多様化する嗜好に合わせて選択肢が多彩になった炊飯器6選【GoodsPress AWARD 2022】

【GoodsPress AWARD 2022】

機能、デザインはもちろん、革新性、コストパフォーマンスなど、さまざまなアプローチで我々を刺激したアイテムを表彰する年末恒例「GoodsPress AWARD」。各ジャンルの識者が厳選した“2022年の顔”をぜひチェック。

年々技術が進化し、よりおいしいご飯を炊けるようになった炊飯器。歴史のあるメーカーが王道的な進化を追求する中、新たな炊飯技術や使い方を提案する機種も増加。多様化が一層進み、嗜好に合わせて選べるようになってきた。

※2022年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号50-51ページの記事をもとに構成しています

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ご飯をよりおいしく炊けるだけでなく、銘柄や好みの食感に合わせた炊きわけ、高度な保温技術など、高機能化が進む炊飯器。2022年も各社から圧力IH採用モデルを中心に新作が続々と登場したが、家電プロレビュアーの石井和美さんによると、独自の方向性を打ち出すものも増えているそう。

「ティファールが遠赤外線と高火力IHで加熱する製品で新規参入したり、バルミューダが蒸気炊飯方式を採用するモデルの後継機を出したりと、独自路線を打ち出すものが目立ってきました。また、保温機能を搭載しないものも増えていますね」

そんな中で石井さんが「すべてのレベルが高い」と評価したのが、タイガーの「土鍋ご泡火炊き JPL-S100」だ。

「各社の上位機種をいろいろ試した中でも、特においしく炊けていると感じた1台。基本の炊飯機能だけでなく、少量炊きや保温機能も便利で、全体のバランスが優れていると思います」

家電プロレビュアー 石井和美さん
調理家電や生活家電、日用品のお役立ちグッズなどを中心に製品レビューを得意とし、Webや雑誌で多数執筆。2018年より家電をレビューするための一軒家「家電ラボ」を開設し、幅広い家電に触れている

 

【調理家電部門 炊飯器】

【総合大賞】

1. 土鍋炊飯や細かな炊きわけ機能で味も使い勝手も極める!

土鍋の特徴をうまく引き出している印象で、甘さや弾力感、つや、香りがいいご飯を味わえます。おにぎり用に炊いてもおいしいですし、おこげも作れる。操作メニューもわかりやすいです(石井さん)

タイガー
「土鍋圧力IHジャー炊飯器<炊きたて>土鍋ご泡火炊き JPL-S100」(実勢価格:11万5000円前後)

かまど炊きの仕上がりを再現した5.5合炊きの圧力IH炊飯器。蓄熱性の高い内鍋に本体底の遠赤土かまどで熱を伝え、最高温度約280℃の高火力を長く保ち、甘みや粘りのあるご飯に炊き上げる。おひつのように湿度を保つ保温機能も搭載。炊きわけ機能も充実している。

 

▼「青天の霹靂」が上品な甘みに炊き上がる!

銘柄巧み炊きわけ機能を使って、青森のお米「青天の霹靂」を炊いてみると、シャッキリとした食感になる。適度な甘みを感じられ、粒立ちも良く、特徴をしっかりと引き出せている。

▲1合以下を炊く場合も均等に熱が伝わるように専用の土鍋中ぶたが付属。少量のご飯でもしっかり米の甘みを引き出す

▲内鍋は蓄熱性に優れた四日市萬古焼の土鍋を使用。一般的な土鍋の2倍以上の強度を持ち、万一に備えて5年保証も用意

▲全70銘柄の米に対応した炊きわけや食感炊きわけ、麦めしや玄米用のメニューなど、多彩な炊飯機能を搭載している

 

【どこでも最適炊飯賞】

2. 水の硬度に合わせてバランスよく炊き分け

水の硬度に合わせて調節する技術がユニーク。基本的に粒立ちが良く、甘さがある炊き上がりです。味や香りを保つ保温機能も便利です(石井さん)

東芝
「真空圧力IHジャー炊飯器 RC-10ZWT」(実勢価格:12万円前後)

