Appleは円安をどこまで価格に反映している?新iPad Proから検証

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新たに発表されたiPad Proは、昨今の円安を受けて、最上位モデル(Wi-Fi+Cellular)が2TBで372,800円(現地価格は2,399ドル)と、往年では考えられない高価格に設定されています。しかし、あまりにもドル円相場が急激に変動するだけに、Appleがどこまで国内価格に反映させているのかは気になるところでしょう。

昨年と今年でiPadとiPhoneの128GBを比較

急速に進む円安は一向に止まる気配を見せず、執筆時点で1ドルは150円に達しようとしています(2022年10月19日)。
 
iPhone14が発表された9月7日(現地時間)の約143円から、新iPadシリーズの10月18日(現地時間)時点では約149円と、わずか1カ月の間で円は約6円ほど値下がりしている状況です。
 
この急激な円安をAppleはどの程度反映しているのでしょうか。
 
価格の決定段階と発表段階とで為替の値は異なりますし、製品や登場時期によって輸送コストを始めとする様々な費用差が生じるため、正確な数値は計り知れませんが、現地価格との比較から同社の見立てをうかがい知ることはできるはずです(いずれも発表時点の価格)。
 

新iPad Pro(12.9インチ,128GBモデル)
米国 日本 実質1ドルあたり 発表時点のドル円(仲値)
1,099ドル 172,800円 157.23円 148.88円

 

iPad Pro(第5世代,12.9インチ,128GBモデル)
米国 日本 実質1ドルあたり 発表時点のドル円(仲値)
1,099ドル 129,800円 118.10円 109.10円

 

iPhone14 Pro(128GBモデル)
米国 日本 実質1ドルあたり 発表時点のドル円(仲値)
999ドル 149,800円 149.94円 143.12円

 

iPhone13 Pro(128GBモデル)
米国 日本 実質1ドルあたり 発表時点のドル円(仲値)
999ドル 122,800円 122.92円 110.15円

実はiPhone14 Proがお買い得?

こうしてiPhoneとiPad Proを2モデルずつ比較すると、Appleはその時の為替相場と10円前後の差で、日本国内の価格を決定していることが分かります。例えば、為替相場が1ドル100円のときは実質1ドル約110円で、1ドル110円のときは実質1ドル約120円で、Apple製品のおおよその国内価格を決定するといった具合です。
 
そう考えると、実質1ドルあたり157.23円で換算されているiPad Proは、Appleの基準に従って、直近の為替動向を反映した価格設定だと言えるでしょう。
 
むしろ、150円に迫ろうとする現在の為替相場では、実質1ドルあたり149.94円で販売されている、iPhone14 Proのお買い得ぶりが際立っています。また様々な事情で、iPhone13 Proの時(為替相場が110.15円なのに対し、実質1ドルあたり122.92円で販売)のように、急激な円安に対応しきれていなかったこともうかがえます。

Apple製品の値上げ背景

過去に類を見ない円安を受け、輸入製品を中心に商品価格は軒並み上昇しており、Appleも2022年7月より日本国内で20%前後の値上げに踏み切りました。こうした円安ムードの中で発売されたiPhone14シリーズは、最上位モデルであるiPhone14 Pro Maxの国内価格が1TBで239,800円と、前例のない価格に注目が集まりました。
 
また、アメリカでは同モデルが1,599ドルと、iPhone13 Pro Maxから据え置きなのにもかかわらず、日本は194,800円から45,000円も値上がりしたことも話題を呼びました。
 
とはいえ、今回発表されたiPad Proの最上位モデル(Wi-Fi+Cellular)が2TBモデルで372,800円であることを思うと、iPhone14 Pro Maxの価格も可愛く感じるかもしれません。
 
どこまで円安が続くのかは誰にも分かりませんが、新iPad Proがせっかく最新の為替相場を反映しているのであれば、円高へと相場が巻き戻ったときにもしっかりと値下げで応えて欲しいところです。
 
 
Source:
(kihachi)
 
 


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