Securitize Japan株式会社は、NFTマーケットプレイスを運営するSBINFT株式会社(以下、SBINFT)と、Web3時代の新しいデジタル証券「特典NFT付きST(セキュリティトークン)」のサービス提供に向けた業務提携を行ったことを発表しました。
Securitize Japan株式会社は、Securitize, Inc.の日本法人。Securitize, Inc.は、発行から流通市場まで対応したセキュリティトークン・ソリューションを提供しているアメリカの大手デジタル証券会社です。
今回の提携により、SecuritizeのSTプラットフォームがSBINFTのNFTプラットフォームと連携。新しい投資商品「特典NFT付きST」の発行・管理が可能となるサービスをST発行企業に提供します。
投資家向けのエンゲージメントを強化
ST発行企業は、「特典NFT付きST」サービスを利用することで、ST保有者に向けてNFTを通した株主優待のような体験を実現できます。これまでの投資商品における配当・利払などの金銭的リターンに加えてNFTをデジタル特典として付与することで、投資家向けのエンゲージメントをより強めることができます。
特典NFTは二次流通で活用も
また、NFTの二次流通(個人売買)の可否は、発行時に設定可能。売買を可能にしたNFTは、SBINFTのマーケットプレイスや、「OpenSea」といった二次流通マーケットで取引することができます。
想定されている付与NFTの活用方法は以下の通りです。
・ST発行企業のキャラクターNFT
・ST発行企業の店舗で活用できるクーポンNFT
・ST発行企業のイベントなどに参加できるチケットNFT
・オリジナルのデジタルアートNFT
・(不動産STの場合)対象不動産(商業施設、宿泊施設など)の利用権NFT/会員権NFT
複数のブロックチェーンに対応
SecuritizeのNFTプラットフォームは、Quorumなどのプライベート/コンソーシアムブロックチェーンのほか、Ethereum、Polygon、Avalancheなどのパブリックブロックチェーンをサポートしています。これらは発行企業の意向により使い分けることができます。
一方、SBINFTのプラットフォームも、EthereumとPolygonに対応しています。双方が共通のパブリックブロックチェーンを使用することで、ST発行企業がST保有者に対してNFTをより簡単に配布できるとのこと。
なお、Quorumなどのプライベート/コンソーシアムブロックチェーンにてSTを発行・管理する場合においても、ウォレットアドレスの形式はPolygonと同一になります。このシステムを活用することで、同ブロックチェーンでSTを発行しつつ、ST投資家のウォレットアドレスへPolygon上で特典NFTを配布するといった試みが可能になります。
さらにスキームは異なるものの、「ST保有者が自らの操作により自身のウォレットアドレスにNFTを発行する」といったことも可能になるといいます。
デジタルNFT会員権を資金調達に活用するケースも
NFTの知名度の向上や普及が進みつつある現在、NFTを特典として配布したり、デジタル利用権に紐づけたりするといったケースが増加しています。
2023年4月には、株式会社CosmgateがNFT技術を使ってデジタル会員権を発行・取引できるプラットフォーム「Memva!」の事前登録受付を開始しました。「Memva!」では、NFT技術を活用したデジタル会員権を発行することで、事業者へ向けて新たな資金調達とプライシング(価格設定)の選択肢を提供しています。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000013931.html
(文・S.Inosita)
- Original:https://techable.jp/archives/205849
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:井上智文
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