Apple CardでGoldman Sachsの消費者金融事業がリスクに?

Apple Card
 
ローン大国であるアメリカでは、リスク軽視の融資によるサブプライムローン問題が引き金となり、2009年に未曾有の経済危機が発生しました。そして今、Apple Cardがサブプライムリスクとして、パートナーであるGoldman Sachsに少なくない損失を与えているようです。

事業が健全とは言えない状況に

金融業界の雄であるGoldman Sachsですが、クレジットカードローンで同業他社と比較して、少なくない損失を計上しているようです。
 
一般的に貸し手はリスクとリターンを天秤にかけ、借りる側の審査を行っています。審査を緩くすれば貸し倒れのリスクは高まりますし、厳しくすれば借り手が少なくなります。
 
CNBCによると、消費者金融事業へ2016年に進出したGoldman Sachsは、事業の急拡大を強く意識し過ぎて審査を緩くした結果、クレジットカードローンでの損失率が大きな問題となっているようです。
 
競合他社が顧客のローン返済率を過去最高かそれに近い水準にキープしているのに対し、Goldman Sachsは損失率が大手カード発行会社の中で最悪であるばかりか、サブプライムローン(貸し倒れリスクの高い層向けのローン)の貸し手をはるかに上回る状況なのだそうです。

審査の緩いApple Cardがアキレス腱に

この状況に至った大きな要因と言われているのが、同社の主力商品となっているApple Cardです。ブランドこそAppleですが、Goldman Sachsがパートナーとなり、カード発行の業務を担っています。
 
Apple Cardは幅広い層への浸透を担うため、クレジットスコア(信用度)の低い層も対象としてきました。そのためサービス開始当初から、緩い審査や金利の低さがGoldman Sachsのアキレス腱になると指摘する声もありましたが、結果としてその通りになってしまいました。
 
とはいえ、1カ月前には米国クレジットカード満足度で、Apple Cardと発行元であるGoldman Sachsがランキング1位を獲得しています。実態は痛みを伴いながら、利用者に笑顔を振りまいているということなのでしょう。
 
 
Source:CNBC
(kihachi)


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