Appleの広告事業が急成長〜競争上の優位性を失いかねない?

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最近、Apple広告事業が急成長を遂げており、同社がこれを重要な収入源にしようとしていることを示す兆候が多数確認されています。しかしながら、実際にはAppleは後戻りしているのではないかGoogleやFacebookといった企業からビジネスを奪おうとしているのではないか、と非難の声も高まっています。

Appleの広告事業の規模は7,000億円超に

英Financial Timesが伝えたところによれば、Appleはここ2、3年の間に広告事業のための雇用を4倍にしており、ある研究グループの調査いわく、同社の広告事業は2026年までに年間300億ドル(約4兆2,182億円)規模まで拡大する可能性があるとのことです。
 
Appleは決して広告に対して否定的な企業ではありません。共同創業者の1人のスティーブ・ジョブズ氏はアプリ内広告を、無料アプリから収益を上げられる、顧客と開発者の双方に利益をもたらすウィン・ウィンの解決策と捉えていたことで知られています。ただ、広告事業がAppleにとって重要な位置を占めたことはこれまでになく、ジョブズ氏の時代には、Appleの年間収益のうちわずか数百万ドルを占めるにとどまっていました。しかし現在、この数字は50億ドル(約7,027億4,000万円)と推定され、また急速な伸びを見せています。

他社の広告を制約した後に自社の事業を拡大した?

Appleは広告事業の成長率をさらに加速させようと躍起になっており、7月には、Apple Storeの広告を検索から「今日のアプリ」タブなどにまで拡大することが判明しました。8月には、本社で現在サービス部門に広告専門の上級役員を配置していることがわかりました。またBloombergの報道では、AppleはApple BooksとApple Podcastの中でも広告に関して計画している、と伝えられました。
 
これらのすべては、サードパーティーの広告プラットフォームが大きな煽りを受けているとされるアプリのトラッキングの透明性(ATT)が導入された後に起こっており、Appleのやり方は手段を問わないマキャヴェリ的である、との意見もあるようです。

Appleの広告事業の採用が加速

英Financial Timesは、Appleはデジタル広告事業の従業員を倍増する予定であり、現在約250人が在籍する広告プラットフォームチームの人員に加えて、さらに216人の人材を募集している、と報じています。この数字は、2020年後半の募集人数56人のほぼ4倍です。
 
プライバシー推しで知られていたAppleですが、今後広告事業からの収益を増やしていくとなると、顧客からの評判を落とすことになりかねず、競争上の優位性を失う可能性がある、と監視機関Check My Adsの共同設立者のクレア・アトキン氏は警鐘を鳴らしています。
 
 
Source:Financial Times via 9to5Mac
(lexi)


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