ウェアラブルデータで“心身”の不調検知・予測を。テックドクターが5億円調達

「データで”調子”をよくする時代へ」をビジョンに掲げる株式会社テックドクターは、医療データ解析SaaS「SelfBase」とメンタルヘルスソリューション「SelfDoc.」を展開し、医療領域の課題解決に挑戦しています。

同社はこのたび、ジャフコ グループらから総額5億円を調達。これにより、累計調達額は約6億円となりました。

今回は、同社のサービスを中心に紹介します。

臨床研究の解析コストを削減「SelfBase」

「SelfBase」は、ウェアラブルデバイスなどから取得するデータを収集・管理・解析し、予兆検知アルゴリズムを開発する臨床研究用のプラットフォーム。大量のデータをプロジェクト・期間別で一元管理し、解析もサービス上で実行します。

これにより、センシングデバイスの普及によって急激に増えたデータの運用を効率化し、解析工数とコストを約70%カットできるとのことです。

また、今年3月には「ePRO機能(アンケート機能)」をリリース。被験者アンケートによる主観的評価とウェアラブルデバイスの客観的データをかけ合わせた解析をサポートしています。

精神科領域に客観的指標を「SelfDoc.」

テックドクターは、「SelfBase」の活用を通じて培った経験から、精神疾患の状態をウェアラブルデータから捉える技術(特許申請中)を開発。

同技術を活用しているのがメンタルヘルスソリューション「SelfDoc.」です。テックドクターは、このソリューションを通じて疾患の有無・状態を測る指標(バイオマーカー)が乏しい精神科領域に客観的指標を確立しようとしています。

具体的には、ウェアラブルデバイスなどから取得するデータをもとに、気持ち・心拍・睡眠・運動といった要素を数値化。その日の心身の状態はもちろん、中長期的なメンタルの変化を把握できるよう週単位・月単位のコンディションも可視化します。

ユーザーは、1日30秒ほどの質問に答えることでメンタルの状態をデータとして蓄積可能。睡眠の状態と照らし合わせながら、その日のストレスを算出することもできます。また、専門家へのチャット相談もできるようです。

組織拡充と研究開発を加速

このように、臨床研究および精神科領域での課題と向き合うテックドクター。今後は、データサイエンティストとエンジニアの採用による組織拡充、不調検知と予測アルゴリズムの研究開発を進める構えです。

そのための資金として総額5億円を調達。引受先として、追加出資となるジェネシア・ベンチャーズをはじめ、新規投資家であるジャフコ グループ、日本ベンチャーキャピタル、三井住友海上キャピタル、みずほキャピタルが参画しました。

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株式会社テックドクター

(文・Higuchi)


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