【キャンプギア BEST HIT名鑑】
キャンプはテントやタープ内の“リビング”をいかに構築するかが、快適性を大きく左右する。ポイントとなるのが、テーブル&チェアの高さ。低めがいいのか高めがいいのか、それぞれの高さの特徴とギア選びのポイントについて、アルペンアウトドアーズ、カメイドクロック店の中村篤紀さんにお話を伺った。
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特にチェックをすることもなく、デザインを見ただけでテーブルとチェアを買った結果、高さがチグハグで使いにくかったというのは、よく聞く話。
中村さんは「意外と忘れられがちですが、テーブルやチェアの高さを合わせることはとても大切なんです。キャンプではテーブルの前に座っている時間や、焚き火の前でボーッとしている時間が長くなります。その時間が快適に感じられないと、キャンプは楽しくなりません」と話す。
「高さによってスタイルが異なるのですが、大きくハイスタイル、ロースタイル、お座敷スタイルの3つに分けられます。90年代のキャンプブーム時に主流だったのがハイスタイルで、立って調理するBBQグリルの高さに合わせてテーブルなども高めになっています。それに対して、現在進行形で人気なのがロースタイル。焚き火の近くに座ることができて、また地面にも近いため、より強く自然を感じらる点も人気の要因です」
自分がキャンプ場でどんな過ごし方をするかによって最適解は変わってくる。後ほど紹介する“お座敷スタイル”や高さ調節が可能な“ハイ・ロー両立スタイル”も要チェック!
アルペンアウトドアーズ カメイドクロック店 中村篤紀さん
キャンプ用品に囲まれる日々を過ごしながら、休日も家族、ソロでキャンプに出かけるという、根っからのアウトドア好き。自宅付近はもちろん、山梨、長野など出かける場所を選ばずアクティブに活動する。キャンプ歴は8年
【LOW STYLE】時間がゆっくり流れる今人気のスタイル
地面に近い位置に座ってゆったり過ごせる、今一番人気があるスタイル。火に薪をくべやすく、焚き火を楽しむのにもピッタリ。ただ座面が低く立ち上がりにくいため、本格的な調理をするには、あまり向かない。高さの目安としては、テーブルが30〜40cmくらいで、それに合わせたチェアは20〜30cm程度。
■温もりを感じる天然素材のウッドテーブル
温かみがあって、天然素材の優しさを感じるテーブル。自然と調和しやすいので、統一感が作りやすいと思います(中村さん)
ピースパーク
「フォールディング ウッドテーブル」(1万2980円)
耐荷重30kgと、堅く強度が高いビーチウッドを使用した木製のロールテーブル。W68×D22×H11cmとコンパクトに収納できる組み立て式。60cm四方の天板サイズは、ソロでもファミリーでも使いやすい。
▲リビングに雰囲気を出すウッドテーブルは自宅のインテリアとしても使える
■焚き火を楽しむためのシンプルなテーブル
自宅でも使用できるデザインと設置時の安定感が特徴。組み上げ式ですが、パーツが少なく、素早く設営できます(中村さん)
ハングアウト
「ファイヤーサイドテーブル」(8580円)
焚き火を楽しむのに最適なサイドテーブル。天板の下はラックになっていて、地面からの湿気を防ぎながら薪を保持できる。33cmの高さは、ジャグやクーラーボックスなどのスタンドとしても使いやすい。
■収納性が高くテーブルの周りがすっきり
ローテーブルの範囲内で高さの変更ができるので、手持ちのチェアと高さが合わせられます。収納性に優れる点も◎(中村さん)
Alpen Outdoors
「ロールテーブル 120」(2万1989円)
天板から脚までの全てに天然木を使った、温かみのあるデザインが特徴。天板はロール式で丸めてコンパクトに持ち運びができて、天板の下にはメッシュ状の小物用ラックがあるため、テーブルの周りを整頓して広く使える。
▲テーブルのサイドはハンガーフレームを装備。使わないシェラカップやトングを下げておける
■焚き火の近くに座りたくなる天然木のローチェア
オール天然木のフレームと難燃生地の座面。キルティング加工で沈み込みも少なく、座り心地も非常に良いです(中村さん)
Alpen Outdoors
「ローチェア」(1万7589円)
天然のブナを使用した座面32cmのローチェア。背もたれや座面のキルティング素材には難燃加工が施され、焚き火の近くで使用しても火の粉で穴が開きにくい。脚には保護キャップが付属し、自宅での使用も可能。
▲背面にはポケットとベルトがある
■軽量チェアには珍しいリクライニング機能付き
軽量でありながら耐荷重は驚異の136kg。身体を包み込む座面は快適で、名前のとおり月や星を見たくなるチェアです!(中村さん)
ニーモ
「ムーンライト リクライニングチェア」(1万8150円)
座りやすさ、組み立てやすさに加えて、830gの軽さも実現したポータブルチェア。一般的な軽量チェアにはない強度と耐久性、さらにリクライニング機能を組み合わせ、長時間でも快適に過ごせる。
【HIGH STYLE】立ち座り、調理がしやすく大人数で楽しみたい人に!
