胴体接着後に気づいた窓の付け忘れ!ちょっとピンチ!【達人のプラモ術<SH-60B シーホーク>】

【達人のプラモ術】
ウルフパックデザイン
1/48 SH-60B シーホーク
HSL-51 'ウォーローズ'
(プレミアムエディション)
02/04

さて2023年のお正月も開け、初詣よりも先に模型店詣を済ませて、初プラモ爆買いを済ませた達人であります。はたまたこの春に向けての新製品情報も次々と発表されて、今年も豊作(プラモ的に)だなぁ頑張らにゃアカン! と鼻息を荒くしております。という事でSH-60Bシーホークの製作第2回スタートです!(全4回の2回目/第1回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!@Modelart_MOVIE」も配信中。

■エッチングパーツで機体をディテールアップ

前回製作したコクピットを胴体に組み込んで接着。上面と下面の接合線を丁重に消していきます。ベースキットが古いこともあってパーツの嵌合性が良いとは言えず、各部に段差や隙間が生じてしまうのでパテを使い丁重に修正します。

キットには、イタレリ製のSH-60Bのキットをベースにエッチングパーツとレジンパーツが追加されており、より密度感のあるディテールを再現できる仕様に。

エッチングの追加装甲板やアクセスハッチなどを機体各部に貼り込んでいくのですが、大きいサイズとなると機体の微妙な曲面にエッチングを馴染ませるのがなかなかに大変。

事前に粘土細工用のスパチュラ(スプーンの曲面部分でも代用可能)を使い、エッチングパーツをしごいてクセを付けると馴染ませやすくなります。接着は瞬間接着剤を使いますが、貼り付けた後の位置修正がしやすいゼリー状がオススメです。

▲キット付属のエッチングパーツ。大判の外板やアクセスハッチ類、さらに機体各部に設けられた開口部のメッシュなどをリアルに再現できる。切り出しはデザインナイフを使っている

▲垂直尾翼の一部は、キットをカットしてレジンパーツに置き換えることで、より精密感がアップ

▲機体各部にエッチングパーツを貼り付けた状態

▲機体左側のソノブイ射出口のカバーをはじめ大判のエッチング板で再現された外板は、機体の曲面に馴染むように事前にRをつけておく

▲エッチングパーツを曲面加工する場合、粘土細用のスパチュラを使うとやりやすい。スプーンの背やボールペンのキャップなど先端が丸いものでも代用できる

▲機体下面はパーツの合わせ目に段差が生じるため、パテで修正する必要がある(グリーンの部分)

▲今回は、乾燥後に肉痩せしにくいフィニッシャーズのグリーンパテを使用。オレンジの線で描いてある部分はソナードームを取り付けるので、パテを削らなくても大丈夫

 

■機内とクリアーパーツのマスキングがキモ!

ヘリの特徴として、一般的な飛行機プラモと比べて、胴体を組み立てた後の開口部が多い…、つまりコクピットや胴体キャビンなど開口部分が大きく多いという特徴があります。

戦闘機ならばマスキングも大抵は簡単なのですが、ヘリの場合はコクピットもカーモデルのように大きなキャノピー、さらには胴体のキャビンにも大型の観測窓があり、そこにもクリアーパーツを組み込まなくちゃいけません。

当然ながら、機体の塗装の前にコクピット内部やキャビン内部、さらにキャノピー他クリアーパーツをマスキングしておく必要があるのですが、これが意外に大変。しかしマスキングを疎かにすると機体内部の塗料のミストが入り込んで後で泣くことになります。これがヘリプラモは難易度が高いと言われる理由のひとつだと思います。

▲コクピット、胴体内キャビンと言った開口部をしっかりとマスキング

▲内部にはミストが入り込まないようにカットしたキムワイプ(カットしても細かい繊維が出ないウエス)を詰め込んでからマスキングテープで開口部を塞いでいる

▲破いたりしても細かな繊維が生じないので、筆の塗料拭き取りなどに使用しているキムワイプ。今回はマスク材として使用。模型店やホームセンターで購入できる

▲キットにはキャノピー専用のカット済みマスキング材が付属しているのがありがたい

▲マスキング後、サーフェイサーで下地塗装をした状態

 

■問題発生! ちょっとピンチ

キットのクリアーパーツは胴体を組んだ後に取り付けられる仕様になっているんですが(これ、ヘリプラモでは大変にありがたい仕様なんですよ)、この製品は胴体キャビンの窓のみが胴体にコクピットを組み込む前に内側から接着しておく仕様になっていたんですねぇ。左側はスライドドアが別パーツになっているので問題ないのですが、右側は…、いや付け忘れちゃいましたウインドウパーツ。

説明書に先に取り付けるとか指示されてないじゃん! とか言い訳してもあとの祭り。胴体はガッチリと接着されております。

ムムムこりゃ困ったなぁと思いつつ、現実逃避…ではなくて機体の塗装後に開口部の広い左側から、なんとか取り付けられるだろうと考えて作業を先に進めます。

▲機体右側、胴体キャビンの窓部分にはクリアーパーツの窓のみ胴体の接着前に内側から接着しておかなくてはいけなかったのを忘れて、どう対処するか現在悩み中

▲キャビンドア窓のクリアパーツ以外は外付け仕様なので問題なし。ただし胴体との嵌合性はあまり良くないので擦り合わせが必要だ

 

■難易度高し! キャノピーの接着

キャビンのクリアーパーツ付け忘れにめげていても仕方がないので粛々と作業を進めます。

さてコクピットのキャノピーは大型のクリアーパーツを取り付けるのですが、胴体側との嵌合性がよろしくなく、機体の塗装前に接着して段差の修正をする必要がありました。

これがクセもの。段差修正もですが、キャノピーを含めてクリアーパーツを先に取り付けた場合、マスキングを完璧にしておく必要が生じます。わずかでも隙間があると、エアブラシを使った機体塗装の際に塗料のミストが入り込んで、静電気によってクリアーパーツの裏側に付着してしまいます。

ミストは綿棒でこすればカンタンに落とせるのですが、密閉しちゃったコクピットには綿棒が入りません。ミストの付着には過去何度も泣かされているので、コクピットのマスキングは要注意ポイントです。

▲コクピットを覆うキャノピーは接着後に胴体と隙間が生じてしまうので修正が必要(次回解説)

▲コクピットのルーフ部分のキャノピーはクリアーグリーンなので、事前に裏側から塗装しておく

▲キャノピーパーツは取り付け前に裏側から模型用のツヤ出し剤のコーティングポリマーを塗布しておくと静電気による塗料ミストの付着を抑えられる。使用したのはハセガワ「コーティングポリマー」(1320円)

▲機体のサーフェイサー塗装の乾燥時間待ちを利用して、メインローターも組んでみた

▲ローターブレード折りたたみ状態も再現できる

*  *  *

さて今回はここまで、次回はいよいよ機体の塗装を行いますよ!

ウォーローズの派手な塗装でモチベーションアップ! 完成を目指します。あっ、付け忘れたクリアーパーツも何とかしなくちゃイカンですね(泣)。お楽しみに!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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