コスパが凄すぎ! と噂のハイエンドスマホ「POCO F4 GT」を使ってみました!

6月23日に「POCO(ポコ)」という新しいブランドが、日本のスマホ市場に参入しました。日本でも存在感を強めつつあるXiaomi(シャオミ)が、Xiaomiとは別に展開するブランドで、すでに世界91の国・地域に進出し、2021年の出荷台数は2300万台に達しています。

Xiaomiは中国のメーカーで、中国から世界に広がりましたが、POCOは中国国内では販売されていません。すでにPOCOが進出しているアジアやヨーロッパの国では、コスパの高さで支持を集めており、ローエンドからハイエンドまでをカバー。日本向けの第1弾として6月23日に発売された「POCO F4 GT」は最新のハイエンドモデルです。

プロセッサーには現行機種向けとして最高峰といえる「Snapdragon 8 Gen 1」を搭載。ゲームがしやすいショルダーボタンを備え、クアッドスピーカーを搭載するなど、ヘビーユーザーが注目すべきポイントが多い端末に仕上がっています。

半導体不足や円安傾向など、昨今の状況を考えると、10万円を超えてもおかしくない仕様ですが、価格はRAM 8GB+ROM 128GBモデルが7万4800円、RAM 12GB+ROM 256GBモデルが8万4800円。かなり魅力的な価格になっています。

はたして買って満足の端末なのか? 実は残念なところがあったりするのか? 上位の12GB+256GBモデルを1週間ほど、じっくり使ってみました。

 

■ゲームや動画鑑賞に適した大画面&スピーカーを搭載

ディスプレイは6.67インチと大きめ。厚さは8.5mmあり、重さは210gもあります。ですが、手に持って “ゴツい” “デカ過ぎ” と感じることはありません。バランスが取れたサイズ感で、ゲームや動画を楽しむためには、これくらいのサイズがスタンダードになってくるのではないかと感じました。

▲6.67インチの有機ELディスプレイを搭載。解像度は2400×1080ピクセル。小さな文字もクッキリ表示される

ディスプレイは有機ELなので、メリハリがある画質で、視認性は良好。リフレッシュレートは最大120Hzで、タッチサンプリングレートは最大480Hzを実現しています。実際に操作感はなめらかで、激しめのタッチ操作が必要なゲームもストレスを感じることなくプレイできました。

▲リフレッシュレートは最大120Hzに設定できる

右側面には「ポップアップトリガー」というショルダーボタンが付いています。主用途はゲーム用ですが、2回押しや長押しでよく使う機能を起動するようにも設定できます。また、使わない場合は、ボタンを格納して誤操作をしないようにも配慮されています。

▲右側面にポップアップトリガーと電源キーを装備。なお、電源キーには指紋センサーも搭載されている

▲ポップアップトリガーを使わない時は、凹ませられるので誤操作を防げる

▲ポップアップトリガーに、カメラやレコーダーの起動を割り当てることもできる

▲左側面にはSIMスロットと音量キーを搭載。本体の上下に加えて、ここにもマイクを搭載し、ゲーム実況の音声も集音しやすくなっている

横向きに持った場合の左右にスピーカーを搭載。それぞれツイーターとウーファーを備えたクアッドスピーカーで、迫力のあるステレオサウンドを出力できるのこと。従来のXiaomiのスマホは、スピーカーの音量はそこそこ大きくできるものの、音質は今ひとつという印象があったのですが、POCO F4 GTの内蔵スピーカーは音質もかなり向上したように感じました。ゲームをプレイする際はもちろん、「YouTube」や「Netflix」を見る際も満足できること請け合いです。

▲上部にスピーカーとマイクを搭載

▲底部にはUSB Type-Cポートとスピーカー、マイクを備える

カラバリは3色から選べます。ゲーミングフォンらしいデザインが施されていますが、さほど尖った印象ではなく、ブラックとシルバーは、パッと見ではフツーのスマホに見えるはず。違いをアピールしたい人はイエローを選ぶことをおおすすします。

▲カラバリは、ステルスブラック、ナイトシルバー、サイバーイエローの3色

 

■ゲームに特化した機能が充実。120Wの急速充電も超便利!

筆者は、普段そんなにゲームはやりません。「ポケモンGO」や「ツムツム」など、流行っているゲームは試してみて、気晴らしにテニスゲーム、カーレーシングゲーム、パズルゲームなどを嗜む程度。これらのゲームではショルダーボタンが役立つことはなかったのですが、普段通りの操作で快適にプレイできました。画面が大きく、タッチレスポンスが良く、内蔵スピーカーの音がいいので、ゲームのライトユーザーにとっても、ゲームをプレイする楽しさがアップしそうです。

▲ゲームアプリは「ゲームターボ」から起動でき、個別の設定ができる

端末には「原神」というゲームがプリインストトールされていました。筆者は初めてプレイしたのですが、映像や音楽にも凝った、かなりデータサイズが大きいRPGで、このタイプのゲームを楽しむには、POCO F4 GTは非常に適しているようです。

