【安くても傑作モノ】
ここ数年、時短が図れる調理家電が注目されてきた。さらにコロナ禍以降は、美味しさやヘルシーさも、より求められるように。実際に識者が試してきた数多くの製品の中から「これぞお値打ち！」なキッチン家電を厳選紹介する。
家電プロレビュアー 石井和美さん
白物家電を中心に製品レビューを得意とするレビュアー。テストスペースとして茨城県守谷市に一戸建てタイプの「家電ラボ」を開設し、冷蔵庫や洗濯機など、大型家電の比較レビューなども行っている。家電blog管理人
■コロナ禍以降、優秀なキッチン家電が増えています
コロナ禍以降、家事全般が変わってきている。中でも、食に関する意識は以前と大きく異なる。在宅時間が増え、食事作りの回数が大幅に増加。外にも食べに行けず、自分で作らなければならない状況に追い込まれ、調理家電の中では手軽に本格的な料理ができる電気圧力鍋に注目が集まった。価格も手頃なアイリスオーヤマの電気圧力鍋は、そんなニーズに見事にハマった商品といえる。
また、単に効率を求めるだけではなく、家の中でも「楽しめる」という要素も求められた。ずっと家の中で過ごさなければならず、自分で作る「食」に楽しみを見いだしたい人も増加している。
そこで注目されたのがホットプレートだ。シンプルな機構で、昔からあるお馴染みの家電ではあるが、家族で食卓を囲み、みんなで調理しながら食べられる。その楽しさが、改めて見直された。単身者からも、食卓に置いてアツアツで食べることができ、洗い物を減らせるというメリットが評価されており、これまでにはなかったコンパクトな少人数用タイプや、レコルトの「ホットプレート」をはじめデザインにも重きを置いた製品も人気を博している。現在発売されているホットプレートは収納もしやすくなり、使い勝手が向上しているのも特徴だ。
一方、運動不足ということもあり、ヘルシーに調理できる家電に興味を示す人も増えた。ノンフライオーブンも一度は下火になったが、ここにきてさまざまなメーカーから発売されている。とはいえ、キッチンは場所の問題があるため、新たに追加するのは難しい。現在はクイジナートの「ノンフライオーブントースター TOA-29SJ」のように、オーブントースターとしても併用できるタイプが人気だ。
コーヒーメーカーも売れている。ホッと一息つきたいときに、家で本格的なコーヒーが淹れられるので、家でもカフェ気分が楽しめる。ここにお金をかける人も多く、高額なコーヒーメーカーでも、各メーカーで売り切れになるほど。そのため、ミル付きやカプセル式など、選択肢が広がっている。
まめに買い物に出かけられなくなり、「まとめ買い」需要も高まったので、冷蔵庫も大型化が進んでいる。断熱材などが進化しているので以前と同じサイズでも中は広々。鮮度が長持ちし、電気代も安い。また、冷蔵庫は各メーカーの個性が出てきたので、ライフスタイルに合わせて選ぶことができる。コロナ禍以降、私たちの暮らしは大きく変わった。そして、生きる上で欠かせない「食」に関する家電は、優秀なモノがたくさん登場しているのだ。
1. ヘルシーなノンフライ調理とトーストを一台で
クイジナート
「ノンフライオーブントースター TOA-29SJ」（実勢価格：2万1000円前後）
ココが納得！
・高火力な熱風調理でサクサク
・ノンフライ調理がたっぷりできる
・惣菜の温め直しも絶品
モチッとしたトーストやノンフライ調理、惣菜の温め直しも得意なノンフライオーブントースター。温度設定は90〜230°C、調理時間は1〜60分、トーストの焼き色設定は3段階で設定できる。シンプルな操作性とスタイリッシュなデザインも人気。シルバーとブラックの2色展開。
▲4つのダイヤルを組み合わせるシンプルなダイヤル式。トースト専用の焼き色調節ダイヤルでは、好みの焼き色も設定できる
▲トースト4枚が同時に焼ける。従来モデルと比べ、焼き時間が短縮。トースト内部の水分蒸発率が改善され、ふんわりとした焼き上がり
▲揚げないノンフライ調理（熱風調理）では、大きなファンで庫内に熱風が対流し、食材にムラなく熱を通す。そのため美味しく焼き上がる
2. ヒーターをプレートに内蔵 予熱が短く高火力
レコルト
「ホットプレート」（1万3200円）
ココが納得！
・深さがあるので色々な調理に使える
・お手入れがカンタン
・コンパクトなサイズで使いやすい
ヒーターをプレートに内蔵しており、ダイレクトに熱を伝える。従来のホットプレートに比べて予熱時間が短くなり、ムラのない加熱が可能に。コントローラーを外せば、お皿のように丸洗いできて、後片付けもカンタン。
▲プレートに直接コントローラーを挿す珍しいタイプ。あっという間に高温になるので待ち時間も少ない。フタもついていて色々調理できる
