Webサイトや動画サイトで見かける「ネット広告」に対して、マイナスな印象を抱く人が多いといいます。なぜ人々はネット広告を嫌うようになったのでしょうか?
今回は、広告事業を行っている株式会社ナハト代表取締役の安達友基氏に、ネット広告が嫌われるようになってしまった理由と、成功させるポイントを解説していただきました。
ネット広告が消費者に嫌われてしまった理由
日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の調査によると「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」「いかがわしい/怪しい」という印象が、TVCMや新聞広告等は約2.9〜12.1%となっています。
これに対して、ネット広告は約14.6〜37.8%という数字を示しており、消費者がネット広告にネガティブな印象を持っていることがこの調査で分かりました。
出典:一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
嫌われるようになってしまった理由は「粗雑なマーケターが増加したことで粗雑な広告が増えた」ことだと私は考えています。
ネット広告の大きな特徴は「デジタルの力で広告の良し悪しを数値計測できること」「PCやスマートフォン1台で広告を作成できること」です。
しかし、一部に存在する粗雑なWebマーケターは「工数かけずに大量に作れて、すぐに結果が分かる」という利点だけを重視して、商品の世界観や特徴を考えず、モラルに触れる粗雑な広告も含めて大量に出稿して、良し悪しを検証しているケースも少なくありません。
そうした粗雑な広告の出稿が増えた結果、受け手側である消費者がネット広告に対して嫌悪感を抱くようになったと考えられます。
ネット広告を成功させるための考え方「ファンダメンタルズマーケティング ✕ テクニカルマーケティング」
ネット広告に嫌悪を抱く消費者が増えていく中で、受け入れられやすい形を作りつつ広告を成功させるには「ファンダメンタルズマーケティング ✕ テクニカルマーケティング 」の考え方を取り入れて広告を作成することが重要です。
ファンダメンタルズマーケティングとは、広告を作成する準備段階のことで、ここでは主にペルソナ(購買人物像)やインサイト(購買要因)を分析して顧客との関わり方を設計します。
一方、テクニカルマーケティングは、最終の施策実行段階であり、Web広告のクリック率や購入サイトへの遷移率、購入率、検索キーワードなどの数値的なデータから、顧客に対して足元でどんな施策をするかといった段階となります。
大量に気軽に作れてすぐに結果が分かるといったネット広告の構造上、粗雑な広告を作るマーケターの中には、ファンダメンタルズの準備段階を踏まずに、実行段階であるテクニカルの部分から広告制作を行っているケースが多いと感じます。
これにより、粗雑な広告に仕上がってしまい、依頼主は成果を得ることができません。
そのため、ナハトではファンダメンタルズの準備段階に当たる、商品理解などのリサーチにかなり時間をかけており、早速広告を量産するのではなく「商品の価値をどのように打ち出したら、良い広告になるのか」といった点を考慮しながらマーケティングを実施します。
ネット広告の効果をさらに高める手法「インフルエンサー広告」
さらにナハトでは「ファンダメンタルズマーケティング ✕ テクニカルマーケティング」の考え方と掛け合わせて、現在企業の広告手法として注目されている「インフルエンサー広告」をクライアントに提案をしています。
提案する理由は、この広告のメリットである「商品やブランドの世界観を保ちながら、嫌悪感を与えにくい広告が打てる」ことが今の消費者に有効と考えられるためです。
例えば、ハイブランドコスメのPRを行う際に、高級イメージで訴求したいのであれば、同年代の女性が憧れるトップモデルのインフルエンサーを起用することが有効ですし、ドラッグストアで購入できるコスメのPRなら、プチプラ商品を紹介する10代のインフルエンサーを起用するのが良いでしょう。
インフルエンサー広告においても、ファンダメンタルズマーケティングの考え方に沿って、起用するインフルエンサーの属性を揃えることが重要となります。
商品やブランドのイメージに合った人物からの情報発信の実現によって、消費者に違和感や嫌悪感を与えることなく広告を発信することができるため、ナハトではクライアントにインフルエンサー広告の活用を提案しています。
インフルエンサー広告を成功に導く企業を選ぶために
また、ある調査によると、インフルエンサー広告の市場規模は2020年から右肩上がりになると予測されており、今後インフルエンサー広告を行う企業は増えていきます。
出典:サイバー・バズ
その中で、結果の出せるインフルエンサーマーケティング企業を選定するには「商品に合った企画」と「インフルエンサーに合った企画」の両軸を保てる企業を選ぶことが重要です。
例えば一部のインフルエンサー広告に知見のない企業の中には、ブランド側が望まない形で企画を組んでしまい、消費者にとっては面白いけれどブランドやインフルエンサーのイメージが損なわれる形になってしまうアサインを行ってしまうなど、商品は売れても広告に携わる関係者の誰かが損をしてしまう施策を行ってしまうケースも少なくありません。
ナハトでは「価値が循環する三方良しのマーケティング」という考え方を持っており、広告に携わる全ての企業や消費者にとって、価値が循環するマーケティングを目指しています。
インフルエンサー広告を活用したマーケティングを行なう際は是非ご検討ください。
<著者プロフィール>
安達友基
株式会社ナハト 代表取締役
1993年生まれ、東京都世田谷区出身。中央大学法学部に入学後、NY留学中にビジネスの現場に触れたことをキッカケに
21歳の時にインフルエンサー事業を立ち上げる。
卒業後、そのまま事業を法人化するかたちで「株式会社ナハト」を創業。順調に事業を拡大させていき、2020年には同社を渋谷マークシティに移転。
売り上げ高も83億円に拡大し、現在は広告に加えてECや海外事業に注力している。
- Original:https://techable.jp/archives/188854
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:Techable編集部
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