ショルダーボタンには、任意の操作ボタンを割り当ていることができるのですが、それによって画面をタッチする操作を減らせて、画面が指で隠れにくくなります。慣れると、専用のコントローラーを操るように、複数のボタンを効率よく打てるようになれそうです。深く使い込んだわけではありませんが、ショルダーボタンのカチッとした押し心地は、ゲームが好きな人にすすめたくなりました。

▲ゲームアプリの起動中に、ゲーム専用のメニューを表示できる

▲「ショルダーボタン」を選択すると、画面に表示されるアイコンに「L」と「R」を重ねて、2つのショルダーボタンで操作する機能を設定できる

▲「ボイスチェンジャー」を設定すると、実況の音声をカスタマイズ可能

ゲームを存分に楽しむにはバッテリーも必要。POCO F4 GTのバッテリー容量は4700mAhなので、まずまず大容量と言えます。それ以上に注目すべきなのが120Wの急速充電に対応していること。20Wや30Wでも「急速」と呼ばれますが、120Wとなると、充電に要する時間はものすごく短縮化できます。同梱の充電器を使うと、17分で2%から100%まで充電できるそうですが、その数値に偽りがないことは実感できました。充電に使うUSBケーブルを本体のUSBポートにL字型で挿せることも利点。充電しながらゲームをプレイする際に、ケーブルが邪魔にならない趣向です。

▲同梱の充電器で120Wの急速充電が可能

▲フル充電から24時間以上の連続使用を見込めて、さらに電池を長く持たせる省電力モードも備えている

高性能なプロセッサーを搭載するスマホは、熱を持ちやすい傾向があります。POCO F4 GTも長くゲームをしていると温かくなってきます。熱くなるわけではなく、背面パネル全体が生温かくなる感じ。これは、内側で発生する熱を冷やして、効率よく放出する「LiquidCoolテクノロジー 3.0」という独自の冷却システムによるものだと思われます。

 

■カメラの性能も満足できる水準

スマホの購入を決める上で、もうひとつ重要となるのがカメラの性能。POCO F4 GTのリアカメラは3眼で、メイン(約6400万画素/F1.9)+超広角(約800万画素/F2.2/画角は120°)+マクロ(約200万画素/F2.4)という構成。ハイエンドモデルの中では、やや控えめのスペックで、ここで製造コストを抑えているようにも思いました。

▲6400万画素をメインとするトリプルレンズカメラを搭載

ただし、撮影画質は鮮明で、日常づかいでは不満を感じなさそうな水準。望遠レンズは備えていませんが、デジタルズームは最大10倍で撮影でき、ワンタッチで切り替えられる2倍ズームでは、画質劣化はほとんど気になりません。

▲超広角で撮影。曇天でもデフォルトで明るく写った

▲メイン(広角)で撮影。AIによる自動補正によって、肉眼で見るよりも若干鮮やかに写る印象

▲デジタル2倍ズームで撮影。画質劣化はほとんど気にならない

動画は最大4K/60fpsで撮影できます。デフォルトの1080P/30fpsで撮ってみましたが、鮮明な画質で、音声もバランスよく録音できました。フロントカメラは約2000万画素でF値は2.4。自動および手動で補正できるビューティーモードを備えているので、自撮りを楽しみたい人も満足できるでしょう。

 

■おサイフケータイには非対応。それでも、やっぱりお買い得

1週間ほど使ってみて、これといって不満を感じることはなく、むしろ、使うことが楽しく感じられたPOCO F4 GT。ゲームをしなくても、動画鑑賞やネットサーフィンを存分に楽しみたい人にもおすすめしたい完成度です。

強いて弱点を挙げるとすれば、NFCは搭載しているものの、FeliCaは非搭載で、おサイフケータイに対応していないこと。Suicaや楽天Edy、nanacoなどの電子マネーは使えないので注意が必要です。

防水の等級はIPX3と低めですが、雨に濡れたり、水回りで使ったりするには、ほぼ心配がないレベル。microSDは使えませんが、12GB+256GBモデルを選べば、不便を感じることはないはず。イヤホンジャックはなく、USBポートを代用する仕組みですが、3.5mmのイヤホンジャックとUSB Type-Cの変換アダプタが同梱されているので、有線イヤホンを使いたい人も心配無用。SIMは2枚挿せて、eSIMには対応していません。これも、購入をやめる動機になる人は少ないでしょう。

▲nanoSIMを2枚挿せて、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応。microSDには非対応

▲ゲームをしない人でも、大画面のハイエンドスマホとして快適に使える

筆者としての結論は、ズバリ “買い”。このスペックと使い勝手で、この価格はお買い得。コスパに優れたハイエンドスマホを手に入れたい人は積極的に検討すべきでしょう。

>> シャオミ「POCO F4 GT」

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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