▲コントローラーを外せば全て水洗いOK。狭いシンクでも洗いやすいコンパクトサイズが魅力。本体も軽いのでサッと洗える
▲肉や野菜などの食材を載せてプレートの温度が下がっても、ヒーターを内蔵しているので素早く火力を回復できる。たこ焼きも得意
3. 冷蔵室から野菜室を同時にチェックできる冷蔵庫
AQUA
「Delie AQR-V46M」（実勢価格：22万8000円前後）
ココが納得！
・幅60cmなスリムなボディ
・冷蔵室から野菜室の中身を確認できる
・買い物カゴ2.5個分の大容量冷凍庫
スリムボディでたっぷり入る冷蔵庫。冷蔵室から野菜室の中を常に見られるので、新鮮なうちに食べきりたい野菜を使い切れる。冷凍室も152Lと大容量なのでまとめ買いや作り置きをしても安心。鮮度保持も優秀だ。
▲冷蔵室を開けるだけで、下段の野菜室の中がしっかり見える。野菜室を目にする回数が自然と増えるので、フードロスを防げる
▲チルドルームはフルワイド。庫内を左右いっぱいに広く使えるので、大きめの食品もラクに出し入れできる。うるおいを保つ鮮度保持の性能も高い
▲霜取り運転時の暖気が流入する部分にフタをすることで暖気の侵入を防ぎ、冷気を保つ。温度変化を防いで美味しさと食感をキープできる
4. 操作しやすく、調理がカンタン ヘルシーメニューも豊富
アイリスオーヤマ
「電気圧力鍋 ヘルシープラス KPC-MA3」（実勢価格：2万2000円前後）
ココが納得！
・レシピをカロリーで選べる
・グリル鍋としても使える
「低糖質」「塩分控えめ」「高たんぱく質」「食物繊維」「低カロリー」「発酵」「糖質カット」などのヘルシーメニュー52種類を搭載し、全108種類のメニューから選択して自動で調理できる。健康的な料理を手間をかけず作れる。
▲画面でメニューや調理時間、操作方法などを表示。ここまで詳細を画面で見られる電気圧力鍋は少ない。初心者でもカンタンに操作できる
5. ハンドドリップの技を再現した湯温・抽出速度・蒸らし時間
UCC
「ドリップポッド DP3」（実勢価格：1万3200円前後）
ココが納得！
・手軽に飲めるカプセル式
・気分に合わせてストロングも選べる
カプセル式でプロのハンドドリップの抽出メカニズムを再現しており、香りのよいコーヒーが楽しめる。抽出モードに「ストロング」「アイス」を新たに搭載し、カプセルの種類と新機能を組み合わせることで、50通り以上の飲み方が可能。
▲マシンにカプセルをセットして、ボタンを押すだけ。誰が操作しても、失敗なく淹れられる。常に安定した美味しいコーヒーを楽しめる
▲定番のカプセルは全15種類。ドリップポッドだけのオリジナル「モカ＆キリマンジァロ」をはじめ、数量限定でスペシャルティコーヒーも展開
▲操作がしやすいパネル設計。本体はコンパクトで置き場所を選ばず、暮らしに馴染むデザイン。本体カラーも4種類から選ぶことができる
6. 沸騰が早く保温能力も高い高性能な電気ケトル
タイガー
「蒸気レス電気ケトル（温度調節機能つき）PTQ-A100」（実勢価格：1万5400円前後）
ココが納得！
・業界最速クラスのスピード沸騰
・本体二重構造でお湯が冷めにくい
温度調節機能を搭載。とっ手のダイヤル温調スイッチを回すことにより、50〜100まで6段階に温度調節ができる。本体が傾いたり倒れたりした場合には、ふたが開かないようにロックがかかる「傾斜ふたロック」など、安全機能も充実。
▲カラだきを検知して自動でオフ。また、沸騰が終わると電源が自動的に切れる。50〜90設定で湯わかし後、約5分間は設定温度を下回った際、ヒーターによる保温を行う
▲開けやすく、お湯もれしにくい新構造のふたを採用。持ち上げるだけで簡単にふたを外せるイージープルアップ構造は、急いでいるときも便利
▲お湯の方向を整えるガイドスリットとリブ（凹凸）で「細く、そして狙ったところへ」お湯を落とせる。コーヒーのドリップもスムーズにできる
7. ごはんから無水調理まで、多彩なメニューを楽しめる
タイガー
「圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPK-S100」（実勢価格：4万6800円前後）
ココが納得！
・少量でも美味しく炊ける
・水を加えずに作る無水調理も得意
蓄熱性の高い遠赤5層土鍋蓄熱コート釜で、ふっくら炊き上げる。また「少量高速」メニューでは1合を約17分で炊飯。時間のないときでもすばやく炊きたてのごはんを味わえる。「無水調理」など、自動調理鍋としても優秀。
▲炊き上げ時に約1.25気圧の圧力をかけることで、内なべの中の温度を106°Cに高め、ごはんの粘りや甘みを引き出している