'90年代に流行したオートキャンプの流れをくむスタイル。当時は天井の高いテントが一般的だったことに加え、BBQを立食していたアメリカンスタイルの影響もあり、それに合った高いテーブル&チェアを使用していた。立ち座りが楽&立ったまま調理がしやすいため、料理にこだわりをもつキャンパーに人気。目安となるテーブルの高さは60〜70cm、チェアは35〜40cm程度。
■環境に配慮した竹製の天板を採用
環境負荷が少ない竹製の天板を採用。重量は13kgあるため安定感があり、走り回る子どもと一緒のキャンプでも安心です(中村さん)
スノーピーク
「ワンアクションテーブルロング竹」(4万4000円)
天板を左右に開けば、内側から飛び出す絵本のように脚が現れる機構を採用。設営のしやすさに加えて、太めのアルミパイプを使用しているため、安定感も十分。リビング中央のテーブルとしても調理の作業台としても活躍する。
■さまざまなリビングに映えるデザイン
どんな場所でも使えるデザインが◎。いろいろなテントにも合わせやすく、置くだけでリビングがおしゃれに変身!(中村さん)
オンウェー
「New スリムチェア/アイボリー」(1万2100円)
どんなリビングにも合わせやすいシンプルなデザインがポイント。人間工学を取り入れた座面は、座りやすく安定感も高い。フレームは細めながら丈夫で、自宅で長く使えるほどの安定感をもたらす。
■天然木を使用したソロにも使える手ごろなサイズの天板
アルミ製の脚は軽量ながら丈夫で耐久性が高いです。限定色のブラックは自然と溶け込むので人気があります(中村さん)
コールマン
「ナチュラルウッドロールテーブル クラシック(65)」(1万5800円)
約W65×D70cmという、ソロキャンプにちょうどいい天板サイズのウッドテーブル。天板は丸められ、約W12×D18×H70cmに収納できる。耐荷重は30kgで、重めのダッチオーブンも載せられる。
■身体を包み込む座り心地で焚き火を楽しめる
背もたれを倒すと星を見上げることもできるので、そのためだけに現地まで持っていく人もいるほどです(中村さん)
コールマン
「レイチェア(ダルゴールド)」(1万2000円)
3段階のリクライニングが可能なハイバックチェア。使い込むほどに身体になじむコットンキャンバス地は、火の粉に強く、焚き火を楽しむシーンに最適。後頭部まですっぽり包まれる座り心地は、まさに極上。
■“地べたスタイル”ともいわれる第3のスタイルに注目
ハイスタイル、ロースタイルに続く第3のスタイルとして近頃注目されているのが“お座敷スタイル”だ。
中村さんは「実は私も楽しんでいますが、靴を脱いでのんびりできること、子どもと一緒に楽しめることなど、さまざまなメリットがあります。冬は大きめのテーブルをテントの中央に置いてこたつにするなど、季節を問わず楽しめるスタイルです」と話す。
確かに、部屋にいるようにゴロゴロできるし、自宅以上にリラックスできるかもしれない。
「キャンプ用のちゃぶ台も発売されていて、角がないため小さいお子さんがいても安心。また、人数に関係なく隙間なく座ることができますし、雰囲気もいいんです。お座敷用のテーブルに使いやすい座椅子も発売されていますし、やはり日本人に“和”のテイストは、なじみやすいんだと思います」
さて、ここまで3つのスタイルを紹介してきたが、どれが自分に合っているか分からない人もいるだろう。そんな人は、高さが調節できるタイプのものを選べば間違いない。
「自分に最適なスタイルを見つけるために買う、というのもありですね。私自身も使っていますが、季節によって使い分けたりできるので、ベテランのキャンパーさんにもオススメです」
【お座敷STYLE】ファミリーはもちろんソロの地べた派にも人気
■状況に合わせて拡張できるカスタムテーブル
鉄板やダッチオーブンなど、熱した調理器具も置けるので、サイドテーブルとしても使用できる汎用性の高さがポイントです(中村さん)
ベルン
「ユニットテーブル」(1万450円)
基本は2枚の天板で構成されるソロ用のテーブルだが、別売のテーブルを追加すると拡張できる。中央にバーナーがセットできる天板を追加すれば、小型キッチンテーブルが完成する。
■スタイリッシュに焚き火の雰囲気を盛り上げる
薪ラックらしい見た目ですが、しっかりサイドテーブルとしても使える。焚き火の雰囲気を高めるデザインが秀逸(中村さん)
ロゴス
「ワイド薪ラックウッドテーブル」(9900円)
ロースタイルにも対応する、絶妙な36cmの高さが特徴。丈夫なスチールフレームには太めの薪もセットでき、直接地面に置かないため地面からの湿気を避けられる。
▲畳むとW40×D12×H42.5cm
■日本の原風景をキャンプシーンで再現
子どもが座ってちょうど食事ができる高さがいい!円形は3人で使っても空席がなく、人数に関係なく使用できます(中村さん)
スノーピーク
「ワンアクションちゃぶ台竹 M」(2万3100円)
テントやタープ内のスペースを無駄なく使える円形のちゃぶ台。天板には、環境にやさしい竹の集成材を使い、開くと自動で脚が出てくるワンアクションシステムを採用。お座敷で使いやすい21cmの高さが絶妙!
