【iPad Hacks_29】
iPadの真価は周辺機器を揃えてこそ発揮されるものですが、キーボードケースやペンを全て揃えると、導入コストが上がってしまいがち。特にペンは使用頻度が低いといってApple Pencilの購入を一旦見送っていた人もいるかもしれません。しかし、しばらくiPadを使っているうちに「やはりペンがあったら」と思えてくることもあるでしょう。
そんなときに少しでも予算を抑えられる選択肢として、サードパーティ製のペンシルが浮かんできます。こうした製品は純正のApple Pencilと全く同じではありませんが、想定する用途によっては問題なく使えるからです。本稿では、こうしたサードパーティ製のペンシルを選ぶうえで、知っておきたいポイントをまとめました。
■製品ジャンルの呼び名について
タブレットのディスプレイを操作するためのペンシル型の製品のことは、一般に「スタイラスペン」や「タッチペン」などと呼称されています。厳密な定義はないものの、大まかな傾向としては、ひとまずタッチ操作のみができるものが「タッチペン」、傾き検知機能などを備えた製品が「スタイラスペン」と呼ばれることが多いようです。また、Apple Pencilに近い形状を備えた製品には「デジタルペンシル」や「スマートペンシル」といった表現が使われていることもあります。
▲Apple Pencil(写真は第2世代)もスタイラスペンの一種だ
似たような呼び名に「デジタルペン」や「スマートペン」「電子ペン」というものもありますが、こちらは一般的には、紙に手書きしたときに内容をデータ化できるペン型のデバイスを指すことが多いようです。ただし、メーカーによってはスタイラスペンを指して使われることもあるので、検索時に混乱しないように注意しましょう。
■おすすめはペン先がApple Pencilに似ているもの
さて、タッチペンやスタイラスペン、デジタルペンシルといった製品群は決して新しいものではなく、膨大な種類が存在します。家電量販店はもちろん、シンプルな製品ならば百円均一のようなショップでも見つかります。
こうしたアクセサリーをiPadで使いたい場合でも、用途によっては、安価な製品で十分に対応できるでしょう。例えば、指先の乾燥によるタッチ操作の反応しづらさを解消したかったり、キッチン周りで手を汚しながらもタブレットを操作したかったりするならば、安価なタッチペンがあれば十分です。
一方、Apple PencilのようにiPadで手書きのメモやノートを取りたかったり、簡単なイラストを描きたいと思っている場合には、書き心地や、傾き検知機能などにもこだわる必要が出てきます。そのためスタイラスペンの選択肢は、自然と絞られてきます。
ここで知っておきたいのは、「ペン先」の形状についてです。大きく3つのタイプの製品が存在します。ペン先が導電繊維を丸く整えて作られているもの、透明の円盤を備えたもの、ペンのような円錐状のものです。
▲厳密にいえば、使用する素材や、バッテリーの使用有無などによってさらに種類が分かれることになるのだが、ひとまず単純化して、ペン先の形状としてはこの3つが主流になると理解しておこう
どれを選ぶべきかという回答は、想定用途に対する機能・使い勝手などの相性や、価格のバランス、使用者の好みなど、さまざまな要素が絡んできます。しかし、筆者のおすすめは円錐状のものです。
特に、ペン先は金属ではなく、Apple Pencilと同様に樹脂製であるものを選んでおくとよいでしょう。こうした製品は、多くの場合Apple Pencilと同様に充電が必要になりますが、書き心地が優れています。
▲ECモールで「スタイラスペン iPad」などと検索すれば、さまざまな製品がヒットする
ECサイトなどで検索すると、さまざまな製品がヒットします。その中からペン先の形状が純正のApple Pencilに似ているものを探してみてください。執筆時点における大まかな相場は2000〜4000円といった印象です。純正のApple Pencilが1万4880円〜1万9880円なので、価格の差は歴然です。
■Apple Pencilと差がないわけではない
昨今は、サードパーティ製品でも、外見を含めてApple Pencilにそっくりな選択肢が増えてきました。しかし、純正品と機能が全く同じというわけではありません。
具体的には、マグネットで固定できるかどうか、有線ケーブルでの充電が必要かどうか、電源のオン・オフ操作が必要かどうか、筆圧感知機能があるか、といった差があります。
よく見かける仕様は、第2世代のApple Pencilと同じように対応iPadの側面にマグネットで固定できるものの、充電はUSBケーブルを接続して行う必要がある、というものです。また、使用時には、ペン軸の頂点などをタッチしたり、マグネットの着脱をしたりして電源をオンにする必要があるため、接続して使用を開始するまでに時間がかかることもあります。
▲Glotureが6月に発売した「GeePencil」のように、なかには側面でのワイヤレス充電に対応する製品もある。ただし、こちらの価格は7000円台となる。使用頻度が高い場合には、充電管理が楽になるので、こうした製品を検討するのもよいだろう
また、書き心地については、筆圧感知の有無が影響してきます。Apple Pencilでは、ペンの傾きや筆圧が、描く線の濃さや太さに反映されます。しかし、現在のところサードパーティ製のスタイラスペンでは、傾きのみをサポートしているのが一般的。筆圧を反映できる製品はほぼないと考えてよいでしょう。
▲書道アプリの「Zen Brush 2」を用いた例。筆圧感知の有り(左)、無し(右)で、細い線が書けるかどうかが変わってくるのがわかる
そのため、日常的に高い頻度でペンを使いたい場合や、iPadで凝ったイラストを描きたいと考えている場合などには、純正のApple Pencilを選んでおいた方が良いと思います。一方、電子サインをしたり、たまにノートアプリに情報をまとめたり、と月に数度程度しか使わないような想定ならば、サードパーティ製品でも十分活躍するはずです。
* * *
サードパーティのペン製品は、万人におすすめできる選択肢ではありません。しかし、想定する用途によっては、コストを抑えられることも事実です。導入時にApple Pencilを諦めた人も、一度検討してみると良いでしょう。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/468657/
- Source:&GP
- Author:&GP
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