深刻さ増す半導体不足、チップを作るのに必要なチップが足りない

M1 ティム・クックCEO AppleEvent 2022年3月
 
世界的に続く半導体不足の影響により、チップを製造するための機器に必要なチップも不足しており、影響が長期化することが懸念されている、とThe Wall Street Journalが報じています。Appleは、半導体不足の影響により3カ月間で最大1兆円の損失が出る可能性があると発表しています。

半導体製造装置に必要なチップが足りない

iPhoneに搭載されるAシリーズチップや、Macに搭載されるAppleシリコンなど、最新鋭設計のチップを製造するには、最新の製造装置が必要です。
 
しかし、半導体不足により製造装置に使用するチップの供給が滞っており、大手半導体メーカーであっても製造装置の調達に苦労しています。
 
複雑な構造をもつ半導体製造装置は、以前でも発注から納品まで数カ月を要するのが普通でしたが、現在は2年〜3年待ちになっているそうです。

半導体不足は2023年〜2024年も続く見込み

半導体業界各社の役員たちの多くが、半導体不足による影響は2023年か2024年、あるいはそれ以降も続くだろうと予想しています。この予想は、2021年秋に伝えられていたよりも悲観的なものです。
 
Advantest Americaの役員は、半導体検査装置の納期が2倍以上になっており、通常の納期に戻るのは当分先になるだろうとの見通しを語っています。
 
また、一部の半導体メーカーは、製品を半導体製造装置のメーカーに優先して供給する方針を発表しています。

半導体不足によりiPadやMacの供給にも影響

Appleは先日、2022年度第2四半期(2022年1月〜3月)の業績を発表しました。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、半導体不足によりiPadシリーズや上位モデルMacBook Proの製造に影響が生じていると説明しています。
 
また、今後も供給不足が続く場合、次四半期に40億ドル〜80億ドル(約5,000億円〜1兆円)の損失が出る可能性もあると述べています。
 
なお、MacBook Proの製造を担当するQuantaの上海工場は、コロナ禍による厳しいロックダウンで操業を停止していましたが、最近になって稼働を再開しており、納期が短縮される見通しです。
 
 
Source:The Wall Street Journal, 9to5Mac
(hato)


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