【2022年人気アイテム総まとめ】
2022年には、望遠光学ズームレンズを搭載したスマートフォンや、耐水性能を備えたゲーミングスマホなど、さまざまな機種が登場しました。ここでは、トガった個性が特に印象的だったスマートフォンを5つピックアップして振り返りたいと思います。
1. 望遠光学ズームレンズ搭載「Xperia 1 Ⅳ」
ソニーの「Xperia」シリーズでは、ナンバリングの数字が小さいほど上位モデルであることを意味します。Xperia 1 Ⅳは、Proシリーズを除いた一般ユーザー向けの機種としては最上位のフラグシップに相当。Ⅳ(マークフォー)の名の通り、第4世代モデルです。
同機は5月に発表され、6月から大手キャリアで取り扱われ出しました。また、9月にはオープンマーケット向けの販売も始まり、専用のゲーミングギアとのセットである「Xperia 1 IV Gaming Edition(XQ-CT44-KIT)」も用意されるなど、通年して話題に事欠かなかった1台でもあります。
同機の特徴として、主に注目したいのは2点。
1つ目は、スマートフォンでありながら、背面カメラのひとつとして望遠光学ズームレンズを搭載したこと。従来機の「Xperia III」でも、35mmフィルム換算の焦点距離で70mmと105mmを切り替える可変式望遠レンズが搭載されていました。しかし、Xperia 1 IVでは、85mm〜125mmまでの倍率を調整できる光学ズームが実現しました。
2つ目は、「Music Pro」アプリに対応したこと。このアプリを使うことで、スマートフォンのマイクで、歌声や楽器の演奏などを綺麗に(残響やノイズなどを低減して)録音できます。580円の月額料金がかかる点には留意が必要ですが、「スマートフォンのマイクが録音用のマイクになる」というソニーらしい新しいアプローチが印象的な1台でした。
2. ボケ補正がユニーク「Pixel 7 Pro」
Google製のスマートフォン「Pixel」シリーズからは、10月に発売された「Google Pixel 7 Pro」に注目。ProのつかないPixel 7もありますが、今回は背面カメラに望遠が備わっているProの方をピックアップ。
この望遠カメラは解像度48MPで、最大30倍のズームに対応しているのがポイント。ズームの倍率を上げてもノイズが目立ちにくく、カメラスマホとして評判が良い一台です。なお、実は超広角カメラに関しても、7 Proではオートフォーカスなどに対応しているなどのメリットがあります。
また、同シリーズは従来から、オンデバイスAI(=端末に内蔵されたAI機能で、使用するのに通信を必要としない)を生かした機能が盛りだくさんでしたが、Pixel 7/7 Proではこうした機能がさらに伸ばされている印象がありました。
例えばカメラ機能では、ピントが甘い画像に対して「ボケ補正」を適用することで、明瞭な状態に変換できるようになりました。うっかりブレてしまった大事な1枚を救済できるという点で、心強い機能と言えるでしょう。ソフトウェア処理の巧みさやユニークさという点で、Googleらしさが存分に発揮されています。
また、今年のPixelシリーズは、Googleストアにて太っ腹な下取りや還元キャンペーンが実施されたことも話題になりました。Pixelシリーズの旧モデルを持っていたユーザーからすれば、コストパフォーマンスの高さでも注目された端末だったとも言えます。
3. Sペン内蔵「Galaxy S22 Ultra」
こちらは4月に発売されたモデルなので、22年後半にはあまり話題に上がっていませんでしたが、通年で考えると「Galaxy S22 Ultra」は「Sペン」を内蔵するGalaxy端末として見逃せない1台。製品名のブランディングは「S」シリーズになっていますが、従来の「Galaxy Note」シリーズの実質的な後継と考えて良い端末です。
同機では、本体左下にSペンを収納でき、手書きメモや各種ショートカット操作などに活用できます。こうした使い勝手は、これまでNoteシリーズを使ったことがある方ならお馴染みですね。
また背面カメラについても、広角(約1億800万画素)、超広角(約1200万画素)、望遠3倍(約1000万画素)、望遠10倍(約1000万画素)という構成で充実しています。特に望遠カメラについては、デジタルズームを合わせて最大100倍まで対応。多彩なシーンを撮影しやすい端末としても、魅力を発揮していました。
4. より洗練されたフォルダブル「Galaxy Z Fold 4」
フォルダブル(折りたたみ)スマホ定番の選択肢である「Galaxy Z Fold」シリーズも、今年で4世代目を迎えました。9月に発売された「Galaxy Z Fold 4」には、フォルダブル黎明期のような物珍しさこそ感じなくなってきましたが、よりスマートなデザインが追求され、機能面でも細かい部分が洗練されてきたことで、端末としての魅力は少しずつ増している印象を受けます。
例えば背面のメインカメラは約5000万画素になり、ピクセルサイズも1.8から2.0μmへとアップするなど、「S」シリーズと比べてもさほど引けを取らない仕様が増えてきて、「フォルダブルだから画面が曲がる」だけではなく「フォルダブルだけど、ほかも高性能」と言いやすくなりました。
ちなみに、OS面では、タブレットやフォルダブル向けの「Android 12L」が登場。画面下部の「タスクバー」と呼ばれる欄にアプリアイコンが小さく表示されるようになりました。こうした視点で、2022年はフォルダブルスマホの操作性に少し変化があったタイミングでもありました。
5. 耐水性能を備えた「ROG Phone 6」
ゲーミングに特化した端末としては、10月に発売されたASUSの「ROG Phone 6/6 Pro」に注目です。同シリーズは、横持ちした際の上側の側面(縦持ちした際には右側側面)に超音波式のタッチセンサーが備わっており、タッチ操作を割り当てることができるのが特徴。「L」「R」ボタンを押すような感覚で複数の操作が使えます。
そして同機で特筆すべきは、排熱性が重視されるゲーミングスマホでありながらも、IPX4の耐水性能を備えたこと。これによって普段使いの安心感が増したことは見逃せません。
特に予算を抑えつつゲーミングを楽しみたい人が注目すべきなのは、下位のROG Phone 6。こちらも画面のリフレッシュレートは165Hz対応、応答速度は1ms、HDR10+対応で上位と差はありません。仕様によほどのこだわりがなければ、こちらで十分満足できるでしょう。冷却装置や、コントローラー、ワイヤレスイヤホンなど、周辺機器も充実しています。
* * *
物価高のご時世で、なかなかハイエンドの端末に手が伸びにくいタイミングではありますが、こんな尖った端末ならば、ついつい食指が動くかもしれませんね。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter
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