ドコモのエコノミーMVNOに、2022年12月21日(水)から「LIBMO」が加わりました。
エコノミーMVNOとは、ドコモと提携したMVNO(格安SIMを提供する事業者)のSIMカードや端末をドコモショップで販売する取り組みのこと。サブブランドを持たないドコモが、店頭で割安な料金を訴求するために生まれた仕組みです。
いずれのMVNOもドコモ回線を借りており、料金に対してdポイントの付与も行うため、ドコモ側には間接的な収入が入ってきます。ユーザーにとってのメリットは、ドコモ回線と同じような感覚で気軽にショップで契約できるようになることです。
LIBMOというMVNOを初めて知ったユーザーは多いかもしれません。それもそのはず、同社を運営するTOKAIコミュニケーションズは、静岡県を拠点にしています。同県では、ソフトバンクとLIBMOの併売店を展開しており、テレビCMなども放映しています。静岡県内では、比較的知名度の高いMVNOと言えるでしょう。一方で、IIJmioやOCN モバイル ONEと比べると、全国区での知名度は劣ります。
ただ、エコノミーMVNOに加わったことを機に、同社は販路を全国に広げていく形になります。2000店舗を超えるドコモショップを、ユーザーとのタッチポイントにできるのがTOKAIコミュニケーションズにとってのメリット。
同じくエコノミーMVNOとして展開しているOCN モバイル ONEやTONEモバイルと並び、一気にその知名度を高めることができそうです。同社のことを知らないユーザーに対してリーチできるのも、エコノミーMVNOに参画した理由と言えます。
それでは、LIBMOはエコノミーMVNOとして、どのような料金プランを展開していくのでしょうか。同社が売りにしているのが「通話定額」と、それをセットにした「ゴーゴープラン」です。LIBMOは、音声通話定額を5分、10分、完全定額の3種類用意。ゴーゴープランは、この音声定額に500MBのデータ容量をセットにしたプランです。
料金は「5分かけ放題セット」が1100円(税込)、「10分かけ放題セット」が1320円(税込)、「かけ放題マックスセット」が1980円(税込)です。
また、エコノミーMVNOとしてドコモショップで申し込むと、5分かけ放題セットが110円(税込)、10分かけ放題セットが220円(税込)、1年間割り引かれる「かけほ割」も用意しています。
これを加味すると、1年限定で5分かけ放題セットが990円(税込)、10分かけ放題セットが1100円(税込)まで下がります。2年目は料金が上がってしまいますが、音声通話を重視している人には、安価な料金プランと言えるでしょう。
ゴーゴープラン以外にも、通常のMVNOに近い料金プランを用意しています。それが、「なっとくプラン」です。こちらは、3GBが980円(税込)、8GBが1518円(税込)です。このなっとくプランにも、5分かけ放題、10分かけ放題、かけ放題マックスをオプションとしてつけることができ、5分と10分に関してはゴーゴープランと同様、ドコモショップで申し込んだ場合にかけほ割が適用されます。
このような特徴があるLIBMOは、やはり通話中心のユーザー向きと言えます。特にお得度が高いのはゴーゴープラン。なっとくプランの3GBや8GBは、他のMVNOを選ぶ手もありますが、通話定額がついてデータ容量が少ない安価な料金プランは、LIBMOの独自性と言えるからです。
同じエコノミーMVNOのOCN モバイル ONEも500MB/月コースを550円(税込)で展開していますが、こちらは月額935円(税込)で10分以内の国内通話がすべて無料で利用できる「10分かけ放題」をつけると1485円(税込)まで料金が上がります。
一方のゴーゴープランは、5分かけ放題なら1100円(税込)。OCN モバイル ONEと条件を合わせて10分かけ放題をつけたとしても、1320円(税込)で済みます。スマートフォンは使っているものの、どちらかと言えば電話としての利用が中心で、データ通信はあまりしないという人には、音声通話定額の選択肢が豊富なぶん、LIBMOをおすすめすることができそうです。1年限定ではありますが、かけほ割があることも決め手になります。
こうした特徴を鑑みると、LIBMOは現在、フィーチャーフォン(ガラケー)を利用しているユーザーに向けた料金プランとも言えるでしょう。
ドコモは、2026年3月に3Gサービスを完全終了する予定。ここに向けて、音声通話が中心のユーザーが徐々に4Gや5Gに契約を切り替えていきます。ただ、そのままドコモの料金プランに入ると、音声通話中心のユーザーには少々料金が割高になります。
エコノミーMVNOにLIBMOがラインナップされていることで、このようなユーザーの受け皿になります。3Gのサービス終了がもっとも遅く、依然として多数のユーザーを抱えるドコモならではの事情に沿った料金プランというわけです。エコノミーMVNOのラインナップを増やすことで、3Gから移行するユーザーを他社に逃がすのを防いでいるとも言えるでしょう。
ただ、注意点として、21日のサービス開始時点では、SIMカードを店頭開通できないことが挙げられます。これは、OCN モバイル ONEやTONEモバイルとの違いです。
具体的には、ドコモショップで申し込みしたあと、ユーザーの自宅にSIMカードや端末が届けられる仕組みを採用しています。初期設定などのサポートを受けたい場合、再度店舗を訪れる必要があり、二度手間になってしまうのが難点です。
ドコモとTOKAIコミュニケーションズは、店頭開通に向けた準備もしているようですが、現状では、契約直後から使えるようになるわけではないことは念頭におくといいでしょう。
(文・石野純也)
- Original:https://techable.jp/archives/187723
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:はるか礒部
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