▲日本の伝統スタイルを採用。角がないためファミリーキャンプでも安心して使える
■超ロースタイルのデザインでずっと座っていたくなる
超人気商品!軽量のチェアなのにリクライニングが搭載され、身体が包み込まれる座り心地は“極上”のひと言!(中村さん)
ヘリノックス
「インクラインチェア」(1万6280円)
ヘリノックスが得意とする軽量&コンパクトなスタイルはそのままに、座面をグイッと地面に近づけた最新モデル。脚を伸ばしたり、あぐらをかくように座ったりと、さまざまな座り方に対応する。
▲ローチェアでは珍しいリクライニング式。レバー位置を前後にずらせば座面角度を調整できる
■ホッと落ち着く座椅子スタイル
フレーム構造がしっかりしているため、頑丈でグラつきにくいです。畳めば折り畳み傘くらいのサイズになるのもいいですね(中村さん)
コールマン
「コンパクトグランドチェア」(4480円)
長時間座っても痛みが出にくい座面のクッションと身体を包む背もたれが特徴の座椅子タイプ。座面の裏側は撥水加工が施されているので、地面に直接座る“地べたスタイル”でも快適に過ごせる。
▲背もたれはフレームをクロスした構造。スマホやタオルを入れられるポケットがある
■地べたスタイルにも使えるリクライニング座椅子
立ち上がったときに自立するのが意外と便利!しかもクッションが厚めで、外にいるとは思えないほど快適です(中村さん)
スノーピーク
「グランドパネルチェア」(1万2100円)
お座敷スタイルに最適な、リクライニングもできる座椅子タイプ。クッションが座面はふたつに、背もたれは4つに分割されており、体重が分散されて心地よくフィット。クッション性が高く、長時間座っていても不快感がない。
【ハイ・ロー両立STYLE】自在に使い分けられる初心者に最適なスタイル
大人数で楽しむときはハイスタイル、秋冬のキャンプではロースタイルなど、季節や状況に応じてキャンプスタイルを変える人におすすめ。高さが変えられるテーブルやチェアが必要になるが、ハイ・ローのどちらが自分に合っているのか分からない人は、このスタイルで探ってみるのもオススメ。
■ハイ、ミドル、ローの三段階に高さが変わる!
珍しい3段階調節機能がポイント。実は50cmという多くのチェアに合わせやすい高さに設定できるところがいいですね(中村さん)
Ogawa
「3ハイ&ローテーブルII」(1万6500円)
天板の高さを35.5、50、60cmの3段階に調節できて、さまざまなスタイルに対応する。天板はウッドプリントが施されたアルミ製で、汚れが拭き取りやすく、展開も楽らく。ロック機能がついており安定感も高い。
■上下に加え、前傾と後傾、背もたれの高さも変更可能
背もたれの高さを調節できるところが特徴ですね。天井の低いテントだと座れないものもあるため、これはかなり助かります(中村さん)
Alpen Outdoors
「ラチェットチェア」(9889円)
前後の脚が自在に伸縮できるので、前後一緒に縮めてロースタイルにしたり、前だけ縮めて食事しやすい前傾にしたり、さらには後ろを縮めて後傾のリラックススタイルにしたりなど、さまざまな使い方が可能。
▲背もたれの高さもハイバック・ローバックの2種類から選択できる
■使い方がグンと広がるサイドテーブル付き
両方を低くして広々と使うこともできるし、とにかく使える範囲が広い。こんな拡張性の高いテーブルはあまりありません(中村さん)
ロゴス
「テーブル9060プラス バッグ付き」(8999円)
大人数のキャンプや子どもと一緒のキャンプに最適な、拡張性の高いファミリーテーブル。一段低いところに取り付けるサイドテーブルは、子供のテーブルにしたりクーラーボックスを置いたりと、さまざまな使い方ができる。
▲約W42×D60×H36cmの絶妙なサイズのサイドテーブルは取り外せる
※2022年7月6日発売「GoodsPress」8-9月合併号74-77ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/今雄飛(ミラソル・デポルテ)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/466331/
- Source:&GP
- Author:&GP
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