早大発スタートアップ「エキュメノポリス」、汎用会話AIで対面業務支援へ

5月2日(月)、早稲田大学発のスタートアップ“株式会社エキュメノポリス”が創業。汎用会話AI エージェントプラットフォームおよび対話シナリオ生成ツールを開発し、人間とAIが協調して各事業者における生産性と品質の向上を目指します。

なお、5月11日(水)~13日(金)に東京ビックサイトで開催される「AI・人工知能EXPO」に出展予定です。

早稲田大学発スタートアップ“株式会社エキュメノポリス”

同社は、早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構 知覚情報システム研究所 会話AIメディア研究グループの研究員らが中核となって創業。

多様なシーンに対応する会話AIエージェントを提供し、Society 5.0における対面業務の支援・代行を通じて人間とAIが共に進化する社会を目指すとのことです。

開発メンバーには、機械学習の研究者やVR・AR技術者、アーティストなどを擁し、約半数以上は博士号取得者だといいます。

同大学提携VCであるBeyond Next Ventures株式会社・ウエルインベストメント株式会社をはじめ、大日本印刷株式会社・富士通株式会社など協力企業(機関)も多数。2016年創業の同大学発スタートアップ 株式会社知能フレームワーク研究所との連携も見込まれています。

会話AIエージェントプラットフォーム「LANGX」

同社は、会話AIエージェントプラットフォーム「LANGX(ラングエックス)」を開発中。さまざまなシーンでAIエージェントとの会話体験サービス実現を目指しています。

「LANGX」には、対話相手の音声・顔画像などから意図を推定し、対話の状態に合わせて表情やジェスチャーを生成したり、相手の発話の継続・終了を判定して発話被りを低減したりといった自然に近い会話を実現する機能を搭載。相手の会話能力を判定する機能も実装しています。

量子コンピューティング技術も活用

ユーザーは、ビジネスロジックに沿って対話シナリオを自動・半自動で生成し、ビデオ会議やXRデバイスを通して会話インタラクションを実現可能。対話シナリオなどはクラウドワーカーにタスクとして依頼して収集・学習するようです。

現時点では、質問を行うインタビュー形式やユーザーの興味に応じて説明を展開するガイド形式といった会話パターンに対応。今後は、小売の現場などで人間とAIが共同意思決定を行えるようなパターンを追加予定です。

なお、ユーザーの興味や対話履歴に基づく会話のパーソナライゼーションには量子コンピューティング技術も活用されています。

言語学習支援エージェント「InteLLA」

そんな「LANGX」をフル活用して開発されたのが、言語学習支援エージェント「InteLLA(インテラ)」。4月にα版をリリースし、早稲田大学内での実証実験を開始しました。今年度中にβ版による大規模実証実験を予定していて、2023年に製品版リリースを予定しています。

「InteLLA」は、言語学習者の習熟度や理解度に合わせて会話を調整することで能力を最大限引き出し、言語運用能力を効果的に評価するサービス。自然な発話タイミングの制御や非言語的なやりとりは、人間のインタビュアーさながらだといいます。

能力判定では、言語能力判定の国際標準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠した多次元的な評価を実施するようです。

なお「InteLLA」は、世界最大級の教育コンテスト「QS-Wharton Reimagine Education Award 2021」におけるLearning Assessment Category(能力判定部門)にてBronze賞を受賞しました。

PR TIMES
株式会社エキュメノポリス
早稲田大学
株式会社知能フレームワーク研究所

(文・Higuchi)


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