総務省は2023年2月9日、オンライン形式で「5Gビジネスデザインワーキンググループ(第3回)」を開催しました。
同ワーキンググループには、国内4キャリアの担当者が参加。5G基地局の整備状況などが報告されたほか、ミリ波の普及が大幅に遅れているという現状が示されました。
国内で5Gのミリ波は普及が遅れている
ワーキンググループが公開した資料によると、5G全体の国内人口カバー率は、2022年3月末現在で93.2%に達しています。
しかし、5G人口カバー率の内訳としては、ローバンドおよびミッドバンドの寄与が最も大きく、次いでSub6、ミリ波については、4キャリアともに人口カバー率が未だに0.0%と普及の遅れが目立っています。
5G人口カバー率
ドコモ | KDDI | ソフト バンク |
楽天 モバイル |
|
---|---|---|---|---|
700MHz (ローバンド・ミッドバンド) |
– | 55.5% | 90.7% | – |
1.7GHz (ローバンド・ミッドバンド) |
– | 0.0% | 83.9% | – |
3.4GHz/3.5GHz (ローバンド・ミッドバンド) |
0.0% | 30.1% | 52.8% | – |
3.7GHz (Sub6) |
15.4% | 2.4% | 14.3% | 12.6% |
4.0GHz/4.5GHz (Sub6) |
31.8% | 0.0% | – | – |
28GHz (ミリ波) |
0.0% | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(2022年3月末現在)
一方、帯域別の5Gトラフィック量(通信量)については、Sub6が最も大きく、次いでローバンドおよびミッドバンド、ミリ波は5Gトラフィック量全体のわずか0.2%と、やはり普及の遅れが目立つ内容となっています。
帯域別の5Gトラフィック量
700MHz-3.5GHz帯 (ローバンド・ミッドバンド) |
3.7-4.5GHz帯 (Sub6) |
28GHz帯 (ミリ波) |
---|---|---|
37.1% | 62.6% | 0.2% |
(2022年3月末現在)
このように、普及の遅れが目立つミリ波ですが、果たして2023年モデルiPhone15シリーズの国内モデルは、ミリ波に対応するのでしょうか?
iPhone15シリーズは5Gのミリ波に非対応か?
ご存知の通り、iPhoneは2020年モデルiPhone12シリーズから5Gに対応しました。しかし、ミリ波に対応する国と地域は、iPhone12およびiPhone13シリーズが米国のみ、iPhone14シリーズでプエルトリコが追加されたのにとどまっています。
また、2022年10月に発売されたM2搭載iPad Proのミリ波対応も、米国およびプエルトリコに限定されているほか、iPhone SE(第3世代)は米国でもミリ波非対応となっています。
加えて、米国のキャリアにおいても、ミリ波に積極的なのはVerizonのみという状況にあり、Apple製品自体のミリ波対応が遅れる傾向にあるのかもしれません。
このような現状や、国内のミリ波普及の遅れを考えると、iPhone15シリーズの国内モデルがミリ波に対応する可能性は低いといえるのではないでしょうか。
また、仮に対応したとしても、現状ではミリ波の恩恵を受けられるシーンがとても限定されたものになると考えられます。
Source:総務省/5Gビジネスデザインワーキンググループ(第3回)配布資料
Photo:AppleTrack/YouTube
(te7373)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-524501/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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