全米初のTikTok禁止法がモンタナ州で成立。法的異議申し立てが行われる可能性も

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モンタナ州の議会は今年4月、同州内において動画共有アプリ「TikTok」の使用を禁じる法案を可決しました。正式に施行されるかどうかは、グレッグ・ジアンフォルテ州知事が署名するかどうかにかかっていましたが、州知事は現地時間5月17日、法案に署名しました。
 
この法案は、モンタナ州内においてTikTokを全面的に禁止する内容で、2024年1月1日から施行される予定です。同アプリの禁止は、全米の州で初めてとなります。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 米モンタナ州の議会は4月、動画共有アプリ「TikTok」の使用を禁じる法案を可決した。
2. 同アプリの禁止は、2024年1月1日から施行される予定。
3. 法律専門家は、今後どう影響してくるのか注目が集まるという。

モンタナ州で、TikTokが全面禁止に

本法案によりTikTokの運営会社のByteDanceは、いかなる形であれ、モンタナ州内での事業活動を禁止されます。1件の違反につき1日あたり1万ドル(約140万円)の罰金が同運営会社に科されることになりますが、TikTokユーザーに対する罰則はありません。また、法案施行後にAppleやGoogleを含むアプリストアがTikTokを配布した場合も、それら企業に罰金が科されるということです。
 
モンタナ州は、米国内でのTikTokの使用を取り締まる「リーダー」になりたいと表明しており、同州の司法長官は同アプリを「中国政府がモンタナ州民をスパイするために使用するツール」と説明しています。ただし、この法案は米連邦政府がTikTokに対する禁止令を制定するか、「TikTokが中国との繋がりを断ち切った場合」には無効になるということです。
 
一方でByteDanceは、モンタナ州でのTikTok禁止の合憲性は裁判所が判断するとしており、「このひどい政府の越権行為によって、生活と憲法修正第1条の権利が脅かされているモンタナ州のTikTokユーザーとクリエイターのために戦い続ける」としています。

法的異議申し立てが行われる可能性も

この法案はモンタナ州で必要な全ての承認を得ていますが、今後7カ月の間に法的な異議申し立てが行われる可能性があるということです。ただ、法律専門家は、同州での法案がどうなったとしても、米国の他の地域に先例を示すことになると予想しています。なお、米連邦政府は世界中の数多くの国と同様に、政府端末でのTikTokの使用を禁止しています。
 
AppleとGoogleは、違反するたびに1万ドルの罰金が課せられるにも関わらず、この法案について触れていません。

TikTok利用禁止に関するこれまでの動き

もともとは安全保障上の懸念から、トランプ政権によってTikTokの禁止が推し進められていました。トランプ前大統領は2020年8月、ByteDanceに米国事業の売却を命じています。その後、OracleとWalmartが共同で買収に名乗りを上げたものの、最終的に、売却する計画は無期限に棚上げされたと報じられました。
 
しかし2023年3月、バイデン政権はByteDanceに対し、保有するTikTok株式を売却するよう求め、応じない場合は米国で同アプリが禁止される可能性があると通告しました。バイデン政権が禁止の可能性を示したのは、これが初めてのことです。今のところ、この件の進捗については不明ですが、今回、モンタナ州でTikTok禁止法案が成立したことが、今後どう影響してくるのか注目が集まります。
 
 
Source:Wall Street Journal via 9to5Mac,AppleInsider
(m7000)


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