水の硬度に合わせて炊き分ける機能を備えた5.5合炊きモデル。1420Wの大火力と回転を切り替える熱対流で、内釜全体を高温で均一に加熱し、ふっくらと炊き上げる。66銘柄対応の炊き分け機能や5段階の食感炊き分け機能も搭載。

▲上:見やすいカラータッチ液晶を採用 下:水の硬度を設定すると粘りと硬さをバランス良く調節。硬度は区分選択や数値設定、都道府県からも選べる

 

【かまど炊き再現賞】

3. かまど炊きの仕上がりを追求した50周年記念モデル

圧力をかけず、大火力で炊き上げる独自路線を採用。シャッキリとした炊き上がりで、米の銘柄ごとの香りも感じられます(石井さん)

三菱電機
「本炭釜 紬 NJ-BWD10」(実勢価格:12万円前後)

同社のジャー炊飯器50周年記念モデル。かまどご飯を研究し、圧力をかけず高火力で炊き上げる方式を採用。噛みごたえのあるもちっとした甘いご飯が炊ける。50銘柄の炊き分け機能や0.5〜2合向きの少量炊き機能も搭載。5.5合炊き。

▲本炭釜の内釜を全方向から包むように加熱する方式。米の甘みを引き出し、もちっとした食感に仕上げる

 

【実力派ニューカマー賞】

4. 遠赤外線と高火力IHでうま味を凝縮したご飯に炊き上げ

遠赤外線を利用した独自の加熱方式で、さっぱりした印象のご飯に炊き上げます。カレーや炒飯が好きな人におすすめの機種です(石井さん)

ティファール
「ザ・ライス 遠赤外線 IH炊飯器 5.5合」(実勢価格:6万3000円前後)

蓋から遠赤外線を放出し、米ひと粒ずつに熱を届ける独自方式を採用。高火力IHとの組み合わせで、ハリと甘みがあり、うま味を凝縮したご飯に炊き上げる。白米や玄米など5種の炊飯モードに加えて、寿司めしや冷凍ご飯などに向いたメニューも用意。

▲蓋の内側から放出される遠赤外線は、米粒に熱をしっかり伝えて浸透させる性質があり、米の芯から加熱してハリや甘みを引き出す

 

【見た目も味も秀逸賞】

5. ふたつの釜で粒立ちのよさと甘みを両立

前モデルから温度制御などが進化。保温機能は非搭載ですが、みずみずしくさっぱりとした、おかずに合わせやすいご飯が炊けます(石井さん)

バルミューダ
「BALMUDA The Gohan K08A」(4万9500円)

蒸気による独自の炊飯方式を採用したモデルの後継機種。内釜と外釜のふたつを用いて、外釜に入れた水を加熱して発生する蒸気の力で炊飯し、シャッキリとしたご飯に炊き上げる。4種の炊飯モードを搭載。3合炊き。

▲蒸気を使い、釜の側面だけでなく、全方向から均一に熱を伝える。内部で米が動かず米粒の傷を防ぐ効果もある

 

【小さくても万能賞】

6. 小型サイズで5合まで炊けて圧力調理や無水調理にも対応

5合炊きなのにすごくコンパクトなので、置き場所に困りません。ご飯もみずみずしさを感じられるおいしい炊き上がりです(石井さん)

パナソニック
「圧力IHジャー炊飯器 SR-NA102」(実勢価格:4万7000円前後)

同社の3合炊きモデル(SR-JX508)より設置面積が小さいコンパクト設計が特徴。味にもこだわり、高温で米を芯まで糊化して、冷めても硬くなりにくいふっくらご飯に炊き上げる。内釜には熱伝導に優れたダイヤモンド竈(かまど)釜を採用。

▲7種の自動調理メニューや手動調理機能も搭載。カレーなどの煮込み料理からローストビーフなどの低温調理、ケーキまで多彩なメニューを作れる

>> 特集【GoodsPress AWARD 2022】

<取材・文/高橋智 写真/湯浅立志(Y2)>

 

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