感じた香りをうまく言葉で表現するのは意外と難しいもの。それをテクノロジーで可能にするのが、SCENTMATIC株式会社(以下、セントマティック)の開発した「KAORIUM(カオリウム)」というAIシステムです。
セントマティックは今回、株式会社資生堂の研究所が主導するオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」とコラボ。7月14日(木)~10月14日(金)の期間、資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)にて、KAORIUMを活用した超感覚体験イベントを開催します。
香りと言葉を紐づけるAIシステム
KAORIUMは、香りと言葉を相互変換するAI システム。香りの印象を言葉で表現したり、ある言葉から連想される香りを導出したりできます。
香りと言葉が紐づくことで生まれる価値は、フレグランス市場をはじめ感性教育・飲食業界・購買体験などさまざまな領域にインパクトを与えるとして注目されているようです。
資生堂の香料を言語化
現在開催中の超感覚体験イベント「資生堂 fibona × セントマティック Experience KAORIUM」では、このKAORIUMを活用し、参加者が自分の感性を知るきっかけを提供します。
会場には、資生堂の既存化粧品に使用されている香料や開発中の香料など20種類を展示。そのなかから好きな香りを選びKAORIUMのコースターに置くと、“ロマンティック”“品がある”などその香りの印象を表すさまざまな言葉が画面に表示されます。
表示された言葉のなかから自分が求めるイメージにもっとも近い言葉を選択すると、その言葉に紐づく香りが導出されるという流れ。この香りと言葉選びを数回繰り返すと、AI がその人の好きな香りの傾向を分析し、その印象を“甘い春の空気”のような情景的なキーワードとして提示します。
この体験を通じて、自分の好きな香りの軸を知ることができ、フレグランスを選ぶときなどの参考になるとのことです。
日本酒などの香りも学習
KAORIUMはこれまで、さまざまなシーンで活用されてきました。
2021年4月には、世界中のフレグランスブランドが集まる香水専門店「NOSE SHOP」の新宿店および銀座店にてポップアップを開催。来店客に香水選びの新スタイルを披露しました。
また、日本酒の香りも学習したKAORIUM。“癒やされたい”“気合を入れたい”など選択されたその日の気分に合う日本酒を提案する日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」として紀ノ国屋の店舗で実証実験を実施しました。
さらに、香りと味わいが魅力のクラフトビールの風味も言語化。近鉄リテーリングが展開するクラフトビール醸造所「Yamato Brewery」の直営店2店舗に3月より導入されています。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/182312
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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