すすむ酒造現場のDX化、「もろみ日誌クラウド」と酒類分析計のデータ連携でより便利に

中埜酒造株式会社、ラトックシステム株式会社、京都電子工業株式会社の3社は、「もろみ日誌クラウド」と酒類分析計のデータ連携に向けたテスト運用を開始しました。酒造現場のDX化に、一層の注目が集まります。

「もろみ日誌クラウド」とは

「もろみ日誌クラウド」は、酒造3工程(麹/酒母/もろみ)のデータをクラウドで管理、品温記録の自動化やスマホでの品温管理を支援するIoTシステムです。登録データとして、品温以外にも分析値の入力も可能で、事績ごとに管理して帳票印刷をすることができます。

また冷却水の制御で品温管理する機器の品温確認や設定温度の変更を可能にするなど、連携によりDXの活用領域を広げています。

酒類分析計とは

京都電子工業の酒類分析計は、自社開発SDKシステムと組み合わせることで試料の計測から記録、計算まで自動化できます。計測にかかる日々の作業軽減と時間短縮をするとともに、個人差なく簡単に高精度な計測が行えることが特徴です。

酒類分析計にはアルコール度数と日本酒度を計測・計算する迅速アルコール測定キットと、酸度とアミノ酸を計測する総酸・アミノ酸計パックの2つがあります。

3社の連携でより確かなDX化を

中埜酒造はこれまで、品温はもろみ日誌クラウドで自動記録、分析値の計測および計算は酒類分析計のSDKシステムで自動化し、日々の作業効率化とDX化を進めてきました。

しかし、それぞれのシステムが独立しているため、現状で分析値を「もろみ日誌クラウド」で利用するには、手入力で対応しなければなりません。酒造のIT化を進めるにあたり、まずはシステム間のデータ利用をいかに省力化するかという課題を解決する必要があります。

京都電子工業とラトックシステムでは、こういった酒造現場からの声を受け、将来的にシステム間のシームレスなデータ利用を目指すとしています。まずは3社にて実証を開始し、計測値の手入力ゼロを目指します。

より効率的な酒造管理ができるように

実証では、実際の酒造工程で運用し、日々の酒類分析計データ取り込みともろみ日誌クラウド上での実用性を検証。双方のシステムをアップデートすることで、酒類分析計のSDKシステムからCSVを出力し、もろみ日誌クラウドのクラウドに保存する機能を実現します。
また、取り込みデータは事績として保存され、スマートフォンでの分析値グラフ表示やPCでの帳票印刷を可能にします。酒類分析計のSDKシステムともろみ日誌クラウドを、同一PC上に構築します。

今後の展開

3社では、実証によるフィードバックをおこなった後、酒類分析計およびもろみ日誌クラウドの既存ユーザー向けに同機能を提供するとしています。将来的には、クラウド連携によるシームレスなデータ管理も視野に入れ、現場ニーズを取り入れた酒造DX化のためのソリューション提供を続けていくと述べています。

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000219.000023921.html

(文・中西南美)


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