M1モデルユーザーも欲しくなるM2チップ搭載「MacBook Air」5つの進化ポイント

最新のM2チップを搭載する「MacBook Air」が7月15日より発売をスタートしたのを受けて開催されたMacBook Airのショーケースイベントに参加してきました。僕自身、前モデルとなるM1世代MacBook Airユーザーなので、新モデルとの違いは気になるところ。M1モデルの現行ユーザー目線でチェックしていきます!

 

1. 薄さ11.3ミリのフラット化がスゴイ!

M2世代「MacBook Air」、デザインを一新しているんですよね。新モデルだから当たり前でしょ?…ではありません。MacBook Airシリーズって10年以上に渡ってディスプレイ側は付け根の方が厚みがあり徐々に薄くなっていくデザインでしたが、なんとM2世代「MacBook Air」では完全フラットに。これ、MacBook Airのユーザーには衝撃的な変化です。

厚さは全体を通して11.3mm。M1モデルは一番厚い部分で16.1mmあったので、全体がスリムになりました。体積ではM1モデル比20%削減。重さも1.24kgと約50gの軽量化となっています。

デザイン変更について担当者に質問をぶつけてみると、「新しいプロセッサに最適化されたデザインにした」とのこと。確かにM1世代のMacBook Airって、IntelCPU時代と全く同じボディだったので、アップルシリコンへの移行完了という文脈で理解しても良さそうです。

▲キーボードデザインもFnキーのサイズ等微調整されています

カラバリは既存色のシルバー、スペースグレイに加えてスターライト、ミッドナイトを追加。スターライトはゴールド系ですが、名前の通り光が当たった時の輝きがとても美しいんですよ。ミッドナイトは深いブルー系で、こちらも光を当てた際の変化がいいですね。

▲左からシルバー、スターライト、スペースグレイ、ミッドナイト

▲照明によってゴールド系に輝くスターライト

▲黒に近いブルーのミッドナイト

 

2. パフォーマンスはクリエイティブマシン

最大の変更点として、M2チップのパフォーマンスを語らないわけにはいきません。M1チップの時点で高速動作に定評があったのですが、M2チップでは8コアCPUと10コアGPUにより、RAW画像を扱う場合でM1チップと比べて40%高速化。

▲Googleマップもヌルヌルと動くM2チップのパフォーマンス

▲スクエニのゲーム『FANTASIAN』も従来比30%高速化

そして驚いたのが動画編集のパフォーマンス。M2プロセッサでは最大11ストリームの4K映像、2ストリームの8K映像を扱えるそうです。FinalCutによるデモ映像は、7ストリームの4K映像を合成+エフェクト込みの映像が余裕で動いていました。

▲7ストリームの4K動画を合成して再生するデモ

FinalCutではM1比で40%高速化。それだけでなくM2チップでは動画のエンコード・デコード共にハードウェアアクセラレーション対応となっているところがポイント。M2世代「MacBook Air」って位置づけはモバイルノートなわけで、それで4K動画を最大11ストリームはモンスター級ですね。

 

3. Dolby Atmosによる立体音響対応の4スピーカー搭載

僕が得意なオーディオ関連の変化としてM2世代「MacBook Air」は本体4スピーカー内蔵のサウンドシステムになりました。ちなみにM1世代はステレオスピーカーです。M2世代「MacBook Air」のスピーカーユニットの構成はウーファーとトゥイーターが2基ずつで、ディスプレイとキーボードの間の隙間に音の出どころが仕込まれています。

Dolby Atmosによる立体音響に対応しているAppleTV+の作品を観てみたのですが、正面の位置に包み込むような空間と広がり感を生み出すところが優秀。そのなかで音の移動感、分離感をクリアに再現します。モバイルノートというとスピーカーに期待できないのが常ですが、M2世代「MacBook Air」は例外的存在ですね。

空冷ファンを搭載しないファンレス設計というのもポイント。AV系ノートPCでも、発熱でファンが回るとクリアな音なんて台無しですからね。

 

4. MagSafeがひっそり復活!

細かいポイントですが、一度は廃止されたアップル純正のマグネット式充電端子MagSafeがMacBook Airに戻ってきました。専用の端子で簡単に接続できます。これってメリットがふたつあって、ひとつはiPhone用に揃えた充電機器と共用できることです。

▲Thunderboltポートの隣にMagSafe端子(左端)も搭載

もうひとつは、充電用にThunderbolt(USB type-C)ポートを使う必要がないことです。結果として拡張ポートがふたつ、ちゃんと使えるようになるというのがいいんですよね。

▲右側面にはハイインピーダンスヘッドフォン対応3.5mmオーディオジャックが

そして反対側には3.5mmオーディオジャックを搭載。この端子、ハイインピーダンスヘッドフォン対応というのが謳い文句で、しかもハイレゾ対応の仕様となっています。ハイインピーダンスのヘッドホンというと音楽制作に使う高級ヘッドホン中心なので、ここもクリエイター志向ですね。

 

5. FaceTime HDカメラが1080p化

ビデオ会議などで活用する機会の増えたFaceTime HDカメラが、M1世代の720pから1080p対応になりました。これはショーケースイベントでも実際に見ても、若干解像度が上がったかなという程度。それより感心したのは、生活シーンに合わせて作り込んだ難しい照明の部屋でも色バランスが崩れないところ。これもM2チップによる補正のおかげだそうです。

▲画面上部にFaceTime HDカメラを搭載

M2世代「MacBook Air」のFaceTime HDカメラは、液晶画面上部にはみ出る形のノッチに収まっています。ただショーケースイベント参加中に撮影した写真を見比べていたら、ノッチ横の表示領域はメニューバーが存在する時しか使われていないことに気づきました。メニューバーに並ぶのは“ファイル”などの文字なので、ノッチ部を避けられるし、画面が欠けて見える心配もないということですね。

▲メニューバーのない画面ではノッチ横のディスプレイ領域は使われない

▲メニューバーのある画面ではノッチを避けてボタンを配置

*  *  *

最後に、M2世代「MacBook Air」の特徴をまとめてみます。

強力なM2チップにAV性能も整ったモデルです。本来MacBook AirはMacbookシリーズで最も安価なモバイルノートという立ち位置ですが、M2世代「MacBook Air」は性能の底上げが強力過ぎて、並大抵のモデルでは太刀打ちできない存在になっています。約18時間動作というスタミナ性能も一級品。

▲約18時間の長時間バッテリーを生かしてバルコニーでも使ってねというコンセプト

円安の影響もあり、お値段はM1世代から少し上がっていて、基本構成モデルがアップルストアで16万4800円から。でも、この中身なら別に高くないですね。M1世代MacBook Airユーザーの僕が欲しくなるのはもちろん、WindowsユーザーがMacに乗り換える場合でもベストモデルなんじゃないでしょうか。

>> Apple「MacBook Air」

 

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長

 

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