株式会社Spectee(以下、スペクティ)は、企画提案「フィリピン国 SNS情報を活用したAIリアルタイム危機管理情報システムに係る案件化調査」が、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の2021年度第2回「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択されたことを発表。
これにより、スペクティが提供する日本発のAI防災ソリューション「Spectee Pro」をフィリピンにて事業化できるか否かの調査を開始します。
SNSなどを集約し、リアルタイムな防災情報を発信
「Spectee Pro」は、SNSなどの情報を集約し、災害・危機管理情報などをリアルタイムに発信するソリューション。動画・画像解析や自動テキスト生成、場所特定解析などのAI技術と専門スタッフによる24時間365日監視体制で情報を監視・精査しています。
また、顧客ニーズに柔軟に対応すべく、ライブカメラや道路の通行実績サービスなどと連携した新たな機能をアップデートしているようです。
現在、AI防災ソリューションとして地方自治体・官公庁・民間企業における採用数No.1を誇っています。
「Spectee Pro」をフィリピン向けにローカライズ
そしてこのたび、同社がJICAの2021年度第2回「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択。同事業は、日本の民間企業と開発途上国をつなぎ、日本発の製品・技術などを通じて開発途上国の課題解決・SDGs達成に貢献するとともに、日本企業の海外事業展開を支援するというものです。
同事業には、基礎調査、案件化調査、普及・実証・ビジネス化事業の3事業がありますが、今回はフィリピンでの「SNS 情報を活用したAIリアルタイム危機管理情報システムにかかる案件化調査」が採択されています。
これにより、「Spectee Pro」をフィリピン向けにローカライズし、現地のファクトチェックチームを組成したうえでビジネス展開の実現可能性を検討することとなりました。
自然災害の多い日本とフィリピン
フィリピンは、日本と同じく自然災害の多い国。フィリピン政府が計上している防災予算にも限りがあり、技術的イノベーションによる新しい防災対策が求められているようです。
日本はこれまでも、ODA(政府開発援助)を通じて地震計・気象レーダ・洪水監視システムなどの導入・開発支援を行うなどフィリピンとの関係は深いといいます。
フィリピンにおいて「Spectee Pro」が実用化されれば、これらのデータを一元管理できる災害情報プラットフォームとして機能すると期待されているようです。
今後は、日本発の防災テックをグローバルに
スペクティは、フィリピンを足掛かりに日本発の防災技術をASEAN・アジア・欧米へと展開していくことで、防災対応の世界的なスタンダードを確立することを目指しています。
同社は現在、河川の氾濫直後ほぼリアルタイムに浸水範囲と浸水深を推定し、2Dおよび3Dのマップ上に再現する技術を開発中。過去に日本国内で発生した水害をモデルケースとし、当時のSNS投稿画像・降水量・地形・過去の水害といったデータを合わせて解析することで浸水範囲と浸水深のシミュレーションに成功しています。
また、地上で取得できるSNSデータと人工衛星画像をかけ合わせた解析で、より高精度に浸水被害を可視化するシステムも開発中です。
「Spectee Pro」をはじめ、同社の開発する防災技術が世界中で活用される日もそう遠くはないかもしれません。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/176474
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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