グリーン電力事業を手がける株式会社afterFITは、今年2月より日中の太陽光発電所(自社管理)の保守点検に全自動ドローンを活用してきました。
そしてこのたび、ドローンの夜間における目視外飛行の運用について、国土交通省より承認を取得。これにより、昼夜を問わず現地完全無人での全自動ドローン運用が可能となり、防犯・監視におけるドローン活用にも期待が高まっています。
発電所が抱える課題
政府は、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、太陽光を中心に再エネ電源を現状のおよそ2倍に増やす方針を打ち出しました。
一方で、3月には太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)が終了。再エネのさらなる低コスト化が求められており、特に保守管理では、低コストかつ安定した運用の実現が課題となっているようです。
また近年、太陽光発電所での銅線盗難被害が頻発。これに対し、コストを抑えた防犯・監視システムが求められています。
日中はレベル3で運用中
そんななか同社は、「テクノロジーでグリーン電力の課題を解決する」ことを目指し、ドローン活用に注力。自社内での操縦士育成、画像解析AIや自動航行アプリプログラムの開発を通じ、作業の効率化・省力化を進めています。
21年12月、札幌・澄川発電所にて全自動ドローンによる点検業務を検証。22年2月17日から、栃木県内の発電所(自社管理)において、全自動ドローンによる点検・監視業務(日中)を開始しました。栃木県内の発電所では、現地に操縦者・補助者を置かず、東京本社から遠隔操作をおこなうレベル3で運用しています。
そしてこのたび、全自動ドローンの夜間無人運用の承認を取得。これにより、昼夜を問わず現地完全無人での保守点検が可能となります。また、全自動ドローンを防犯・監視システムと連携させ、遠隔地から侵入者への警告を発する防犯・監視業務にも活用したいとのこと。
今後、夜間の侵入者検知・警告に関する有効性を確認し、自社管理以外の発電所に向けてもソリューションを提供していくようです。
DJI製の汎用ドローンを使用
同社は、DJI製の汎用ドローンを活用。発電所にDroneNest(充電ポート)とドローンを設置し、東京本社のパソコン画面上で飛行開始のボタンを押すと、ドローンはあらかじめ決められたルートを飛行します。
赤外線カメラで太陽光パネルを撮影してポートに帰還し、次回飛行へ向けて充電を開始。1回の点検時間は20分程度で、充電は60分で完了するとのことです。
なお、DJI製の汎用ドローンを活用したことで、機材やプログラムのコストを半分以下に抑えています。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/179571
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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