かつて憧れた名車が目の前に!オートモビルカウンシル2023で出合った“スーパーカー”5選

2023年4月14日(金)〜16日(日)、千葉県・幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2023」。専門店がさまざまなヘリテージカーを展示し、その場で買うこともできる、これまでにないモーターショーとして人気を博しています。

そんなモーターショーで見つけた、いつの時代も憧れの存在であり続けるスーパーカーを紹介します。

 

1. WRCチャンピオンになる礎を築いたモデル

▼アルピーヌ A110 1600S

1955年、モンテカルロラリーやル・マン、ミッレ・ミリアなどに参戦していたフランス人レーサーのジャン・レデレ氏が創業したアルピーヌ。アルピーヌは1955年にA106ミッレ・ミリア、1960年にA108を発表します。そして1963年に名車・A110が登場しました。

前後の車軸の間に背骨のようにフレームを配置したバックボーン型フレームにFRP製ボディを被せた構造ですが、フロント部はFRPを張り込む形で固定。リアはサスペンションがアクスルを懸架する形になっています。

1977年まで製造されたA110には2+2クーペ、GT4、カブリオレ、ベルリネッタといくつかのバリエーションが登場しました。搭載エンジンは時代により13ものバリエーションがありました。

今回展示されていたのは、1973年からスタートした世界ラリー選手権(WRC)の初年度チャンピオンとなる礎となった1972年式の1600S。1605cc直列4気筒OHVエンジンをリアに搭載するRR方式で、最高出力は138ps、最大トルクは14.7kg-mを発揮。1600Sはもともと1565ccのエンジンを搭載していましたが、WRCに参戦するために途中で1605ccに拡大されました。そしてWRCの初年度で5勝するという圧倒的な強さを見せました。

>> アルピーヌ

 

2. フェラーリ初のミッドシップ2シーター

▼ディーノ 246GT

1965年のパリサロンでプロトタイプが公開され、1968年にディーノ206GTがデビュー。ディーノとは1956年に亡くなった、エンツォ・フェラーリの長男の愛称です。

1986cc V型6気筒エンジンを搭載するディーノ206GTは1969年までと生産期間が短く、ディーノは2419cc V型6気筒を搭載する246GTへと進化しました。また、ホイールベースも206GTから60mm延長され、全長も85mm延長されて4235mmになりました。

そして206GTがアルミ製ボディだったのに対し、246GTのボディはスチール製になります。ボディタイプはクーペ(年代により3つのタイプがあります)の他、タルガトップのGTSもありました。

抑揚のある流麗なスタイルやフェラーリのエンブレムがつけられなかったというストーリーに憧れる人は多く、今回展示されていた車両は参考出品でしたが、コンクールコンディションのものだと1億円前後で取引されるケースもあるようです。

>> Auto Speciale

 

3. ポルシェの技術を結集したハイテクマシン

▼ポルシェ 959

ポルシェは1970年代から4WDシステムの開発に着手。1983年のフランクフルト・ショーでは、WRCグループB参戦を見据えたプロトタイプモデル『グルッペB』を公開しました。当時のFIAはグループB車両にWRCのチャンピオンシップを授与すると発表。これによりポルシェもグループB車両として認められる『1年間で200台の生産』を目指すことになったのです。そして1986年、ポルシェ959が誕生しました。

スタイルは911を彷彿させますが959はまったく別物。搭載エンジンは最高出力450ps、最大トルク51.0kgmを発揮する2850ccの空冷水平対向6気筒ツインターボ。トランスミッションは6速MTになります。

サスペンションに自動車高調整機能とダンパーの硬さ調整機能を備え、電子制御で4WDのトルクを前後に配分するなど、当時のポルシェの最先端の技術が惜しみなく投入されています。

1984年にパリ・ダカールラリーに参戦して優勝。1986年に959として発売され、292台生産されました。当時は空前の好景気だったこともあり、959はすぐに完売。その後はフェラーリ F40とともに億単位で取引されていました。

本車両は「オートモビルカウンシル2023」のポルシェ911 60周年記念企画『初期ナローからカレラGTまで』に展示されていました。

 

4. ヨーロッパベースの超軽量ハンドリングマシン

▼ロータス 47仕様

1970年代のスーパーカーブームにおいて一躍有名になったライトウェイトスポーツモデルがヨーロッパ。漫画『サーキットの狼』の主人公である風吹裕矢の愛車として人気を博しました。

このクルマはヨーロッパのシリーズ1をベースにレース仕様にチューンナップした47。それを復刻させるために、日本随一の専門店として知られるテクニカルショップ「ハッピー」が作り上げたもの。インテリアまで精巧に再現されており、その価値の高さが伺えます。価格は1780万円とのことでした。

ロータス47は推定で55台しか生産されていないと言われているほどの希少車で、ヨーロッパとはフレームから異なっているそうです。搭載されるコスワース製の1.6L直4エンジンは最高出力177ps。この数値だけを聞くと普通に感じるかもしれませんが、車両重量が600kgに満たないゆえ、凄まじい加速力とハンドリング性能だったと言います。

1969年の日本グランプリではレーシングドライバーの高野ルイ氏がロータス47で参戦していました。

>> AC MINDS & Co.,

 

5. “世界で最も美しいクルマ”と評された流麗ボディ

▼ジャガー Eタイプ

1948年に登場したXK120。XK140、XK150と進化したXKシリーズの後継モデルとして1961年に発表されたジャガーのスポーツモデルがEタイプです。エンツォ・フェラーリが「世界で最も美しいクルマ」と評したことでも知られるEタイプにはクーペとオープンモデルのロードスターが存在します。

1975年まで14年にわたり生産されたEタイプは、年代によりシリーズ1〜シリーズ3と区別されます。今回展示されていたのは1963年式のシリーズ1・3.8L直6エンジン搭載車。Eタイプの中でも最初期のモデルで、コンクールコンディションにまでフルレストアされた車両となります。

エンジンは最高出力265hp、最大トルク36.0kgmを発揮。1964年には搭載エンジンが4.2L直6になり、シリーズ3では5.3LのV12エンジンが搭載されました。

長いノーズとコンパクトなキャビン、そしてリアの小さなテールランプ。シンプルさの中に抑揚のある面を盛り込んだスタイルは、デビューから60年以上経った今なお多くの人を魅了しています。

>> Jaguaria

<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。

 

 

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