【達人のプラモ術】
フジミ
1/12 ホンダ ハンターカブCT-125
04/04
前回は、第60回全日本模型ホビーショーのレポートという事でお休みさせていただいた1/12ハンターカブの製作ですが、お待たせしました! 今回はジオラマベースを仕上げての完成編です。(全4回の4回目/1回目、2回目、3回目)
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!@Modelart_MOVIE」も配信中。
■ここまでのおさらい
前回はジオラマのベースに加えて、1/12自販機を製作しました。
こうしたアクセサリーを追加することで、作品に奥行き感が出てくるんですね。さらにタミヤ製のストリートライダーフィギュアを組み合わせてみたら、街中のハンターカブという世界感を演出できました。1/12スケールは、キャラクター系のフィギュアが数多くプラモデル化されていることもあって、今回使用した自動販売機以外にも数多くのアクセサリーが揃っているので、今回のようなリアル系ジオラマに転用できます。
いろいろなアクセサリー素材を見ていると、楽しくなってあれもこれもと配置したくなるのですが、背景アクセサリーを盛りすぎると情景模型としてピントがボケてしまうので要注意です、今回の主役はあくまでもハンターカブです。
■ガードレールとカラーコーンを追加
製作したベースにハンターカブと自販機を配置してみて、あれこれシュチュエーションを考えてみたのですが、自販機だけじゃ物足りないなぁと。もうひとつ何かアイテムが欲しいと欲が出てきました。そこで追加したのがガードレールとカラーコーンです。
道路といったらガードレール、さらに日常的に見かけるカラーコーンだよねーということで追加してみました。イメージとしては『ハンターカブのいる風景』といった感じであります。日常的と言うか、ちょっと埃っぽい裏道の風景を思い描いています
【使用キット】
<ガードレール>
PINKTANK
「1/12 ガードレール(2種セット)組み立てキット」(1100円)
<カラーコーン>
ハセガワ
「1/12 可動フィギュアアクセサリー 工事用保安機材」(1100円)
▲ガードレールは前回製作した自販機と同じ『PINKTANK』から発売されているものを使用。長さを半分ほどに切りつめて使用。タミヤのスミ入れ塗料でサビや汚れといったウエザリングを施している
▲Before:ガードレールを組んだ状態
▲After:ガードレール全体を艶消しクリアーで塗装、スミ入れ塗料を使い、錆と汚れを施して仕上げた状態
▲カラーコーンは、ハセガワが発売している1/12『工事用保安機材』セットのものからチョイス。キットは木製のバリケード・カラーコーン(×2)コーンバー・工事看板・ヘルメット誘導灯のセットになっている
▲Before:カラーコーンは実物もプラスチック製なので塗装しない方がリアルなので素材色のまま使用
▲After:ガードレールと同じくスミ入れ塗料を使い、汚れを施して仕上げた
▲自販機だけピカピカだと違和感が出てしまうので、雨による水垢の汚れをスミ入れ塗料で再現
これがレーサーレプリカ系のバイクだと似合わないのですが、ハンターカブだと、街中の風景を切り取ったゆるさがあふれて良い感じになりました
さて自動販売機に加えて、ガードレールとカラーコーンを追加したのはいいのですが、結果的に当初製作したベースでは窮屈になってしまいました。そこでベースをひと回り大きいものにサイズアップします。
■路面のペイント
今回は歩道のない路面をイメージしているので、タミヤ製情景テクスチャーペイントの『路面ダークグレイ』でアスファルトの質感に仕上げた表面に路側帯のグリーンと白帯をペイントで描いてみました。実際のペイントはもっと幅がありますが、ジオラマなので、それらしくイメージで描いています。
路面は交通量の多い幹線道路ではなく、埃っぽい脇道のイメージ(こういうシチュエーションを考えるのがジオラマ作りの楽しみ)なので、路面も荒れた感じを再現。テクスチャーペイントの塗りムラを利用したひび割れや、荒れて凸凹になっている部分をスミ入れ塗料で強調してみました。
▲テクスチャーペイントで仕上げたアスファルトの上からマスキングをしてラインを描いていく
▲手前が前回製作したベース。これをひと回り大きいベースに変更
■バイクジオラマは楽しい!
正直なところ、最初はハンターカブのジオラマがなかなかイメージできずに悩んだんですね。オフロードツーリングとかキャンプとか…。しかしそれだとベタすぎるなぁと。
うむむと悩んだ挙句、埃っぽい街中のハンターカブというシチュエーションとなりました。
▲自販機で缶コーヒー買ってちょっとブレイク、といったワンシーン。ストリートライダーフィギュアの置く位置をいろいろ変えることで、よりストーリー性が出てくるのが情景模型の面白さだ
当初フイギュアとの組み合わせは考えていなかったのですが、タミヤ製のストリートライダーが思いのほかしっくりと馴染んでくれたので、やはりジオラマにはフイギュアは必要だなぁと再認識させられました。
まぁできれば、ストリートライダーみたいないかついオジサンのフイギュアじゃなくて、かわいい女の子のジオラマだとなお良かったんですけどね(笑)。
▲ハンターカブ単体でも存在感のあるジオラマになった
また1/12ならではの豊富なアクセサリーと組み合わせて、ハンターカブらしい情景を作るのも楽しいと思います。とんがっておらず、どんなシチュエーションにもしっくりと馴染んでしまうハンターカブ。いや実車が欲しくなってしまいますね。
ロードスポーツ系バイクも面白いのですが、今回製作したハンターカブといった街に溶け込むバイクの面白さを1/12プラモデルで体感してみてください。楽しいですよ!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/483911/
- Source:&GP
- Author:&GP
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