総務省は2月28日、短期間で解約したことを理由に携帯電話会社が新規契約を拒否することや、短期解約するとブラックリストに載ると説明して利用の継続を求める販売代理店の行為は電気通信事業法違反にあたり、業務改善命令の対象になる、との見解を示しました。ただし「転売ヤー」対策としての対応については認めています。
消費者や販売代理店から総務省に寄せられた通報
2月28日に開催された、総務省の有識者会議「競争ルールの検証に関するWG」と「消費者保護ルールの在り方に関する検討会」の合同会合において、2021年9月に設置した「携帯電話販売代理店に関する情報提供窓口」に寄せられた不適切な販売行為についての議論が行われました。
情報提供窓口には消費者に加えて、販売代理店関係者からも、上層部からの指示で利用者をだますような説明をするよう求められた、などの通報も寄せられています。
増えている「短期解約」に関する通報
通報には、不要な有料オプションを勝手に契約されるといった「オプション」に関する通報が多いのと同時に、新たな類型として「短期解約」に関する通報が寄せられていると報告がありました。
「短期解約」に関する通報には、「短期で解約するとブラックリストに掲載される」と説明して一定期間の契約を継続するよう求めるものと、最低利用期間があると知らされていなかったのに「前の契約期間が短いので契約できない」と契約を拒否されたというものがみられます。
短期解約が理由の契約拒否やブラックリスト掲載は法律違反に
総務省は「スイッチングコストが低減し、事業者変更が容易になっている中、短期解約は十分に考えられる」「MNOは短期解約されても対価を得ることが可能」として、短期解約を行ったことがあることを理由に契約を拒否するのは電気通信事業法違反にあたり、業務改善命令の対象となり得る、との見解を示しています。
また、「短期解約するとブラックリストに載る」等の案内をすることは、電気通信事業法で禁止されている不実告知(嘘の説明)に該当する場合があり業務改善命令の対象になり得ると指摘した上で、MNO各社は販売代理店を指導監督するよう求めています。
「転売ヤー」対策は認める
総務省は、短期解約を防ぐために虚偽の説明をすることなどを禁止する一方で、サービスを利用せず端末を転売することを目的とした「転売ヤー」対策として、割引販売の提供を1人1回に限るなど対策を行うことは妨げない、と説明しています。
iPhone激安販売のトラブルも紹介
総務省の情報窓口には、一部の家電量販店や携帯ショップなどで行われている、iPhoneの大幅値引き販売に関するトラブルの情報も寄せられています。
会議資料には、「機種だけ購入なら22,000円と記載があったのに、機種だけ購入しようとしたら65,000円を請求された」「iPhone SE(第3世代)が一括1円と説明があったが、端末のみの購入は機械がないのでできないと断られた」「単体購入の枠は埋まっている、回線契約するなら購入可能と説明された」などの声が掲載されています。
- Original:https://iphone-mania.jp/news-526382/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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