【令和の新殿堂入り傑作モノ】
「美しく鮮明な映像を大画面で楽しめる」よう、これまでも各社しのぎを削ってきた大画面テレビ。果たして次なるトレンドは? 現在、注目されているキーワードをAV評論家の折原一也さんがピックアップ。新たな定番となりそうなモデルを紹介してもらった。
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折原さんは、「大画面テレビのハイエンドは有機EL搭載モデルが主流ですが、液晶ディスプレイの新技術として、昨年からmini LEDディスプレイが登場。今年は多くのメーカーからmini LED液晶テレビが発売されました。まさに、液晶テレビの逆襲が始まったという感じです」と話す。
mini LEDは0.1ミリ以下の極小LEDを、液晶を照らすバックライトとして敷き詰めているイメージだ。大型テレビに限らず、PCモニターやモバイル機器でも注目されている。
「ポイントは明るさ。LEDバックライトのひとつひとつのサイズが小さいので、細かい制御が可能です。今までの液晶テレビではできなかった高輝度なテレビが作れます。液晶テレビが苦手とする黒の表現力も高まり、液晶テレビのポテンシャルが上がったといえるでしょう」
価格は有機ELよりも抑えられているものの、まだまだ高価。今後の展開として、ハイエンドに関してはmini LEDと有機ELが共存していくことが予想される。
「色の鮮やかさという意味ではmini LEDが優れているのですが、色の表現の正確さやコントラストは有機ELの方が上。一長一短の部分がありますが、そこまでいくと好みやこだわりの世界なので、mini LEDについては技術トレンドとして今後も注目してください」
もうひとつ着目したいのがチューナーレステレビだ。ネーミングが示す通り、テレビチューナーが内蔵されていないテレビを指し、地上波放送やBS・CS放送は視聴できない。その代わりにAndroid TVなどを搭載し、ネット環境があれば、さまざまな動画を視聴できる。
「テレビ放送を視聴しない人が増えている中で、YouTubeやサブスク動画配信を観たい人向けに、お手頃な価格の製品が登場しています」
5万円前後の手頃な値段で大画面テレビを楽しめるため、ネットコンテンツやゲームを楽しみたい人を中心に需要は増えそうだ。
PC系出版社の編集職を経て独立。オーディオ・ビジュアル専門誌やWeb媒体、商品情報誌などで、トレンド解説や商品レビューなど多彩な記事を執筆している。2009年よりVGP(ビジュアルグランプリ)の審査員も務める
【新潮流①】
<mini LED> 細かい制御可能な注目の液晶新技術
■有機ELと液晶の良いとこどり
日本メーカーでの先駆者。65DP1では8000個のmini LED使用と凄い数。55インチを推すのは買いやすさからです(折原さん)
シャープ
「AQUOS XLED 4T-C55DP1」(実勢価格:36万3000円前後)
mini LEDバックライトと量子ドット技術を組み合わせた、XLED技術搭載の4Kテレビ。従来製品に比べ72倍もの高密度に敷き詰めたmini LEDにより、コントラストや色の再現性、動画応答性が向上。大画面ならではの躍動感を味わえる。
■圧倒的な高輝度と今までにない色を再現
有機ELと同じ最上位の高画質エンジンを積み、高ビット精度の信号処理と最新の超解像技術を実現しています(折原さん)
TVS REGZA
「タイムシフトマシン4K Mini LED液晶レグザ 65Z875L」(実勢価格:36万5000円前後)
“誕生、ふたつのレグザの最高峰”というコンセプトで発表されたひとつ。新開発の映像エンジン「レグザエンジンZRα」を活用し、高輝度と漆黒の闇のような黒を再現。今までの液晶テレビでは得られない映像美を体感できる。
■ハイセンスの本気を感じる驚きの画質美
実は海外メーカーの方がmini LEDと大画面には積極的。そういう意味ではグローバルトレンドとして注目です(折原さん)
ハイセンス
「Mini LED ULED 4K 65U9H」(実勢価格:24万8000円前後)
2010年から日本市場に参入した海外メーカーのハイセンス。TVS REGZAと共同開発したAI活用エンジン「NEOエンジンPro」を搭載し、映像美でのポテンシャルの高さを実感。まさにフラグシップモデルにふさわしい商品だ。
【新潮流②】
<チューナーレス> 手軽&お手頃価格でネット動画を楽しみ放題
■火付け役となった機種の4K対応版
チューナーレステレビの火付け役。予想以上の大ヒットとなった機種の4K版としてスタンダードな機種です(折原さん)
ドン・キホーテ
「43型4K対応チューナーレス スマートテレビ」(3万8280円)
昨年末に登場し、1万5000台以上売れたドン・キホーテのチューナーレステレビ。多くの要望に応えて4K高画質が登場した。リモコンひとつで配信動画を楽しみ放題。Chromecast機能でスマホ画面をテレビの大画面に映すこともできる。
■さまざまな高画質・高音質機能を搭載
この市場はプライベートブランドが主流だったのに、オリオンというナショナルブランドが参入したのが凄い!(折原さん)
ORION
「AndroidTV搭載チューナーレス スマートテレビ 50v型 SAUD501」(5万4800円)
4K HDR信号に対応し、さまざまな画質補整機能を搭載。16GBストレージと2GBのDDRにより操作性も快適だ。NetflixやYouTubeなどプレインストールアプリのダイレクトボタン付きで、手軽に映像コンテンツを堪能できる。
※2022年10月6日発売「GoodsPress」11月号24-25ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/黒川秀紀>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/486348/
- Source:&GP
- Author:&GP