M2 Pro搭載の14インチMacBook Proの分解レポート動画をiFixitが公開しました。今回の分解レポートは従来とは趣きが異なり、Appleが公開している修理マニュアルに沿って分解して、作業のわかりやすさを検証しています。
M1 Pro搭載MacBook Proとほぼ全く同じ
Appleが現地時間1月17日に発表しアメリカなどで1月24日に販売を開始した(日本では2月3日販売開始予定)、M2 Pro搭載の14インチMacBook Proの分解動画をiFixitが公開しました。
iFixitは、M2 Pro搭載MacBook Proと、2021年に分解したM1 Pro搭載MacBook Proの内部構造を比較し、ロジックボードのチップレイアウトが若干変更された以外、ほぼ全く同じだと指摘しています。
Appleの修理マニュアルを検証!
そこでiFixitは、Appleが修理用工具や交換用部品を提供する「セルフサービス・リペア・プログラム」の対象として、2022年8月に追加されたMacBook Pro(2021年モデル)用の修理マニュアルに沿って分解し、Appleのマニュアルのわかりやすさを検証しています。
なお、Appleは「セルフサービス・リペア・プログラム」の提供地域を2022年12月にヨーロッパに拡大していますが、同サービスは日本ではまだ提供されていません。
Appleの修理マニュアル、概ね高評価も問題も指摘
Appleが公開しているMacBook Proの修理マニュアルは、総ページ数が約160ページというボリュームです。
Appleの修理マニュアルを見ると、使われているネジは32種類、必要とされている工具は39種類にのぼります。ボトムケースに取り付けられたバッテリーを交換する場合、これらの工具を全て使用することになります。
iFixitはAppleの修理マニュアルについて、部品の名称や番号が記載されているなど、分かりやすいことを高く評価する一方で、トラックパッド用のフレキシブルケーブルをケースの外側に出しておくよう指示していることを「MacBook Proを間違って落とす原因になるし、うっかり画面を閉じた際に損傷の原因になる」と批判しています。
細部に宿る、Appleの完璧主義
ロジックボードを取り外す作業には、23ページが割かれています。分量は多いですが、手順を追った分かりやすい説明があります。
冷却ファンを固定している6本のT3トルクスネジは、同じものに見えますが長さがそれぞれ異なるため、細心の注意が必要です。
トラックパッドとTouch IDセンサーの位置合わせに使うツールは紙1枚程度の薄さしかなく、「Appleの完璧主義を感じられる」とiFixitはコメントしています。
ロジックボードに紐付けられたパーツは「リスク」
MacBook Proのフタの角度センサーは、ロジックボードとペアリングされており、交換するにはAppleにシリアルナンバーを連絡して取り寄せる必要があります。
このようにサードパーティーの部品を使うことができず、Appleのエコシステムに縛り付けられていることについてiFixitは、Appleによる「計画的陳腐化」でサポート対象外となった場合に修理ができなくなるリスクになる、と批判しています。
修理しやすさは10点中5点
iFixitは、Appleのマニュアルのおかげで修理がだいぶしやすくなっている、としてM2 Pro搭載MacBook Proの修理しやすさを10点満点中の5点と評価しています。これは、M1 Pro搭載の14インチMacBook Proの4点よりも高いスコアです。
Appleは近いうちにM2 Pro/M2 Max搭載MacBook Proの修理マニュアルも公開すると見られます。
なお、iPhone14は外見はiPhone13とほとんど同じですが、内部構造は大きく変化しており、iFixitが「iPhoneとして史上最高の修理のしやすさ」と絶賛しています。Appleが「修理する権利」に配慮し、設計を変更したのではないかと見られます。
動画はこちら
iFixitが公開した、M2 Pro搭載14インチMacBook Proの分解動画はこちらでご覧ください。
Source:iFixit/YouTube, Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-521022/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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