焚き火の後始末は「炭処理袋」におまかせ!くすぶる炭を安全・確実に持ち運べます

【アウトドア銘品図鑑】

真冬ほど冷え込まないので、じっくり焚き火と向き合える楽しい春キャンプ。

ですが、焚き火を終えて寝袋に入ろうと思っても、炭や薪って火が消えてから、かなりの時間くすぶっています。放置したままテントには入れないし、かといって火が消えると寒くて完全に火が消えるまで待つのは苦痛。

火消し壺があればいいんですが、火消し壺はかさばるのが悩みの種です。

どうしたものかと悩んでいるキャンパーのために、FIELDOOR(フィールドア)が用意したのが「炭処理袋 M」(2200円)です。

シリコン加工を施したグラスファイバーでできたロールトップの袋。グラスファイバーは、焚き火のマストアイテムとなった耐火シートに使われている素材で、耐熱温度は280℃に及びます。

炭火の温度は300℃以上で1000℃を超えることもあるわけで、火消し壺のように熱々の熾や炭を入れるのは厳しいですが、ほぼ鎮火してるけれども手をかざすとあたたかく感じる、諦めの悪い炭や熾なら耐えうるスペックなんですね。

 

■くるっと丸めて持ち運べるので徒歩キャンプにもぴったり

丸めてバックパックの隅っこに入れられるので、徒歩キャンパーだって無理なく持っていけます。しなやかなグラスファイバー製の「炭処理袋 M」ですから、まるめてもたたんでも大丈夫。小さく持ち運んで、大きく広げて使えるってステキです。

▲ぺたんこにすると30.5(底19)×42cm、180g

丸い底、フタ部分にバックルを装備していて、ロールトップ型のスタッフバッグとほぼ同じ。もっとも、一般的なスタッフバッグは生地の端を内側に折り込んでいて縫い目も内側に見えるのですが、「炭処理袋 M」は生地の端を外に出してパイピングテープで処理しています。縫い糸の素材はわかりませんが、中に入れた炭が縫い糸に触れないので安心。上部を2〜3回外側に折ると自立。開口部が広いので灰や炭がこぼれ落ちにくくなっているんです。

 

■耐熱シートとコンビで使えばきれいに片付けられます

ひとつずつトングで燃えかすを拾ってもいいんですが、耐熱シートをいっしょに使うと慌てずにすみます。

▲熱々の炭を入れないで! 穴が開くと安全に灰を持ち運ぶことができなくなりますよ

説明書には“鎮火した炭を入れる”とありますが、正直、どの状態だと「炭処理袋 M」の耐熱温度(280℃)以下なのかわかりません。

最初は耐火シートにかけらを載せて、焦げたり穴が開いたりしないことを確かめるといいでしょう。何度か試して見ると、だんだん“これくらいならいれても大丈夫”とわかります。開口部が広いので、ソロ〜デュオ用の小さな焚き火台なら、上で焚き火台をひっくり返しても大丈夫。ファミリー用の焚き火台やBBQグリルは灰受の形状を確認し、あまりにも灰受が広いようならスコップで移す方がいいでしょう。

このとき、耐火シートの上で作業をすれば、風などで灰が散っても受け止めてくれます。最後に耐火シートの灰や炭のかけらを「炭処理袋 M」に入れれば、地面に灰や燃えかすが残ることはありません。最後に上部を2〜3回丸めてバックルで留めます。こうすることで燃焼に必要な空気が遮断され、最後まで残っていた熾が発火することはありません。薪を入れた直後は「炭処理袋 M」があたたかくなるのですが、バックルで閉じることでハンドルみたいになるため安全に持ち運べますね。

シリコン加工を施したグラスファイバーは防水性があるので、キャンプに行くときはBBQ用の炭や着火剤を入れて湿気から炭や着火剤を守り、帰りは中のモノを使い切っているので灰や炭を入れて持ち帰ると美しい! それに消し炭は着火しやすいので、帰宅後は新聞紙に包んで保管して、次のキャンプに利用すると無駄がありません。

グラスファイバー製の耐火シートを使ったことがあればわかるのですが、熱々の炭が生地に触れると焦げたり穴が開いたりします。そのため、完全に火消し壺と置き換えることはできませんが、それでも「炭処理袋 M」があるとないとでは大違い。

寒さに震えながら燃え尽きるのを待たずにすむし、灰捨て場が遠いサイトでは「炭処理袋 M」で軽快に持ち運べます。湿気を防ぐ炭収納袋としても使えるし、置き場所にも困らない。何よりもスマートに焚き火やBBQの後始末ができるのがいいですね。

>> FIELDOOR「炭処理袋 M」

 

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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