、日本語におけるNLPは今ひとつという状況がありました。
そんななか同社は、2020年にBERT以降の大規模言語AIと独自大規模データセットを活用した日本語特化AIエンジン「ELYZA Brain」を開発。その改良を行いつつ、日常・ビジネスの場でよく発生する“要約”に特化した要約AI「ELYZA DIGEST」を2021年8月に公開しています。
このたびの「ELYZA Pencil」は、「ELYZA DIGEST」に続く大規模言語AI第2弾として公開されました。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/175996
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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