【安くても傑作モノ】
いよいよツーリングに最高の季節が到来! せっかく行くなら美しい景色を存分に楽しみたいもの。そこで全国の絶景スポットをバイクで走り回っているモータージャーナリストの青木タカオさんに、オススメのスポットとバイクを聞いてみた。
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景色を楽しむならクルマでもいい。確かにその通りですが、バイクだからこそ味わえる世界もあります。日差しや風を浴びて、その土地の匂いを新鮮な空気とともに吸い込む。ときには雨に打たれることもるでしょう。そんな五感のすべてを刺激する濃厚な時間は、最高の想い出となるはずです。
仕事柄バイクで全国を駆け回ったことで、多くの絶景スポット・ルートに出会いましたが、「日本海オロロンライン」は「ここはホントに日本?」と思ってしまうような果てしなく続く直線が特徴です。そして、その先にあるのは日本最北端・宗谷岬。非日常の絶景に加え、達成感も味わえます。
「ビーナスライン」は腕自慢も大満足のワインディングが魅力。とても気持ちよく走れますが、走りだけでなく景色を堪能することもお忘れなく(笑)。
「千里浜渚ドライブウェイ」では、日本海に沈む夕日と愛車を、ぜひ写真に収めていただきたい。砂浜を走れる海岸として有名なドライブウェイですが、絶好の撮影スポットでもあるんです。その他のルートも魅力的なところばかりですが、夏でも朝晩は冷え込むので、プラス1枚着るものを用意しておくと、安心かつ快適なツーリングが楽しめると思いますよ。
モータージャーナリスト 青木タカオさん
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。日本だけでなく世界中を駆け巡り、バイクの最新情報をビギナーにも分かりやすく解説する。メーカーからの信頼も厚く、専門誌や一般誌など多方面で活躍中
1. ひたすら続く直線は日本とは思えない!
日本海オロロンライン・北海道
雄大な日本海と天売島・焼尻島、そして利尻島を眺めつつ、日本の最北端・宗谷岬へと真っ直ぐに続く一本道を走れば、人生観が変わるほどの感動。というのも、石狩から稚内までの距離は約300kmもあり、走破するのは1日がかかり。日本のてっぺんへたどり着く“達成感”が得られ、それはライダーとしての勲章です!
2. 雄大で変化に富む自然を雲上の道で味わおう
磐梯吾妻スカイライン・福島県
吾妻連峰を縫うように走るパノラマコースはカーブを曲がるごとに変化に富んだ景色が目の前に広がり、ライダーにとっては雲上の楽園を駆け抜けているかのような幸せな気分に。火山による荒漠を目の当たりにできる浄土平は、有毒ガスのため一帯が駐停車禁止。視野の広いバイクで来てよかったとつくづく思う。
3. 駆け抜けてはもったいない 清々しい風を感じて欲しい
ビーナスライン・長野県
中央自動車道の諏訪ICを降りて、市街地を抜けるといよいよ始まる絶景ルート。白樺湖を経て、車山高原、霧ヶ峰、美ヶ原高原へ至る高原ルートは一気に通り抜けてはもったいない。見晴らしの良い展望エリアや散策のできる遊歩道、美術館、道の駅など、立ち寄りポイントの充実ぶりも魅力のひとつ。
4. 日本海に沈む夕陽と愛車 SNS映えの1枚を狙いたい
千里浜なぎさドライブウェイ・石川県
国内唯一、世界でも珍しい波打ち際をバイクやクルマで走ることができる、全長約8kmのルート。バイクで砂浜を走るのは不安という人は、クルマが往来している所なら砂が硬くしまって走りやすいので、そこをトレースしよう。写真を撮る際はスタンドが埋もれないよう木の板なども用意しておくと安心。
5. 阿蘇パノラマラインと走りたい 九州の屈指ルート
やまなみハイウェイ・大分県&熊本県
大分県の湯布院と熊本県の阿蘇という2大観光地をつなぐ山岳道路。長者原付近は正面に硫黄山の噴火口を見ながらの快走区間で、圧巻の景色を堪能できる。ただ見通しが良すぎてついペースが上がりがちなので注意。日本一の温泉県・大分だけに、日帰り入浴施設を利用して疲れを癒やすのもオススメ!
6. 低速で絶景を満喫できる原付道を走る手もあり!
しまなみ海道・広島県&愛媛県
広島県尾道と愛媛県今治、瀬戸内海に浮かぶ美しい島々を7つの橋で結ぶ海の道はツーリングのメッカとして知られ、年間を通して多くのライダーが訪れる。オススメは低速で景色をより堪能できる原付専用ルート。周辺にはいくつかのレンタルバイク店があり、125cc以下の小排気量モデルにも乗りかえ可能。
■ツーリングに最適なニューモデルが続々登場!
