片手で持てるハイエンド機!「Xperia 5 IV」はスペック比の価格が魅力的になる予感

ソニーがAndroidスマートフォンの最新モデル「Xperia 5 IV」を発表しました。9月上旬以降に、日本を含む国・地域で発売されます。発売に先駆けて開発中モデルに触れる機会を得て、進化を果たしたスピーカーの音も確かめてきました。

▲9月上旬以降にグローバルで発売されるXperia 5 IV。カラバリはグリーン、エクリュホワイト、ブラックの3色

 

■スリムなボディに最高峰プロセッサーと大容量バッテリーを搭載

「Xperia」は数字がグレードを表します。「Xperia 1」シリーズが高性能のフラッグシップで、「Xperia 10」シリーズが幅広いユーザー向けのミッドレンジ。となると、「Xperia 5」はその中間くらいに思われがちですが、実際には「Xperia 1」に近いハイスペックモデルで、“第2のフラッグシップ”とも呼べる位置付けです。

プロセッサーは、上位モデルのXperia 1 IVと同じ「Snapdragon 8 Gen 1」を採用。いわゆる “ヌルサク” の軽快な操作性を期待できます。

ディスプレイはXperia 1 IVよりもひと回り小さい6.1インチで、解像度はフルHD+。リフレッシュレートは最大120Hzで、240Hzのタッチ検出にも対応しているので、ゲームを楽しむにも申し分なし。前モデルから輝度が約50%向上し、視聴する環境に応じてコンテンツの明暗を調整する「リアルタイムHDRドライブ」も追加されています。

▲縦横比21:9で、6.1インチの有機ELディスプレイを搭載。前モデルのXperia 5 IIIより輝度が向上したので、明るい場所でも見やすくなった

バッテリー容量は5000mAh。前モデルより500mAh多くなり、最短30分で約50%の急速充電も可能。ワイヤレス充電に対応し、Qi対応の他のデバイスに給電できる「おすそわけ充電」にも対応しています。

▲前モデルからバッテリー容量を増やしたため、重さは4g増えて172gになった。しかし、本体サイズは156×67×8.2mmで、前モデルから高さと横幅が1mmずつ小さくなっている

大容量バッテリーを搭載しつつ、本体サイズのさらなるコンパクト化を実現したことにも要注目。横幅はわずか67mmなので、片手でもスムーズに操作できそうです。正面・背面ともに最新の強化ガラス「Gorilla Glass Victus」で保護されていて、背面は磨りガラスのようなフロスト仕上げで、指紋がつきにくいことも利点。防水(IPX5/8)、防塵(IP6X)性能も備えています。

▲ボディ幅が67mmと細いので、片手での操作が容易

▲右側面に電源ボタンと音量ボタンを搭載。電源ボタンには指紋センサーが搭載されている

▲左側面にはボタンがなくスッキリ

▲上部にイヤホンジャックを搭載し、お気に入りのヘッドホンで音楽を楽しめる

▲底部にSIM/microSDスロットとUSB Type-Cポートを搭載。5Gの新周波数はSub6のみに対応し、ミリ波には非対応

▲フロストガラス仕上げの背面パネルは、サラサラとした手触り

 

■トリプルカメラはAF性能が進化したが、注意すべき点も…

Xperia 5 IVの最大の特徴はカメラ。リアカメラは、超広角(16mm/12メガピクセル/F2.2)+広角(24mm/12メガピクセル/F1.7)+望遠(60mm/12メガピクセル/F2.4)という構成で、3つのカメラそれぞれに120fpsの高速読み出しが可能な新しいイメージセンサーを採用。これにより、動く被写体にピントを合わし続ける「リアルタイムトラッキング」や「リアルタイム瞳AF」、4K/120fpsでのハイフレームレート撮影やスローモーション撮影などを実現しています。

