ICT総研は「2023年 公衆無線LANサービス利用者動向調査」の結果を発表しました。公衆無線LANサービスとしては、キャリア各社によるサービスが高い満足度を獲得しています。コロナ禍の影響を受けた2020年〜2022年の利用者数は大幅に減ったものの、2023年には回復が見込まれています。
コロナ禍の3年間で激減した公衆無線LAN利用者
ICT総研によると、公衆無線LANの利用者数は2019年度まで順調に伸びていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた2020年から2022年は、2019年度の7割程度まで落ち込みました。
また、2021年からは格安料金プランが登場したことで、外出先で公衆無線LANを利用しないスマホユーザーが増えたことも、利用者数の減少に拍車をかけたとみられます。
今後についてICT総研は、個人、ビジネス、訪日外国人ともに利用者数が回復し、2023年度には5,691万人と2019年の約9割、2024年には6,220万人とコロナ禍前とほぼ同等に復活すると予測しています。
公衆無線LANサービス満足度、キャリア系がトップ3を独占
ICT総研が公衆無線LAN利用者2,032人を対象に実施した調査によると、各サービスの満足度は、NTTドコモの「d Wi-Fi」が68.9ポイント、auの「au Wi-Fi SPOT」が66.5ポイント、ソフトバンクの「ソフトバンクWi-Fiスポット」が65.5ポイントと、キャリア系サービスが満足度のトップ3を占めました。
このほか、イオンWi-Fi、コンビニのWi-FIサービス、観光地・自治体の公衆Wi-Fiの順に続いています。
満足度の全体平均は65.3ポイントで、5年前の調査での平均値から4.8ポイント上昇し、全体的に改善傾向にあるといえます。
コンビニ・ショッピングセンターの利用率が50%超
公衆無線LANサービスの利用場所(複数回答可)は、利用満足度上位4サービスのいずれも「コンビニ・ショッピングセンター」がトップでした。キャリア系3サービスでは、「カフェ・飲食店」が僅差で続いています。
5年前の調査で、「コンビニ・ショッピングセンター」での公衆無線LAN利用率は40%前後だったのが、50%以上へと伸びています。この要因についてICT総研は、スマホを使ったキャッシュレス決済の利用拡大や、外出先での動画サービスやSNSの利用者が増えたため、と分析しています。
「安全性向上すれば公衆無線LANを利用したい」34.4%
公衆無線LANサービスについては、暗号化が不十分で、通信内容を傍受されるリスクがあると指摘されています。
今後の公衆無線LANの利用意向として、安全性が現状のままでも無料なら利用したいとの回答が29.0%、有料でも利用したいとの回答が7.6%で、現状のままでも利用したいとの回答の合計は36.6%でした。
一方、安全性が向上すれば無料で利用したいとの回答が28.9%、有料でも利用したいとの回答が5.5%で、安全性が向上すれば利用したいユーザーの合計は34.4%でした。
現状のままでも利用したいというユーザーと、安全性が改善されれば利用したいというユーザーがほぼ同程度おり、安全性の向上により、今後のサービスの利用者拡大や満足度向上につながる可能性があります。
利用料金プランで変わった公衆無線LANの利用
筆者は以前、契約している料金プランで利用できるデータ通信量が7GBしか選択肢がなかった頃、よく公衆無線LANのお世話になっていました。現在は当時より安い料金で月間20GB利用できるプランを契約しているため、セキュリティにやや不安のある公衆無線LANを利用することもなくなりました。
また、以前はコンビニなどの前を通過するだけでiPhoneが勝手に公衆無線LANに接続してしまい、通信速度が落ちることもありましたが、現在はそうしたストレスも減りました。
しかし、外出先で通信障害に見舞われた際など、公衆無線LANが使えることの安心感は大きいものがあります。今後、複雑な設定なしに安全に使える公衆無線LANの普及が進むことに期待したいです。
Source:ICT総研
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-532841/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania