KDDI社長、回線契約なしでのスマホ単体販売拒否を謝罪

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KDDIの高橋誠社長は、6月22日に開催した株主総会で、回線契約なしでの端末購入を拒否するなどの不適切な行為が確認されたことについて謝罪し、再発防止に取り組むと語りました。同問題では、携帯キャリア各社が総務省から行政指導を受けています。

総務省が行政指導した端末単体での販売拒否

2019年10月に施行された改正電気通信事業法により、携帯電話の端末購入と回線契約が分離され、回線を契約せずに端末だけで購入可能となりました。また、回線契約と端末同時購入の場合は端末の割引上限が2万円に規制されました。
 
しかし、回線契約を結ばずにiPhoneなどの端末だけを購入すると「在庫がない」などと説明されて、回線を契約しないと購入できない不適切な販売が総務省の覆面調査で確認されており、総務省は6月15日に携帯キャリア4社に不適切な販売をなくすよう行政指導を行なっています。

再発防止と代理店教育に注力

KDDIの高橋社長は、6月22日の定時株主総会で不適切な販売が確認されたことを謝罪し、「ルールはルールなのでしっかり守る」と述べ、再発防止に取り組む方針を示しました。
 
また、個人向け事業担当の雨宮俊武取締役は、事態を重く受け止め、代理店の教育と指導に注力すると語っています。

業界の構造的問題の側面も

代理店が端末単体での販売を拒否する理由としては、端末販売は利益が出ず、新規契約やMNP契約の獲得数に応じてキャリアから支払われる手数料が収入源となっている事情があります。
 
今回の問題は、iPhoneを「一括1円」などで割引販売してでも、MNP契約数を増やしてキャリアからの手数料を獲得する必要がある、という業界の構造的問題に由来するもの、と見ることもできます。
 
2021年春には、開始されたばかりのオンライン限定プランで客を誘導して大容量プランを契約させる「povoフック」「ahamoフック」が問題となり、総務省は通報窓口を設置し、公正取引委員会は各キャリアに代理店評価の方法を見直すよう求めていました

端末単体購入による「転売ヤー」も問題化

なお、回線を契約せずに端末購入が可能になったことで、割引価格で販売されるiPhoneなどを転売目的で購入する「転売ヤー」の横行が問題となっています。
 
NTTドコモは転売対策として、購入客に対してiPhoneなどの箱に氏名を記入するよう求めています。総務省の有識者会議でも「転売ヤー」問題の検討が開始されています
 
 
Source:産経新聞, 日本経済新聞
(hato)


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