九大発F.MED、1ミリの血管手術支援ロボット開発加速へ。乳房再建手術などで活用

医療機器の研究開発・製造をおこなうF.MED株式会社(以下、F.MED)はこのたび、資金調達を実施しました。これにより、マイクロサージャリー支援ロボットのさらなる研究開発と、人材採用を加速する構えです。

手ブレを取り除き、術者の動作を再現

マイクロサージャリーとは、手術用の顕微鏡を用いた微小外科のことで、主に直径1~3mm程度の血管を縫ってつなぎ合わせる技術のこと。F.MEDによると、乳がんや頭頸部がん手術後の再建手術、リンパ浮腫の軽快化手術などに応用できるといいます。

F.MEDが開発を進めるマイクロサージャリー支援ロボットは、術者が拡大画像を見ながらコントローラを操作すると、ロボットが術者の操作を縮小し再現するしくみ。たとえば、術者が10cm手元を動かすと、ロボットアームは1cm動くという具合です。

人間が細かい動作をするときに発生する手ブレを取り除きつつ、術者の動作を再現するといいます。

マイクロサージャリーの普及、技術の標準化を目指して

人間の手は細かい動作をしようとすると細かく震えてしまい、針を正確に血管に刺すことが困難です。震えをなくし、繊細な動作を実施するためには、長い年月にわたる繰り返しの訓練、手術経験が必要とされています。

マイクロサージャリーを実施できる医師や医療機関が限られているなか、同技術の普及や標準化、術者の心身の負担軽減を目指してF.MEDが開発を進めているのが、マイクロサージャリー支援ロボットです。

これまで2mmの血管吻合に成功する手術支援ロボットはありましたが、F.MEDのロボットは1mmの血管やリンパ管の吻合を可能にするといいます。

ロボット開発継続、医療機器承認取得を目指す

F.MEDは2021年3月の創業以来、マイクロサージャリー支援ロボット開発を引き継ぐための準備を進めてきました。

同社は今回、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、株式会社アステム、GxPartners有限責任事業組合を引受先とした資金調達を実施。調達した資金は、ロボット開発の継続費用や人材採用にあてるといいます。

同社は「今後も本ロボットの開発を継続して、早期の医療機器承認取得と事業化を目指します」と語り、医師・医療機関・患者へ貢献していく方針です。

PR TIMES(1)(2
F.MED株式会社
READYFOR

(文・Haruka Isobe)


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