ボルボのプレミアムクラス完全電動SUV「EX90」は子供やペットが車内に取り残されないための技術も搭載!

ボルボが完全電動のプレミアムクラスのSUV「EX90」を発表。7人乗りで、600kmの航続距離。安全性の面でも画期的な技術満載です。

従来のXC90の後継車として、開発されたEX90。同社にとって、完全なBEV(バッテリー駆動のピュアEV)として開発された初の乗用車になります。

お披露目は、2022年11月9日に、ストックホルムの中心部の特設会場が舞台でした。

■ラジエター用開口部を持たないグリルレスグリル

そこに招かれた私は、最前列に陣取って、さまざまな面で画期的という感じのEX90が姿を現すのを目撃しました。最初の驚きは、フロントマスク。グリルレスグリルと業界ではいわれたりする、ラジエター用開口部をもたないデザインです。

ボルボに少し詳しいかたならご存知のように、このフロントマスクのデザインテーマは、日本でも2021年に発売されたピュアEV「C40」と共通

電気自動車ならこちらが先ですが、さきにシャシーを共用するXC40が内燃機関を搭載して発売されているので、EX90とは出自が少し異なるわけです。

■車内外に取り付けた先進的センサー

EX90の画期的なところはどこでしょう。ひとつは、もちろんピュアEVであり、V2H、つまり家庭への給電機能(ビークルトゥホーム)を備えているところ。

画期的な第2点めは、先進的安全技術の充実ぶりです。ぶつからない、とか、乗員の安全を保護するとか、ボルボの代名詞の感がある安全性の高さが、最新の電子技術でもって高められています。

注目の技術が、LiDAR(ライダー)の搭載です。光の反射などを利用して路面状況を検知する、運転支援のための技術で、EX90ではこれをルーフ先端に取り付け、250m先の路面の状況を常にセンシングするといいます。

見ていると、ロンドンタクシーを思わせるルーフ先端のLiDARセンサー(ロンドンタクシーの場合は単に「TAXI」と書いてあるわけですが)が目につきます。

ボルボのエクステリアデザインのヘッドを務めるT・ジョン・メイヤー氏は「センサーをグリルにつけるのはひとつのアイディアですが、それだと膝の上に目がついているようなもので、それより“頭の上”がもっとも遠くまで見渡せます」と、道路を見る“目”としてのLiDARの位置を決めた理由を説明しています。

LiDARは、メーカーとしては、目立たせたい/目立たせたくない、という相反する気持ちがあるようです。ついていない方がルーフのデザインが流麗になりますが、安全性のシンボルとして消費者に評価される面もあるわけです。

もうひとつ、センシング技術として注目が、車内の天井各所に配されたセンサーです。こちらはうまく隠されているようですが、7つのセンサーで構成されているといいます。子供やペットが車内に取り残されないよう常に監視します。

たとえば、毛布をかけた赤ちゃんが呼吸している動きみたいな、ごく小さな動きも認識。万が一、大人がうっかり車外に出てドアをロックしようとすると、取り残されている生命があることを車両が伝えるそうです。基本技術の開発は日本の会社ですが、いちはやく実用化を目指しているのはボルボです。

「ボルボの安全思想は、人間は間違いをおかしてしまうもの、という考えに基づいています。それをカバーして事故を未然に防ぐのが、安全技術の要です」と、広報担当者はなかなかよいことを教えてくれました。

▲ボルボカーズのCEO、ジム・ローワン氏

■ローワンCEO「エンジニアリングとデザインによる傑作」

「エンジニアリングとデザインによる傑作」と、ボルボカーズのジム・ローワンCEOは、発表会の席上で語りました。この方は、2020年までダイソンのCEOを務めていて、22年3月のボルボカーズCEOへの就任時には大きな話題を呼びました。

諸元については、この時点で詳細には発表されていません。現時点では、「ツインモーター」と呼ばれるパフォーマンス仕様が設定され、そのクルマには111kW時の容量を持つ駆動用バッテリーと、前後に1基ずつのモーターが搭載されます。

最高出力は380kW、最大トルクは900Nm。車体の大きさとか、車重とかはわからないのですが、充分すぎるパワーという感じです。ベアシャシーも展示されていて、床下に敷き詰めたリチウムイオン電池と一体構造になっているのがわかりました。ということは、重心髙も低くて、操縦安定性も高いでしょう。

インテリアは、ボルボファンにはおなじみの、品のいい仕上げ。北欧的なイメージをうまく取り込んでいて、「リビングルームのような居心地のよさを目指しました」。そう語るのは、カラー&マテリアル担当のシニアデザインマネージャーのセシリア・スターク氏です。

淡い色合いで、白色系やベージュ系や淡いグレイ系の色です。黒やブラウンもありますが、赤とか黄色はありません。「アグレッシブなイメージを追求するのは過去のコンセプトです」と、スターク氏。

ボルボの規模では、やたらとバリエーションの多さを追求するのでなく、持ち味を掘り下げていくほうが、マーケティングに有利になるから、とさらなる説明を加えてくれました。

生産は、まず、北米の工場で。少し遅れて中国でも始まると、プレスリリースにはあります。発売は、欧州ではおそらく2023年後半。日本には、2024年以降の導入になると、広報担当者は語っています。興味あるひとは多いはずなので、一日でも早い導入を祈りましょう。

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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