▲食材を入れてスイッチを押すだけで簡単に調理ができる。「クイック調理」や「スロー調理」など、調理方法も選べる
▲お手入れもカンタンだ。取り外しがしやすく、使用後に洗う部品はたったの3点だけ。内ぶたは食器洗い乾燥機対応
8. 約6分でゆで卵ができる 短時間で準備もラク
サンコー
「卓上で簡単ゆでたまご「超高速エッグスチーマー」」（3278円）
ココが納得！
・水も鍋もいらない。ボタンを押せば完成
・火加減や時間を気にする必要なし
ふたをはずして水を入れ、卵をトレーにセットし、電源を入れる。ブザーが鳴ったら完成。最大3個まで同時に卵をセットでき、約6分でゆで卵（半熟1個の場合）を作ることが可能。コンパクトサイズで卓上でも場所をとらない。
▲計量カップの底にあるキャップを外すと針がある。この針を使って卵の径が大きい方に穴を開ける。液漏れを防ぎ、殻がむきやすくなる
▲ふたとエッグトレーを外し、水受けに給水する。付属の計量カップを使用し、卵の数と火の通り具合に合わせて給水を行う
▲火の通り具合は超半熟、半熟、やや半熟、かたゆでなど調整可能。忙しい朝でも好みのゆで卵を簡単に作れる
9. 軽く引くだけで切れ味復活。初心者でも素早く研げる
貝印
「コンパクト電動シャープナー」（4400円）
ココが納得！
・誰でも簡単に操作できる
・コンパクトで場所をとらない
スリットに包丁を入れると荒砥石が電動で回転し、バネによって適切な強さで刃先に当たる。さらに仕上砥石がV字ガイドと一体化しているので、刃先の向きを適切に案内しながら仕上げが可能。軽く引くだけで簡単に包丁を研げる。
▲V字溝付きの荒砥石と仕上砥石が一直線上に並べられている。そのため、1つのスリットに包丁を通すだけで仕上げまでできる
10. 本体奥行はたったの約29cm スリムタイプで置きやすい
パナソニック
「食器洗い乾燥機 NP-TSK1」（実勢価格：7万1000円前後）
ココが納得！
・シンク横に配置しやすいサイズ
・ドアが上に開く省スペース設計
シンク横に設置した場合も蛇口に当たりにくい「リフトアップオープンドア」を搭載。従来のレギュラータイプの場合、ドア開放時に本体背面から蛇口まで58.4cmのスペースが必要だったが、このモデルはドアが蛇口に当たりにくい新機構によりドア開放時36.7cm。従来比約63％の省スペース化を実現している。
▲4人分の食器が洗える大容量サイズで、こんなにスリム。扉を開けても蛇口に当たらないので、狭い場所でも安心して使える
【家電じゃないけどオススメ！お役立ちキッチンツール】
使うと時短にもなり、調理がラクになるキッチンツール。家電ではないのでコードがなく、場所を選ばずに使える。キッチンツールは種類も豊富なので、自分がよく作る料理に合わせて役立つモノを選びたい。
■軽い力で大根おろし 食感が楽しいみぞれ状
ののじ
「大根スリスリ」（1760円）
繊維を壊すことなく、均一に細かくできる。プレートをひっくり返すと「粗め」「細かめ」に調節可能。本体に着脱できるトレー付きで、食卓でも汚さずに作業できる。
■レバーを引っ張るだけ あっという間にみじん切り
K&A
「ぶんぶんチョッパー スーパー5 900ml BBC-24」（2398円）
レバーを引くと勢いよくブレードが回転する。素材が硬い野菜や、目がつらい玉ねぎのみじん切りも、刃が食材に引っかからずに短時間でできる。全てのパーツが食洗機対応。
■まな板を使わず包丁代わりに 食材が切りやすいカーブ状
貝印
「関孫六 レギュラーカーブキッチン鋏」（1870円）
先端に向かってカーブが付いているため、皿やトレーなどの平らな場所でも食材の下に入り込み、切りやすい。薬味などから肉や魚まで、まな板いらずで切れる。切れ味も抜群。
■食品の保存期間をメモ 鉛筆やペンで書き込めるテープ
ニトムズ
「キッチン便利テープ」（実勢価格：550円前後）
袋どめとして使ったり、食品の保存期間を記入しておいたり、色々と使える便利テープ。取り付けが簡単なマグネットタイプで、冷蔵庫などに貼り付けて、使いたいときにサッと使える。
>> 特集【安くても傑作モノ】
※2022年5月6日発売「GoodsPress」6月号18-23ページの記事をもとに構成しています
＜撮影／湯浅立志 取材・文／石井和美＞
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/449352/
- Source:＆GP
- Author:＆GP
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