▲ZEISSレンズを採用した、トリプルレンズカメラを搭載

▲静止画はXperia独自の「Photography Pro」で撮影する。一般的なカメラアプリと同じように操作できる「ベーシックモード」も用意

▲デジタル一眼カメラのように、撮影モードを選んで、露出や絞り値などを細かく設定して撮影することも可能

▲シャッターボタンを搭載し、半押しでピントを合わせられるのも利点

ちなみに、上位モデルのXperia 1 IVもトリプルレンズカメラを搭載していますが、望遠カメラには85〜125mmの光学ズームレンズを採用しています。前モデルのXperia 1 IIIは、70~105mmの可変式レンズが搭載されていました。Xperia 5 IVの望遠カメラは60mm固定なので、スペックが落とされたとも言えます。サイズ感や電池持ちを優先した結果だと思われますが、上位モデルや前モデルとの大きな差分なので注意が必要です。

▲3つのレンズはワンタッチで切り替え可能

▲動画も任意で細かい設定を行える「Videography Pro」というアプリで撮影可能

▲簡単にライブストリーミングが行える機能を備えており、ソニーのシューティンググリップやカメラと連携して使えるのも便利

フロントカメラは、前モデル(約800万画素)から大型化した約1220万画素のセンサーを搭載し、4K HDRでの自撮り撮影も可能になっています。

 

■スピーカー音質は、音楽や映画を楽しみたい人も満足必至!

Xperiaは、スマホの機能の中では軽視されがちな内蔵スピーカーの音質にもこだわっています。前モデルのXperia 5 IIIの音質も好評でしたが、Xperia 5 IVでは、スピーカーの構造を見直し、さらなる音質向上を実現しているとのこと。

Xperia 5 IVはフロントパネルの上下(横向きにした場合の左右)にスピーカーを搭載し、聴く人に向かって、音がバランスよく響く仕組みになっています。前モデルのXperia 5 IIIでは、左右のスピーカーの構造が異なり、右側のスピーカーだけがエンクロージャーで囲われて、左側は剥き出しになっていました。そのため、ボディ全体が振動し、ノイズが生じる原因になっていたとのこと。Xperia 5 IVでは、左側のスピーカーにもエンクロージャーを採用し、左右それぞれのスピーカーユニットの内部構造も改良。音圧を向上させつつ、ノイズを減少させ、よりクリアな音で再生されるように改善されています。

▲新構造のスピーカーの搭載によって、最大音圧が向上。従来のXperia 5シリーズのスピーカーは、Xperia 1シリーズよりも一歩遅れている印象があったが、ほぼ追いついたと言えそうだ

▲360 Reality Audioなど、ソニー独自の高音質化技術にも対応

実際に、Xperia 5 IVとXperia 5 IIIでハイレゾ音源や映画の音声などを聴き比べさせてもらいました。前モデルよりも大きな音で再生できるようになり、音のディテールがより明瞭に聴こえました。イヤホンを使わずに、内蔵スピーカーで音楽や映画を楽しむことが多い人には大きなメリットとなりそうです。

Xperia 1 IVに初搭載されて注目を集めた「Music Pro」にも対応。自分の歌声を録音すると、まるでスタジオで録音したかのような音質にクラウドで編集されるサービスも楽しめます。

▲「Music Pro」はオフラインでの録音・編集は無料で利用できるが、クラウドで高音質化処理を行う「Studio Tunig」機能を使うには、月額580円(1000MBまで)が必要(初月100MBまでは無料で試せる)

 

■片手で扱いやすいハイエンドモデルを求める人には最適解

Xperia 5 IVの価格は、まだ発表されていませんが、前モデルのXperia 5 IIIの価格が11万3256円(ドコモ版)だったので、それよりも若干高くなるのではないかと予測できます。発売中の上位モデルXperia 1 IV(ドコモ版は19万872円)よりはかなり安くなるはずなので、「ハイスペックモデルが欲しいが価格も重視したい」という人や、「片手で操作しやすいハイスペックモデルが欲しい」という人は検討する価値があるでしょう。

▲スタンドになるなる専用カバーも発売予定

▲このように横向きで立てることができ、動画視聴時などに重宝

 

>> Xperia

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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