コロナ禍以降のブームはもはやブームではなく、定着した感すら漂うバイク人気。そんな昨今のトレンドは、ビンテージムードと先進性を融合させたネオクラシックモデルで、なかでも注目なのはハーレーダビッドソンの「NIGHTSTER」。65年の歴史を持つスポーツスターの後継モデルだ。
伝統のVツインやクラシカルなタンクカバーは継承しつつ、心臓部は新開発の可変バルブ機構付き水冷975ccエンジンへ進化。ツーリングに最適なゆったりとした乗車姿勢は不変であり、いつの時代も鉄馬は旅の相棒にうってつけだ。
1972年に前代未聞の高性能・大排気量車として登場したカワサキ900SUPER4(通称Z1)はバイクファンの間で伝説となっているが、4月末に50周年を記念した「Z650RS 50thアニバーサリー」が登場。この限定車はZ1が採用した火の玉タンクを再現し、早くも垂涎の的となっている。一方で扱いやすい並列2気筒エンジンを搭載し、どんな状況でも軽快に走れる実用性の高さも兼備している点も見逃せない。
その他1100ccとなってよみがえったホンダの「HAWK11」やBMWの電動バイク「CE 04」など、各社新型ラッシュで気になるバイクがめじろ押しだ!
1. 伝統と先進性が融合したスポーツスターの後継
HARLEY-DAVIDSON
「NIGHTSTER」(188万8700円〜)
無駄をそぎ落とし、低く力強いクラシカルな伝統のスタイルを継承。シート高が705mmと低く足つき性に優れるため、小柄な人や女性も安心して取り回しできる。水冷60度Vツインエンジンは幅広いパワーバンドで「マシンが生きている」と感じられるほどの鼓動を堪能できる。
▲小型ディスプレイを埋め込んだ4インチ丸型アナログメーターを装備。3種のモード設定で乗り味を変えられるのもうれしい
2. ファン垂涎の火の玉タンクは旅先でも注目の的
KAWASAKI
「Z650RS 50th Anniversary」(110万円)
軽量コンパクトな車体に並列2気筒エンジンを搭載し、扱いやすさと良好な足つき性、軽快なハンドリングを実現。レトロな雰囲気と先進機能を合わせ持つ2眼メーターや丸型LEDヘッドライトが、レトロスタイルと現代的な機能を両立する。50周年カラーは発表と同時に“お宝”だ!
▲50th Anniversaryでは荷物の積載にも役立つグラブバーを標準装備。座面もフラットだからラゲッジスペースに活用できる
3. ホークが大排気量で復活!前傾が緩やかで旅にも出れる
HONDA
「HAWK 11」(139万7000円)
ゆったり走ってもアグレッシブにワインディングを駆け抜けても高い充足感を得られる、扱いやすく高性能な車体パッケージがポイント。パラレルツインならではのエンジンの鼓動とパルス感のある排気音を存分に感じながら、スポーティな走りをトコトン楽しんで欲しい。
4. ツーリングにも使える本格スーパースポーツ
YAMAHA
「YZF-R7 WGP 60th Anniversary」(105万4900円)
YZR500をモチーフにした赤のスピードブロックは、80年代のレースシーンを知るベテランライダーには懐かしく、若い世代には新鮮そのもの。S字コーナーなどでの切り返しも軽快にこなすスリム&コンパクトなスキニープロポーションで、ワインディングを大好物としている。
5. 未来感あふれるデザインとEVならではの加速力が魅力
BMW Motorrad
「CE 04」(161万〜)
四輪EVの開発で培ったBMWの最新技術を惜しみなく導入し、0-50km/h加速2.6秒、最高速120km/hという動力性能と約130kmの実用的な航続距離を両立。バッテリー残量ゼロから100%までの充電を、急速モードで1時間40分というスピードで実現しているのも見逃せない。
6. クラシックテイストが旅情に誘い込む
ROYAL ENFIELD
「Continental GT 650」(112万8600円)
「INT 650」(108万1300円)
1901年に英国で誕生したロイヤルエンフィールドの最新モデルは、車体も空冷並列2気筒エンジンも見るからにオーソドックス。「INT 650」は昔ながらのネイキッド、「Continental GT 650」はカフェレーサーとし、現代のハイスペックマシンが失ったものを凝縮している。
>> 特集【安くても傑作モノ】
※2022年5月6日発売「GoodsPress」6月号54-57ページの記事をもとに構成しています
<文/青木タカオ>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/451368/
- Source:&GP
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