ヘリらしい外部装備品を仕上げて「SH-60B シーホーク」完成!【達人のプラモ術<SH-60B シーホーク>】

【達人のプラモ術】
ウルフパックデザイン
1/48 SH-60B シーホーク
HSL-51 'ウォーローズ'
(プレミアムエディション)
04/04

第4回目となる今回は、機体各部の装備や4枚ブレードのローターを取り付けて、SH-60Bシーホークいよいよ完成です!

戦闘機では翼に搭載されたミサイルや爆装が魅力。SH-60は対潜哨戒任務もこなす機体なので、機体内部のソノブイや外部に装着されたMAD(磁気探知装置)や対潜ヘリ用の短魚雷といった独自の装備が模型的な大きな魅力となります。(全4回の4回目/1回目2回目3回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!@Modelart_MOVIE」も配信中。

 

■へりはいいぞぉ!

さて機体の塗装やマーキング、キャノピー等も取り付けが完了したことでモチベーションもさらにアップ! 完成間近ではあるのですが、まだまだ気が抜けません。

そう! ヘリは戦闘機のプラモデルに比べると機体外部の装備品が多いんですよ。そこがまた魅力のひとつではあるんですけどね。例えばワイパーといった装備は飛行機ではあまり見かけません(装備している機体もありますが)。あとはコクピットはドアが付きます。今回もそんなヘリプラモの魅力をたっぷり紹介していきます!

 

■ワイパーはエッチングパーツでリアルディテールを再現

大型のキャノピーには、大型のワイパーが装着されています。哨戒任務では視界が大事ですから、当然の装備です。

元となるイタレリのパーツではプラでワイパーが再現されていますが、いささかディテールが大味で実感に欠けます。なのでこのキットは、エッチング製のワイパーに交換せよと指示がされています。

極細のエッチングパーツを組み合わせて、さらにブレード部分を90度曲げて機体に取り付けるのですが、これがなかなかに難易度の高い作業になります。エッチングパーツは不用意に曲げてしまうと、歪みが出てしまうので取り扱いは気を使います。機体への取り付けは瞬間接着剤を使いますが、やり直しが効かないのでドキドキものです。

▲ワイパーはエッチングパーツを使うことでリアルに再現できる。極小のアームとブレードの2つのパーツを組み合わせて製作する

▲組み上げたエッチング製ワイパーがこちら。塗装してから機体に接着する

▲キット本来のプラ製ワイパーがこちら。ディテールは精密なエッチング製と比べるまでもない

続いてバックミラー。ヘリの場合、大型トラックみたいにステーで外側に大きく張り出したバックミラーが取り付けられています。ステーが細く折損しやすいので、これも取り扱いは要注意です(作例のミラーは初めからステーが折れていたので、一部を真ちゅう線で自作しました)。

▲コクピットの両側に大きく外側に張り出したバックミラーもヘリならではの装備

対潜ヘリらしい装備として、機体右側のスポンソンに搭載されるMAD(磁気探知装置)を取り付けます。実機はワイヤーで曳航して(自機の金属や電子機器からの干渉を防ぐため)、海中に潜む潜水艦の磁気を探知します。

▲MAD(磁気探知装置)本体の赤と黄色の派手な塗り分けはデカールで再現

 

■コクピットドアを開けてコクピットを見せる

コクピットの左側はドアが胴体と一体成型されていますが、右側は別パーツ化されており、開けた状態も再現できるようになっています。コクピット内部がよくできているので、ここはやはり開けたいですよね。

とはいうものヒンジ部分はエッチングパーツで再現されているため、そのままドアを開状態にしても強度が確保できません。作例では03ミリの真ちゅう線でドアと胴体を繋ぐことで強度を持たせています。ドアを開けたことで、機首周りの密度感がぐっとアップするので、手間はかかりますがオススメの工作です。

さてドアと言えば、胴体左側のキャビンには大型のスライドドアが装備されています。キャビン内部もよくできているので、こちらもぜひ開けた状態を再現したいですね。キットは開状態と閉状態を選択できるようになっています。スライドドアは位置修正が楽にできるように両面テープで機体に貼り付けています。

▲片側のみだが、コクピットのドアを開けたことでヘリらしさがより強調されて、作品の密度感がアップ

▲スライドドアは、両面テープで機体に取り付けると位置修正が簡単にできる

 

■ローターは折りたためるのだけれど…

へりといったら大型の回転翼が特徴なワケでありますが、SH-60はメインローターが4枚ということもあって、そのまま組んでしまうともかく縦横に場所を取ってしまうのですよ(2枚ローターだと良かったんですけどねー。作品の収納スペースはモデラー共通の悩み)。

前回紹介したように、キットのローターブレードは折りたためるようになっていますが、実は実機のようにはたためないことが分かりました。

以前製作した1/35のSH-60を見てもらうと分かるのですが、実機のローターブレードは機体後部に重なるように折りたたまれるのです。

▲以前制作したキティホーク製1/35SH-60ウォーローズ仕様。ローターブレードは2枚ずつ重なるように折りたたまれて、専用のステーで固定される

本キットのブレードはヒンジの関係でそこまで曲がらない…。実機と違うのは悩ましいところではありますが、完成後の収納等を考えて、あえてキットの折りたたみのギミックは残しました。展示の際は展開した状態となります。

▲キットのローターはヒンジの構造の関係で手前側の2枚がこれ以上下がらないため、実機と異なるフォルムになってしまう

▲メインローターを展開した状態。自重で下がったブレードが良い感じだ

 

■ところで付け忘れた窓パーツはどうなった?

えーっとですね、胴体の組む際に、事前に内側から取り付けておかなくてはいけなかったキャビン左側のクリアパーツですが、いろいろやってみたんですが、キャビン内部のパーツが干渉してしまい、後付けは困難でした。そこでクリアパーツを削って外からはめ込むしかない! とやってみたらパーツと窓の形状が合わないという事実が発覚。ムムムのム!

これは困ったということになり、透明プラ板から自作するしかないとなったんですが、ぶっちゃけ作業が間に合いませんでした。なので作例は窓無しのままです。ごめんなさい。

後日、窓の自作が完成したら改めてご報告します。

▲キャビン左側、オペレーター席の窓ガラスが(今のところ)ありません…

 

■何はともあれSH-60Bシーホーク

組み上げたメインローターとテールローターを機体に取り付けて、SH-60Bシーホーク HSL-51ウォーローズ仕様の完成です(暫定)。

個人的意見ではありますが、ヘリのプラモって完成すると思っていた以上に存在感があるんですね。だから飛行機以上にハマるんだと思います。

以前にも書きましたが、現状ヘリのスケールキットは海外メーカー製がほとんどなので、その点でもライトモデラーはか手を出しにくいかもしれません。でも作ってみると実に面白いし作り応えもあるので、ぜひ一度チャレンジしてみて欲しいと思います(製作の際には窓の取り付けを忘れずに…)。

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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