マルチツールはアウトドアで本当に“マルチ”に使えるのか、野営をして試してみた!

こんにちは。「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。

キャンプが気持ちいい季節になってくると、つい道具を新調したくなります。でも、意外といくつも同じジャンルのモノを持っていたり、持っているけどあまり使いこなせていないギアってありますよね? そのひとつがマルチツールではないでしょうか。

マルチツールってタフで、1本持っているとなんでも使える、男心をくすぐるギアって感じがしませんか? 私はマルチツール好きなので何個も所有しているのですが、野営(キャンプ)で使っているのはほんの一部で、「機能が色々あるのに、使いこなせていないなー」と思ったのです。

では、野営でどこまでマルチツールが使えるのか? アウトドアでマルチに使えるのか? を試すべく、今回、刃物類はマルチツール1本を携え野営を決行! 使い心地を含め使ってみてどうだったのか? 本当に信頼できるツールなのか? マルチツールだけで野営はできるのか? などを紹介します。

使用したマルチツールはLEATHERMAN(レザーマン)の「WAVE+Black」。LEATHERMANにもさまざまなタイプがラインアップされていますし、このブランド以外にもマルチツールはたくさんあります。これは5、6年くらい前に、登山やキャンプで一番使うであろう機能が集約されていると思ったので選択。でも山で使った機能はほんの一部だったので、今回は本当に便利なのか、試してみたくなったというわけです。

普段行なっている野営では、ナイフやノコギリ、斧など、それぞれの機能が独立したものを、刃の形状やサイズを選んで使っていますが、今回はこのマルチツールだけ。

ちなみに「マルチツールだけでキャンプできるのか?」という問われれば、結論はイエス! ですが、かなり工夫が必要ですし、不便さを感じました。

■レザーマン「WAVE+」では何ができる


LEATHERMANの「WAVE+Black」に搭載されているのは以下の18機能です。

・ニードルノーズプライヤー
・レギュラープライヤー
・154CM取替式ワイヤーカッター
・154CM取替式ハードワイヤーカッター
・エレクトリカルクリンパ―
・420HC直刃ナイフ
・420HC波刃ナイフ
・ノコギリ
・ハサミ
・木工/金属用ヤスリ
・ダイヤモンドコーティングヤスリ
・ラージビットドライバー
・スモールビットドライバー
・マイナスドライバー (M)
・定規 (19cm/8インチ)
・栓抜き/缶切り
・ワイヤーストリッパー

付属ビットは2本で、プラスドライバー #1-2 & 3/16” マイナスドライバー、眼鏡ドライバー プラス&マイナスです。

以上のようにさまざまな機能がありますが、野営で実際に使った機能、そして使わなかった機能をみていきましょう!

■野営で最も使う刃物の性能は?

わかってはいましたが、ナイフとノコギリはパワー不足です。ただ、本当に最低限の仕事はできます。

写真は赤松の樹脂(ファットウッド)でフェザースティックを作成しているところ。

まずナイフですが、上の写真のように親指くらいの枝を削って、フェザースティックを作るなど、細かい作業は得意だと感じました。しかし、これ以上太い枝をシェービングする、バトニングする、チョッピングするなどの使い方は完全に力不足でした。

野営でナイフを使うシーンで最も多いのは薪を作って、着火をするところまでなのですが、その中ではフェザースティックを作るところくらいしか、活躍はできなそうでした。細かいナイフワークについては「初心者でも簡単!キャンプで使える基本的なナイフワーク3選」を参照ください。

しかも、グリップがゴツゴツしているので、素手で力を入れると手が痛くなりましたので、長時間作業をする場合はグローブを推奨します。

もうひとつ、ナイフを良く使うシーンは調理です!

調理ではまったく問題なく使用できます!

もう少し刃渡りがあった方が使いやすいのですが、ほぼ問題ありません。脂物を切る時は、その脂で他のツールを汚してしまうので注意が必要です。

波刃のナイフは、直刃より圧倒的に切断能力が高く、ロープをカットするときに重宝します。

刃物の最後はノコギリですが、これは、薪を切り出すのにはパワー不足です。

親指くらいの太さの枝ならば、いい感じに切れます。なので、細かいクラフト的にノコギリを使いたい時は便利ですが、これで太い薪を細かくするのは、あきらめましょう!

ちなみに、ノコギリ部分で一番使えたのは、ファイヤースチールを擦って火花を出す時でした。ノコギリの刃の背の部分ですけどね。笑

ツールの中でヤスリの次に火花が大きく出ました。

このように、刃物はサブ的に使用するのには便利だと感じましたが、これだけで焚き火をするための薪を作ることはかなり難しいと思います。しかし、細くて、手や足で折れるレベルの薪を集め、フェザースティックを作り、着火するということならば十分使えますし、クラフトをするのにはちょうどいい大きさかもしれません。

ちなみに、キャンプ場で販売しているような薪(広葉樹)を細かくバトニングするのはほぼ不可能なので、初めからトライしないことをおすすめします。そもそも折りたたみ式ナイフはバトニングには向きません。

■野営で使える便利機能


野営(キャンプ)ではあまり必要なさそうなプライヤーは熱いものを持つのに便利です。鍋や缶詰など焚き火から出す際に重宝します

本来は釘を抜いたり、硬いものを引っ張る、掴むなどに使うプライヤーですが、熱いものを掴む時も重宝しますよ!

プライヤーの根本部分にあるワイヤーカッターはキャンプで最も使わなそう、と思ってましたが、たまーに野営で針金を使う時があります。私は吊るし料理をする場合に使いますが、針金を持っていると、テントや椅子などの簡易的な補修にも使えますよね。そんな時にワイヤーカッターがあると便利なのです!


その他、今回は使わなかったけど便利そうな機能としては、栓抜きですね。夏、キンキンに冷やした瓶ビールで乾杯するときには使えそう!

また、机や椅子、メガネ、サングラスなどのネジ回しにドライバー機能はあると安心ですよね。唯一、あんまり使わないと思った機能はハサミでした。

ハサミは小さく、できることが限られているので、これならばナイフで十分です。

さて、いかがでしたでしょうか? 結論からいうと、マルチツールだけでキャンプはできなくはないが、サブ的にあれば使えるという感じでした。メインのナイフやノコギリ、斧は持っていきつつ、虎視眈々と出番をまつ、そんなギアではないでしょうか?

ただ波刃のナイフですが、これはロープをカットするのにとても重宝します。この形状は本当に秀逸です!

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(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

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